こんな疑問に答えます。
当ブログでは合唱歴10年以上の経験をもとに、たくさんの合唱曲を数多く紹介し、また詳しく解説しています。
この記事では本ブログで紹介している合唱曲を、難易度順+簡単な曲紹介つきでまとめています。
難易度の目安は次の通り。
- 【レベル1】…斉唱・ニ部合唱
- 【レベル2】…混三[入門]
- 【レベル3】…混三[初級](中学1~2年)
- 【レベル4】…混三[中級](中学2~3年)
- 【レベル5】…混三[上級](中学3年)
- 【レベル6】…混三[最上級]・混四[初級](中学3年~高校)
- 【レベル7】…混四[中級](高校~)
※難易度の分類は随時見直したいと思います。
中学生の校内コンクールではレベル3~5の曲から選ぶのがおすすめです。また、合唱経験者が多く、しっかりと練習できる自信があればレベル6~の曲に挑戦しても良いかもしれません。
また、歌い方のコツや練習方法を本記事内のリンクから見ていただくことができますので、ぜひご利用ください。
もくじ
- 【はじめに】合唱曲の選び方/コンクールの選曲方法
- 【レベル1】斉唱・ニ部合唱
- 【レベル2】混三[入門]
- 【レベル3】混三[初級](中学1~2年)
- 【レベル4】混三[中級](中学2~3年)
- 【レベル5】混三[上級](中学3年)
- 『樹氷の街』(竹岡範男 作詩/矢田部宏 作曲)
- 『空駆ける天馬』(館蓬莱 作詩/黒沢吉徳 作曲)
- 『あなたへ―旅立ちに寄せるメッセージ』(筒井雅子 作詩/筒井雅子 作曲)
- 『Gifts』(越智志帆 作詞/越智志帆・蔦谷好位置 作曲/大田桜子 編曲)
- 『手紙』(アンジェラ・アキ 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
- 『春に』(谷川俊太郎 作詩/木下牧子 作曲)
- 『未来へ』(谷川俊太郎 作詩/信長貴富 作曲)
- 『響きあう命』(西部敏彦 作詩/瑞木薫 作曲)
- 『僕らはいきものだから』(長屋晴子(緑黄色社会)作詞・作曲/桜田直子 編曲)
- 『YELL』(水野良樹(いきものがかり) 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
- 『証』(山村隆太 作詞/阪井一生 作曲/加藤昌則 編曲)
- 『桜の季節』(ATSUSHI 作詞/ATSUSHI・マシコタツロウ 作曲/加藤昌則 編曲)
- 『虹』(御徒町凧・森山直太朗 作詞・作曲/信長貴富編曲)
- 『友 ~旅立ちの時~』(北川悠仁(ゆず) 作詞・作曲/相澤直人 編曲)
- 『予感』(片岡輝 作詩/大熊崇子 作曲)
- 『走る川』(金沢智恵子 作詩/黒澤吉徳 作曲)
- 【レベル6】混三[最上級]・混四[初級](中学3年~高校)
- 【レベル7】混四[中級](高校~)
- 【まとめ】自分たちに合った曲を選ぼう!
【はじめに】合唱曲の選び方/コンクールの選曲方法
合唱コンクールをはじめ、歌う曲の選び方は非常に大事です。
選曲次第で、合唱団・クラスがやる気を出して一丸となれたり、のびのびと歌えて力を発揮することに繋がります。
次の5点が重要なポイントです。
- 難易度(リズム・音域・伴奏など)
- パート編成
- みんなが気に入ってくれるかどうか
- 歌い込める歌詩(歌詞)
- 自分たちが目指したい音楽【最重要】
詳しくは【結果に繋がる】合唱コンクールの選曲5つのポイント【力が発揮できる曲とは】で解説していますのでご覧ください。
【レベル1】斉唱・ニ部合唱
斉唱(ユニゾン、全員が同じ音を歌う)や、二部合唱(パートが2つ)の合唱曲です。
音取りが簡単な曲が多く、始めて合唱にチャレンジするときにおすすめです。
※現在、弊ブログで紹介している曲はありません。リクエストがあればこちらで受け付けています。
【レベル2】混三[入門]
このレベルからはソプラノ・アルト・男声の3つのパートに分かれる合唱形態になります。
はじめて三部合唱に取り組む場合はこれらの曲が適していると思います。
卒業式で歌える作品もありますよ。
『変わらないもの』(山崎朋子 作詩・作曲)
曲の紹介
卒業式向けの混声三部合唱。しっとりと語りかけるような歌い出しや、熱さのこみ上げるようなサビの場面が印象的です。
合唱・伴奏の難易度
全体的にユニゾンが多く、音が分かれるところも実はソプラノと男声が同じ音を歌っていたりするので、音は取りやすいはず。
