大澤徹訓

合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』歌い方のコツ【ドラマチックに歌おう】

『Let's Search for Tomorrow』
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男の子
男の子
合唱コンクールで『Let’s Search for Tomorrow』を歌います。コツやポイントを教えてください。

こんな方に向けた記事です。

合唱の練習では、きちんとポイントを押さえておくことが肝心です。

この記事では合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』の歌い方のコツについて、合唱歴10年以上・合唱指揮者歴5年以上の筆者が詳しく解説します。

この記事を読みながら練習に取り組めば、確実にワンランク上の演奏を目指すことができるはずです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
「間違いない」ポイントをまとめました。

次の練習番号に沿って解説していきます。

練習番号
  • 【A】6小節~
  • 【B】16小節~
  • 【C】24小節~
  • 【D】34小節~
  • 【E】42小節~
  • 【F】50小節~
事前に練習番号を書き込んでおくのは重要です。こちら(【入門】合唱曲のアナリーゼ(楽曲分析)|やり方・ポイント【書き方の具体例あり】)も合わせてご覧ください。
音楽之友社『クラス合唱曲集 レッツ・コーラス!」に収録されている楽譜を参考にし、本文中で歌詩などを引用する場合には「””」で示しています。
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https://esutawachorus.com/chorus-contest-song/

合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』歌い方のコツ

合唱曲『Let's Search for Tomorrow』歌い方のコツ

それでは早速解説していきます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
楽譜に書き込みながら読み進めると効率的です。

音取りに不安がある場合、まずはしっかりとパート練習を行いましょう。

こちらの記事(【5ステップ】質の高いパート練習の進め方とコツ|経験者のノウハウ公開)もご参照ください。

パート練習の進め方
【5ステップ】質の高いパート練習の進め方とコツ|経験者のノウハウ公開この記事では、パート練習をどのように進めたらよいか分からないという方に向けて、5つのステップ解説しています。パート練習でのチェックするべき項目や、パートリーダーとしての心がけに関してもまとめていますので、中級者以上の方にとっても有益だと思います。質の高いパート練習を行いたい方はご覧ください。...

【A】ユニゾンをしっかりまとめよう

6小節目の合唱が歌い出すところを【練習番号A】としました。

最初のフレーズは全員が同じ音を歌うユニゾンとなっています。ユニゾンでのポイントは以下の通り。

  • 同じ音になるようしっかり合わせる
  • 伸ばす音符の長さをそろえる
  • 休符の場所を守る

また、次のフレーズは特に注意が必要です。

  • ”さがそう”
  • ”このひろい”
  • ”みんなで”

これらに共通するのはやや高い「ド」の音が登場すること。ここで音(ピッチ)がばらけやすいです。

最高音をしっかりイメージするときれいに歌いやすくなります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
ここで第1印象が決まります。

【B】サビに向かうクレシェンドを作ろう

16小節目~【B】です。Bメロ的な部分で、サビへの繋ぎの役割もあります。

ポイントは【C】に入る2小節前のクレッシェンド(だんだん強く)です。

ここで次のfに向かって音楽を盛り上げていきましょう。

クレッシェンドのコツはこちらの記事(クレッシェンド・デクレッシェンドのコツ【合唱の迫力・魅力アップ】)をあわせてご覧ください。
えすた@指揮者
えすた@指揮者
サビに向かって盛り上げていく場面です。

【C】3パートによるハーモニーを美しく響かせよう

24小節目~【C】です。ここからサビですね。

女声のパートにdiv.(ディヴィジ/分かれて歌う)の記号がつけられており、ここから3パートが別々の音を歌うことにないります。

ここまではユニゾンまたは2パートのハモりでした。

パート数が増えることでハーモニーが一気に豊かになります。

お互いの音を聴き合いながら美しいく響かせましょう。

アカペラ(ピアノ伴奏無し)で練習するのも大変効果的です。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
ハーモニーの広がりを感じましょう。

【D】pはこの曲のボトム。繊細に歌おう

34小節目~【D】です。

音量はp(ピアノ/小さく)となっていて、この曲全体を通して1番小さい場面(=ボトム)となっています。

繊細に、やや声をひそめて歌うような工夫をしても良いと思います。

ここで思い切って小さく歌ことで「cresc. poco a poco(クレッシェンド・ポーコ・ア・ポーコ/少しずつだんだん大きく)」がより効果的になり、【E】との違いがいっそう引き立ちます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
小さく歌うことでメリハリが生まれます。

【E】再度のサビ。音量記号にも注意

42小節目~【E】です。再度のサビで非常に盛り上がる場面です。

基本的には【C】と同じです。今回は音量記号をについて触れてみます。

ポイントは次の特殊な記号。

  • piu f…27小節、45小節
  • f sempre…49小節

piu f(ピウ・フォルテ/fよりも強く)

fをさらに強調するような意味いです。

音量的にもそうですが、より輝きを増した声で歌えると良いと思います。

f sempre(フォルテ・センプレ/ずっとfで)

最後の繰り返しに対してつけられています。

最後まで息切れせず、豊かな音量を保って欲しいというような意図が感じられます。

特殊な強弱記号に関してはこちら(【覚えよう】音楽の強弱記号を解説|piu・meno・pocoなど)でまとめています。
えすた@指揮者
えすた@指揮者
楽譜の細かい指示を読み取りましょう。

【F】堂々と曲を締めくくろう

50小節目~【F】です。やや中途半端ですがここから練習することは多くなると思いつけました。

最後だけあってポイントが多いです。

  • ”せかいで”のアクセント感
  • ”Ah”のハーモニー
  • allarg.の表現

特にallarg.(アラルガンド)は聞かせ所です。

意味としては「cresc. + rit.」とよく説明されます。つまり「強くしながらテンポをゆっくりにする」ということですね。

ここでは「最後のクライマックスとして堂々と、しっかりタメて歌い上げる」というイメージでとらえると良いと思います。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
壮大なクライマックスとなっています。

まとめ:強弱変化をとらえてドラマのある音楽を作ろう

ポイントを振り返っておきます。

『Let’s Search for Tomorrow』歌い方のコツ
  • 【A】ユニゾンをしっかりまとめよう
  • 【B】サビに向かうクレシェンドを作ろう
  • 【C】3パートによるハーモニーを美しく響かせよう
  • 【D】pはこの曲のボトム。繊細に歌おう
  • 【E】再度のサビ。音量記号にも注意
  • 【F】堂々と曲を締めくくろう

全体として強弱記号の意味・意図をしっかりとらえることがポイントとなります。

  • どこがクライマックスか
  • そこが静かな場面か
  • 場面どうしの繋ぎをどうするか

これらを意識して練習するととてもドラマチックな演奏になると思います。

全体練習(アンサンブル)のポイントについてはこちらの記事(【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説)で解説していますので合わせてご覧ください。

合唱まとめる方法
【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説 こんな疑問に答えます。 練習の際に1番大切なのは「ここを良くしよう」という目的意識です。 これが無ければどんなに練習...