ピアノパートもベーシックです。8分音符を落ち着いて弾いて、テンポをキープしましょう。
『そのままの君で』(松井孝夫 作詩・作曲)
曲の紹介
歌い出しは二部合唱、クライマックス部分は三部合唱と明快な構成となっています。
ハーモニーも難しくなく、歌いやすい作品です。
合唱・伴奏の難易度
ユニゾンが多いので歌いやすいと思いますが、”ルルル”では少々音域が高いので注意が必要です。
ピアノパートは4分音符が主体で弾きやすいはず。合唱をしっかり支えてあげましょう。
『夢の世界を』(芙龍明子 作詩/橋本祥路 作曲)
曲の紹介
大らかなメロディーが親しみやすい作品。
ユニゾンから始まり、中間部でハーモニーが広がるという対比がとても印象的です。
混声三部合唱の入門にうってつけです。
合唱・伴奏の難易度
6/8拍子の曲というのは、あまり馴染みが無いかもしれません。
この流れに乗ることができるようになれば、おおらかなメロディーは歌いやすく感じると思います。
ピアノパートは意外にも細かい動きが多く、合唱と合わせるのが大変かもしれません。
『さよならと言おう』(西世紀 作詩/加賀清孝 作曲)
曲の紹介
しみじみと叙情的なコード進行が心に染み入るような素朴な作品です。
場面ごとにパートの役割が明確で、練習の方向性はつかみやすいでしょう。
合唱・伴奏の難易度
心の繊細な動きを表現するように、♯や♭の臨時記号が比較的多く用いられています。
こういった音を丁寧に歌うことで曲の魅力が引き立ちます。
ピアノパートは4分音符が多く、それほど難しくないはず。
テンポが緩むところでは指揮を見たり、合唱をよく聴いて合わせましょう。
『絆』(山崎朋子 作詩・作曲)
曲の紹介
切ないコード進行が魅力的な、卒業式にぴったりの作品です。
コンパクトでありながら、ユニゾンの歌い出し、3パートでのハモり、フォルテでの盛り上がりなど、合唱に欠かせない魅力が詰まっています。
合唱・伴奏の難易度
コンパクトな作品ですので音取りはスムーズに進められると思います。
3パートに分かれるところではソプラノのメロディーに釣られないよう、各パートの音をしっかりと確認しましょう。
慣れてきたらお互いの声をよく聴きあうことで、合唱ならではの豊かな響きが生まれます。
ピアノパートはシンプルで大きな苦労はなさそうです。
左手の付点4分音符や8分音符のリズムが、全体のテンポ感や流れを作りますので大切です。
右手はメロディーに寄り添うようなイメージで。
『あさがお』(山崎朋子 作詩・作曲)
曲の紹介
前向きな気持ちを、暑さに負けず咲くあさがおの花に例えて歌うテキストが素敵です。
優しく語りかけるように歌い出し、サビでは熱く盛り上げ、ラストの場面では再び優しく。
そんなドラマチックな展開を持つ曲です。
合唱・伴奏の難易度
ユニゾンが多いため音は取りやすいです。
サビの部分で比較的高い音が出てくるのでその点は要注意。
ピアノパートも音の数が少なく取り組みやすい作品です。
【レベル3】混三[初級](中学1~2年)
このレベルの作品は、親しみやすさがありながら、合唱ならではの響きも感じられる曲が多くなっています。
合唱コンクールでは、中学1~2年生ならこのあたりのレベルの曲を選ぶと良いでしょう。
『Let’s Search for Tomorrow』(堀徹 作詩/大澤徹訓 作曲)
曲の紹介
中学のレパートリーとして人気のある定番曲です。
シンプルなようで、楽譜を丁寧に読み込めばそこには綿密に構成されたドラマがあることが分かります。
サビ部分のメロディーはスケール感があり、歌っていて気持ちが良いですね。
合唱・伴奏の難易度
ユニゾンが多く、またメロディックで親しみやすく音取りは難しくないはずです。
16分音符の細かい動きや、それらがタイで繋がったリズムは早く歌ってしまうがちなので、急がず丁寧に。
ピアノパートも難しくありません。
8分音符や4分音符のテンポをしっかりキープして。
また、合唱が伸ばしているなど動きがなく、一方でピアノ独自の動きがあるところではキラリと輝くようにアピールしましょう。
『COSMOS』(ミマス 作詩・作曲/富澤裕 編曲)
曲の紹介
アクアマリンのミマスさんによる、大人気の作品。
歌いやすくキャッチーでありながら、宇宙の神秘や壮大さも感じさせる、魅力的な曲になっています。
合唱・伴奏の難易度
メロディックですが、メロディーの微妙な掛け合いに戸惑うかもしれません。
また、男声に比較的高い音が出てくるので、声を張り上げて荒っぽくならないように要注意。
歌詩を大切に伝えるようなテクニックも必要になってきます。
ピアノパートはそれほど難しくありません。
高音部は星のきらめきを思わせるように、またサビ前のクレッシェンドはしっかりと盛り上げて合唱のフォルテを引き出しましょう。
『地球星歌 ~笑顔のために~』(ミマス 作詩・作曲/富澤裕 編曲)
曲の紹介
『COSMOS』と同じ作曲家、ミマスさんの作品です。
流れるリズムに乗せて歌われる歌詩が印象的。ミマスさんらしい、優しさと壮大なスケール感を併せ持った歌詩です。
盛り上がる部分が明快で、音楽的なクライマックスを作りやすいです。
合唱・伴奏の難易度
中学生向けのレパートリーとしては珍しく6/8拍子ですのでこのリズム感をつかめるかが第1のポイントです。
音符が細かいと言葉も伝わりにくくなりますので、そのあたりも意識して練習できると良いでしょう。
ピアノパートも同じく、6/8拍子の流れがポイント。流れるを作りながら、一方で走らないように気をつけましょう。この点が結構難しいかもしれません。
『HEIWAの鐘』(仲里幸広 作詞・作曲/白石哲也 編曲)
曲の紹介
アップテンポで、シンコペーションの多用されたメロディーはノリがよくキャッチーです。実際、人気のある曲です。
音も難しくないので歌いやすいですが、歌詞に込められた平和への思いには真剣に向き合って歌いましょう。
合唱・伴奏の難易度
ベーシックな混声三部です。冒頭の”LA LA LA”は非常に充実したハーモニー。
メロディーは8分音符が主体で覚えやすいです。
曲のノリに任せて歌うと美しさが損なわれてしまいますので(ともすると機関銃のようになってしまいます)、ある程度レガート(=滑らかに)歌うほうが、私は好みです。
前奏のピアノ右手は鐘のイメージで。全体的には8分音符をリズムを安定して弾くことが大切です。
『マイバラード』(松井孝夫 作詩・作曲)
曲の紹介
中学生向けのレパートリーとして、長年絶大な人気を誇る作品です。
冒頭は優しく語りかけるように。サビ部分の2拍3連はカッコよく歌いましょう。
合唱・伴奏の難易度
レベル的には基本的な作品です。
冒頭の16分音符のメロディーはリズムが乱れないよう、また言葉がしっかり伝わるように歌いましょう。
サビ部分のメロディーにはソプラノにオクターブの跳躍があります。このあたりが技術的な課題になります。
ピアノパートもそれほど難しくありませんが、2拍3連が出てくるところは、たっぷりと弾いて、合唱をガイドしましょう。
『With You Smile』(水本誠・英美 作詩/水本誠 作曲/富澤裕 編曲)
曲の紹介
広々と広がる海原を思わせるようなメロディーを持ち、爽やかで、歌っていてとても気持ちの良い作品です。
繰り返されるサビを伸びやかに、高らかに歌いましょう。
合唱・伴奏の難易度
合唱はロングトーン(伸ばす音)が多いので、最後まで歌いきれるようにたっぷりとしたブレスを意識することが大切です。
2/2拍子の感じをつかめればそれほど難しい曲ではないはずです。
ただし、パートが分かれるところがあるので、そこはしっかり音を確認しておきましょう。
ピアノパートは8分音符の流れとフレーズ感を大切に弾きましょう。
間奏はピアノソロのような感じになりますが、落ち着いて、堂々と。
『明日へ』(富岡博志 作詩・作曲)
曲の紹介
Allegroの快速なテンポに乗った、シンコペーションを多用したメロディーが爽やかで、非常に気持ちよく歌える作品となっています。
いったん短調に変化してから、再び長調に戻ってのサビは大変のびやかで印象的。
フレーズを大きく捉え、クライマックスへ気持ちを高めて歌いましょう。
合唱・伴奏の難易度
2/2拍子的なリズムは最初は難しく思えますが、いったんつかめてしまえば非常に気持ちよく歌えます。
シンコペーションしているメロディーは、リズムがはっきり出るようにやや固めに歌うとよいでしょう。
テンポが早いのでピアノパートは少しむずかしいかもしれません。
右手は合唱のメロディーに寄り添って弾きましょう。
【レベル4】混三[中級](中学2~3年)
このレベルでは音楽的な内容の広がりや深みを持った曲が増えてきます。
合唱に慣れてきた中学2~3年生に、ぜひ取り組んで欲しい作品群です。
『旅立ちの日に』(小嶋登 作詩/坂本浩美 作曲/松井孝夫 編曲)
曲の紹介
卒業式の定番曲です。
優しく語りかけるような前半、大きく躍動するような後半の対比が印象的。
大変効果的な構成で、人気が非常に高いのも頷けます。
合唱・伴奏の難易度
定番曲だけあって合唱も伴奏も難易度はそれほど高いわけではありませんが、歌い込むに足るだけの内容を持っている作品です。
前半ではしっかりと言葉を伝えるように、後半では躍動的なリズム感を活かすように歌いましょう。
ピアノパートは4分音符をリズムを保って、テンポをキープすることが音楽全体の雰囲気を作りましょう。
細かい16分音符はきらめくように、ぶつかる和音は繊細に。
また、後半のPiu mossoからテンポアップします。ここでも合唱を引っ張ってあげてください。
『旅立ちの時~Asian Dream Song~』(ドリアン助川 作詩/久石譲 作曲/富澤裕 編曲)
曲の紹介
ジブリ映画の音楽でおなじみの久石譲さんによる作曲です。
1998年長野冬期パラリンピックのために書かれたものに、ドリアン助川が歌詩をつけたものになります。
東洋風を思わせるメロディーとテンションの効いた現代的なコードが絶妙にマッチした、非常に格好良い作品で、人気もあります。
合唱・伴奏の難易度
合唱は比較的ユニゾンが多く、音は取りやすいです。
ただし、ハモるところでは和音が少し複雑で、つられやすいかもしれません。
また、ノリの良さゆえに走ってしまう(テンポがどんどん速くなってしまう)ことも懸念されます。落ち着いて歌いましょう。
ピアノパートは、普段の合唱曲よりもビート感を意識すると良くなりそうですが、そのあたりが慣れないと難しいかもしれません。
『巣立ちの歌』(村野四郎 作詩/岩河三郎 作曲)
曲の紹介
卒業式に相応しい、格調高い伝統の名曲です。
歌い出しは懐かしさを感じるような雰囲気。
そして”いざさらば”と歌い上げる場面はぐっと込み上げるものがあります。
合唱・伴奏の難易度
オーソドクスな作品ですが、和音やフレーズを繊細に処理しなければ美しい響きになりません。
お互いのパートの音やメロディーを、いつも以上によく聴き合い、感じ取りながら歌いましょう。
ピアノパートも、細かなパッセージこそありませんが、音域が広く、音も多いためやや苦労するかもしれません。
冒頭の対位法的な(複数の旋律が絡むような)フレーズにも注意が必要です。
『時の旅人』(深田じゅんこ 作詩/橋本祥路 作曲)
曲の紹介
合唱作品のロングセラーとも言うべき、伝統の人気曲です。
転調によって、みずみずしい情景描写や、力強く前向きな表情など、様々な場面が描き分けられています。大変ドラマチックな構成を持っています。
合唱・伴奏の難易度
合唱の音自体はそれほど難しくありませんが、場面の転換が多いので、それぞれのメロディーやハモリを覚えるのが大変かもしれません。
また、accel.(アッチェレランド/だんだん速く)など、テンポ変化が多いので、ピアノパートとのアンサンブルに気をつけてください。
『輝くために』(若松歓 作詩・作曲)
曲の紹介
メッセージ性が強く、転調を経て歌われるサビでは、胸にグッと来るような熱さがあります。
合唱・伴奏の難易度
メロディーはシンプルですが、16分音符が多いので、リズムを正確に歌ったり、そろえたりする部分に難しさがありそうです。
伴奏に関しても、16分音符のアルペジオがスムーズに流れるように弾ける必要があります。
『いつまでも』(若松歓 作詩・作曲)
曲の紹介
現代版『ふるさと』を意識して作曲された作品です。
懐かしさを感じる曲調が大変魅力的で、じわりと心が熱くなるような良い曲です。
合唱・伴奏の難易度
語りかけるようなメロディーがこの曲の大きな特徴ですが、16分音符や3連符のリズム、また跳躍音程が難しく、苦労すると思います。
また、一部男声が分かれるところがあります。
ピアノパートも、特に後半は16分音符の細かい動きが多く、難しくなってきます。
合唱と歩調を合わせるようなアンサンブル力も試されそうです。
『世界をかえるために』(若松歓 作詩・作曲)
曲の紹介
「理想郷を追い求め進んでほしい」という作者からのエールが込められた作品。
強い意志を感じさせる歌い出しが印象的。
魅力的なソロもある混声三部です。
終盤のfpが決まるとめちゃくちゃ格好良いですよ。
合唱・伴奏の難易度
冒頭のユニゾンはリズムが難しく、また音も低めなので歌いこなすにはそれなりの練習量が必要です。
正確に歌うだけでなく言葉の説得力も出せるとよいでしょう。
ピアノパートも比較的細かい動きが多く、合唱としっかりタイミングを合わせるアンサンブル感も必要です。
『僕が一番欲しかったもの』(槇原敬之 作詞・作曲/西條太貴 編曲)
曲の紹介
槇原敬之さんによるポップス楽曲の編曲ものです。
原曲のノリを損なわない自然なな編曲となっています。
別の編曲者による楽譜もあるので好みのものを選ぶと良いでしょう。
合唱・伴奏の難易度
こういったポップスものでは、なによりノリが命です。
リズムを正確に歌うことに囚われすぎず、軽快に楽しく演奏できるよう、十分に慣れておきましょう。
『空~ぼくらの第2章~』(深田じゅんこ 作詩/大田桜子 作曲)
曲の紹介
震災被害のあった陸前高田市立気仙中学校の卒業式のために作られた作品です。
優しさと力強い意志を内包したドラマチックな構成。曲に込められたメッセージをどのように伝えるかが演奏の鍵となります。
合唱・伴奏の難易度
書法としては非常にベーシックですが、場面の変化が多彩なため、まずはそれらを掴むことが大切です。
その上で、音楽的な要素と歌詩とのつながりにも着目し、表現できるれば、もう言うことはありません。
【レベル5】混三[上級](中学3年)
混声三部合唱でありながら、合唱ならではの魅力や音楽的なドラマ・内容をしっかりと持った作品群です。
中学3年生にぜひ取り組んでもらいたい作品群です。
『樹氷の街』(竹岡範男 作詩/矢田部宏 作曲)
曲の紹介
冒頭のピアノパートによるアルペジオ、それに重なる合唱のハーモニーが非常に美しい歌い出しとなっています。
詩の内容をよく読み取り、それに応じた表現をしたい作品です。
合唱・伴奏の難易度
ピアノのアルペジオが細かく、難易度はやや高いです。
落ち着いて、安定したリズムで弾けるようにしましょう。
テンポが変わるところでは合唱・ピアノパートお互いがお互いをよく聴き合って息を合わせることも大切です。
『空駆ける天馬』(館蓬莱 作詩/黒沢吉徳 作曲)
曲の紹介
激しいピアノパート、緊張感のあるメロディーによって天魔の疾走感が表現されている、迫力ある作品です。
ハーモニー、リズム、強弱などで、聞き手を引き付ける劇的な表現ができ、コンクールにもおすすめです。
合唱・伴奏の難易度
テンポが速いため、それに慣れるためにしっかり歌いこんでおきましょう。
それだけでなく、強弱表現やハーモニーも要所要所で難しいです。
『あなたへ―旅立ちに寄せるメッセージ』(筒井雅子 作詩/筒井雅子 作曲)
曲の紹介
組曲「時の女神(ヴィーナス)」の最終曲。
何度も繰り返されるサビはどこまでも熱く、クライマックスではグッと来るものがあります。人気のある作品です。
合唱・伴奏の難易度
この曲の特徴はなんといっても繰り返し歌われるサビです。
繰り返しでだれてしまわないよう、毎回の表現を工夫して、少しずつ変化をつけると良いと思いますが、これが結構難しいです。
体力配分にも注意しましょう。
『Gifts』(越智志帆 作詞/越智志帆・蔦谷好位置 作曲/大田桜子 編曲)
曲の紹介
Superflyの楽曲を編曲したもので、2018年度Nコン中学の部課題曲です。
非常にベーシックなアレンジで、取り組みやすいポップス曲となっています。
あたたかい気持ちになれる歌詞・メロディーが魅力です。
合唱・伴奏の難易度
場面の変化に気をつけて、変化を出せるように歌いましょう。
ピアノパートも、場面ごとで雰囲気が変わるので、こなすべきことが多く、少し大変かもしれません。
『手紙』(アンジェラ・アキ 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
曲の紹介
2008年Nコン中学の部課題曲。
15歳の自分と大人になった自分が手紙のやり取りをするというシチュエーションが描かれます。
16分音符のメロディーはまさに手紙を読むように。中間部は思い切ってノリよく、弾けて。混声三部。
合唱・伴奏の難易度
音符が細かく一見して難しそうに見えると思います。
が、練習を進めるにつれて、これが「手紙を読むような」リズムに対応していることが分かってくるはず。
ピアノパートは音が細かくて大変ですが、全体の雰囲気を作るので頑張りましょう。
『春に』(谷川俊太郎 作詩/木下牧子 作曲)
曲の紹介
このブログでは混声三部バージョンを解説。混声四部バージョンもあります。
『地平線の彼方へ』に収録。様々な気持ちの芽生える春という季節を、みずみずしい和音で描き出す名曲です。
合唱・伴奏の難易度
オーソドックスな書法の作品ですが、合唱らしい要素がちりばめられています。
アウフタクトの入りでタイミングを良く合わせましょう。
『未来へ』(谷川俊太郎 作詩/信長貴富 作曲)
曲の紹介
「かなしみはあたらしい」に収録されている混声四部合唱が原曲です。
混声三部への編曲にあたり、合唱パート、ピアノパートともに演奏しやすいよう、シンプルに書き改められています。
信長作品らしいキャッチーで歌いやすいメロディー、熱く盛り上がる展開が魅力ですが、一方で詩の内容はメッセージ性に富み、深い内容を持っています。
合唱・伴奏の難易度
シンプルにされているとはいえ、合唱パート(特にハモリや掛け合いのパート)の音は結構難しいです。丁寧に音を取りましょう。
ピアノパートについても、時折音の多いフレーズが登場します。難しいのですが、それと同時に格好良い見せ場でもありますので、トライしてみましょう。
『響きあう命』(西部敏彦 作詩/瑞木薫 作曲)
曲の紹介
作曲家が様々な工夫をこらし、詩の持つ世界観を表現しています。
様々に場面が変化し、鮮やかに情景が描かれるような作品です。
演奏効果も高く、コンクール曲にもおすすめです。
合唱・伴奏の難易度
場面ごとにガラリと雰囲気が変わり、それに伴ってクリアすべき技術的課題も変わってくるてめ、なかなか難しいです。
一方で、難しい和音はなるべくピアノパートが担当し、合唱パートの音取りの負担を減らすような工夫もされています。
ピアノパートは冒頭の情景描写の場面で、表現力が求められます。
『僕らはいきものだから』(長屋晴子(緑黄色社会)作詞・作曲/桜田直子 編曲)
曲の紹介
2024年度のNコン中学校の部、課題曲になります。
緑黄色社会の長屋晴子さんが作詞・作曲され、それを作曲家の桜田直子さんが編曲したものです。
“変わりゆく僕らが美しいのです”というフレーズが大変印象的。
様々な変化、そしてそれに伴う喜び・不安を感じる世代に向けたエールとも言える作品です。
合唱・伴奏の難易度
ポップス系のN今課題曲としては、比較的ベーシックな作品です。
難しいフレーズ・和音はそれほど多くなく、無理なく歌えるでしょう。
ピアノパートも基本的には四分音符が多く、合唱と同じくベーシックです。
『YELL』(水野良樹(いきものがかり) 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
曲の紹介
珍しく物悲しいような暗い調によるポップスです。
しかし、暗いだけでなくその中に力強い熱さも内包しています。
必要最小限のアレンジで、原曲としての良さ、合唱作品としての良さを引き出している、完成度の高い作品です。
合唱・伴奏の難易度
基本を押さえたベーシックな音が並びます。
ただそれだけに、どれだけ基本ができているかが問われるような作品でもありますね。
ラストの和音をかっこよく決めましょう。
『証』(山村隆太 作詞/阪井一生 作曲/加藤昌則 編曲)
曲の紹介
2011年度Nコン中学の部課題曲で、flumpoolの作品です。
ポップスのノリを活かし、熱く歌い上げるような編曲となっています。
合唱・伴奏の難易度
楽譜に細かく歌い方の指示が書かれていますので、よく意図を汲み取った上で歌いましょう。
ピアノパートは後半になるにつれて音が増えて難しくなっていきます。
『桜の季節』(ATSUSHI 作詞/ATSUSHI・マシコタツロウ 作曲/加藤昌則 編曲)
曲の紹介
2014年度Nコン中学の部課題曲。
時に切なく、時に軽快なメロディーと現代的なコード進行が魅力です。
混声三部のパートを活かしたアイディアに富んだ編曲となっています。
卒業式にもおすすめです。
合唱・伴奏の難易度
リズムが難しいところがあるので、練習をなかなかうまく進まないかもしれません。
音源を聴いたり、リズム読みなどの練習法を活用しましょう。
ピアノパートもやはり後半になればなるほど音が増えて難しくなります。
『虹』(御徒町凧・森山直太朗 作詞・作曲/信長貴富編曲)
曲の紹介
2006年度Nコン中学の部課題曲。
原曲の良さをこの上なく引き出す巧みな編曲がされています。
キャッチーさ、ノリの良さゆえ大変人気のある作品です。
中間部のしっとりとした場面で登場するソロは大きな聴かせどころ。
合唱・伴奏の難易度
ピアノパートの伴奏部分は4分音符が中心ですので、これを安定して弾くことが合唱の歌いやすさに繋がります。
Aメロ・Bメロの前ウタ的部分と、サビ的な部分を歌い分けるとドラマチックな表現になります。
『友 ~旅立ちの時~』(北川悠仁(ゆず) 作詞・作曲/相澤直人 編曲)
曲の紹介
2008年度Nコン中学の部課題曲。
後半の”Wow Wow”は熱く盛り上がります。多彩な音楽記号をどう読み取るか、どう表現するかが演奏する上でのキーポイント。
合唱・伴奏の難易度
合唱パートも、ピアノパートも多彩な記号が用いられています。
これらの記号の意味を読み取ることが音楽づくりの第一歩。
そしてそこから編曲者の意図をどう読み取るか、そしてどのように表現するかが大切です。
『予感』(片岡輝 作詩/大熊崇子 作曲)
曲の紹介
2002年度N今中学の部課題曲。
「環境問題」「砂漠化」「植林」などがキーワードの、考えさせられる内容を持った作品です。
曲調は明るく、ときに力強く、ときに爽やかに。そして壮大なスケール感を持っています。
合唱・伴奏の難易度
ユニゾン・ハモリ、対旋律の扱い、テンポ変化、転調など乗り越えるべき課題が多く、取り組みがいのある作品です。
これらの課題を一つ一つ丁寧に乗り越えていくことが、地道ですが良い演奏の基礎。
そしてそれらを一つの大きな音楽的ドラマにまとめ上げるような構成感も必要です。
ピアノパートは後半になるにつれ16音符が増え、役割的にも重要度を増していきます。
『走る川』(金沢智恵子 作詩/黒澤吉徳 作曲)
曲の紹介
疾走感のある冒頭、美しく情景描写をする中間部、輝かしい転調をする終盤、そして圧倒的なハーモニーで締めくくるクライマックス…と多彩な表情を持ち、それぞれに見せ場があります。
中学3年生の自由曲としても最適な作品です。
合唱・伴奏の難易度
場面ごとにフレーズが変わったり、部分的に四部合唱になるとこもあるなど難易度は高いです。
ピアノパートも合唱と息を合わせる必要があり、難しい部分が多くなっています。
【レベル6】混三[最上級]・混四[初級](中学3年~高校)
より深く、複雑な内容を持った作品群です。時に歌唱的なテクニックや、テキスト(=詩)の内容への踏み込みも必要となってくるでしょう。
じっくりと音楽に取り組んで欲しいレベルです。
混声三部としては最上級のレベルで、一部、混声四部の作品もあります。
『初心のうた』(木島始 作詩/信長貴富 作曲)
曲の紹介
本ブログで解説しているのは混声三部合唱バージョンです。混声四部バージョンは組曲『初心のうた』に収録されています。
社会の闇を象徴するような響きの前奏はとても印象的。曲の後半に進むにつれ、明るく光差す音楽に変化していく。
深い内容を持ち、非常に充実した音楽体験ができると思います。おすすめです。
合唱・伴奏の難易度
まず6/8拍子になれることが必要です。ゆっくり目のテンポで、指揮も大変かもしれません。
中盤、ポリフォニックな展開(=パートがいろいろなメロディーをずれて歌う)があり、このあたりの処理にも練習が必要でしょう。
ピアノパートは16分音符の流れをスムーズに、一定して弾けると音楽が安定します。
また、冒頭と最後の場面のフレーズの対比を印象的に弾きたいですね。
『ヒカリ』(瀬戸沙織 作詩/松下耕 作曲)
曲の紹介
詩はNコン第70回記念課題曲応募詞優秀作品によるもの。
荒涼とした孤独感と、それに耐える勇気、未来へ向けた強い意志の描写は見事で、非常に完成度が高い作品となっています。
それに呼応する完全5度を用いたハーモニーやメロディーラインは作曲家松下耕の真骨頂ではないでしょうか。
このレベルの合唱作品ではあまり見ない曲調で、インパクトがありますね。
合唱・伴奏の難易度
やはりあまりない曲調なので、そのあたりに最初は戸惑うかもしれません。
ピアノパートも非常に大切な役割を持っています。
『未来』(谷川俊太郎 作詩/高嶋みどり 作曲)
曲の紹介
このブログでは混声三部バージョンの楽譜を用いて解説しています。
混声四部バージョンは『風に鳴る笛』に収録。
伸びやかなメロディーで、気持ちよく歌え、個人的に好きな曲。
強弱表現の練習にも好適な作品です。
合唱・伴奏の難易度
転調が多く、音を取るのに非常に苦労すると思います。
ピアノパートと合わせることで、「どうしてこんな音になっているの?」という疑問が少しずつ解消されていくはずです。
その意味で、ピアノパートの役割は大きいですね。
『はじまり』(工藤直子 作詩/木下牧子 作曲)
曲の紹介
このブログで解説しているのは混声三部バージョン。
原曲の混声四部バージョンは『光と風をつれて』に収録されています。
疾走感のある6/8拍子のフレーズ、ラストは圧倒的な迫力があります。
合唱・伴奏の難易度
テンポが速いので、はじめはゆっくりとしたテンポで練習しても良いと思います。
音符が細かいので歌詩をしっかり伝える工夫も必要です。
『信じる』(谷川俊太郎 作詩/松下耕 作曲)
曲の紹介
2004年度Nコン中学の部課題曲。
ピアノパートがきらめくようで美しい曲。
中間部に激しくショッキングなシーンがあります。
ラストシーンではピアノパートの美しい前奏がメロディーが再現され、感動を誘います。
展開が多彩で難しいですが、その分非常にやりがいがあり、校内コンクール上位を目指せる曲。
合唱・伴奏の難易度
展開が多彩で、合唱、ピアノパートともに難しいです。
その上で、ただ歌うだけでなく詩や音楽的なドラマの内容まで表現できるようにする必要があります。
『決意』(片岡輝 作詩/鈴木憲夫 作曲)
曲の紹介
組曲「未来への決意」の最終曲。混声四部合唱です。
柔らかく語りかけるような曲調でありながら、力強さやスケール感も内包しており、圧倒されます。
名曲と思います。
合唱・伴奏の難易度
四部合唱ですが、ソプラノとテノールは同じ音を歌っているところが多いので、それも手がかりに練習を進めましょう。
場面の変化もありますので、全体像を頭に入れながら、音楽的な展開を意識しましょう。
『ほらね、』(いとうけいし 作詩/まつしたこう 作曲)
曲の紹介
指揮者のいとうけいし(伊東恵司)さんと、作曲家のまつしたこう(松下耕)による、カワイ出版の「歌おうNIPPONプロジェクト」のために書き下ろされた作品です。
混声四部合唱ですが、ベーシックな書法で書かれているため中学生でも取り組みやすいと思います。
4分音符の伴奏は力強い歩みを思わせます。
合唱・伴奏の難易度
四部合唱としてはベーシックで、複雑な音も使われていないため、比較的音は取りやすいです。
3連符のメロディーのリズムを掴むのに時間がかかるかもしれません。
【レベル7】混四[中級](高校~)
本格的な混声四部合唱で、ハーモニーの豊かさ、厚みは三部合唱と比べて段違いです。
中学生が歌うには難しいところもありますが、「挑戦するので解説記事を書いて欲しい」というリクエストを頂いたこともあります。
『人間』(片岡輝 作詩/鈴木憲夫 作曲)
曲の紹介
組曲『未来への決意』に収録。
硬質なリズム感とハーモニーで哲学的なテキストを歌う。詩の内容に深く踏み込んで歌いたい作品です。
合唱・伴奏の難易度
テンポが速く、リズムも難しく練習は難航するでしょう。
難しい場合は音源を聴き込むと理解に繋がります。
ピアノパートもリズムだけでなく、合唱との高度なアンサンブルが求められます。
『言葉にすれば』(安岡優 作詞/安岡優・松下耕 作曲)
曲の紹介
Nコン高校の部2007年度の課題曲。
安岡優(ゴスペラーズ)、松下耕(作曲家)による作品です。
通常ポップス系の作品は、原曲が完成したうえでそれを合唱に編曲するというスタイルが取られますが、『言葉にすれば』は2人による「共同制作」という形で作られているところが特徴です。
そのため合唱らしい要素がツギハギ感なく取り込まれており、作品の深みを増しています。
アカペラのハーモニー、軽快なメロディーなどを十分に味わえます。
合唱・伴奏の難易度
Nコン高校の部の課題曲なので、ここまで紹介してきた曲と比べれば別格の難しさです。
基本的に四部合唱ですが、ラストスパートの部分では女声3パート+男声3パートの合計6部に分かれますし、ハーモニーも複雑です。
中学生が取り組むにはそれなりの熱意と練習量が必要です。
【まとめ】自分たちに合った曲を選ぼう!
【結果に繋がる】合唱コンクールの選曲5つのポイント【力が発揮できる曲とは】でも書きましたが、結局は自分たちに合った曲を選ぶのが一番大切です。
合った曲を選べば、練習も本番も楽しいですし、結果も自然とついてきます。
もちろん曲を選んでからの練習をしっかり行うことも重要です。
コンクールが目標の場合は【まとめ】合唱コンクール完全攻略ロードマップ|3ステップで解説も参考になると思います。コンクールに向けてやっておくべきことをまとめています。ブックマークするなどしてご利用ください。