合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』歌い方・練習のポイント


こんな方に向けた記事です。
合唱の練習では、きちんとポイントを押さえておくことが肝心です。
この記事では合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』の歌い方のコツについて、合唱歴15年以上・合唱指揮者歴10年以上の筆者が詳しく解説します。
この記事を読みながら練習に取り組めば、確実にワンランク上の演奏を目指すことができるはずです。
もくじ
『Let’s Search for Tomorrow』の練習番号
まずは楽譜に以下の練習番号を書き込みましょう。
- 【A】6小節~ ”あしたを”
- 【B】16小節~ ”あしたへの”
- 【C】24小節~ ”(Let’s) search for”
- 【D】34小節~ ”いま”
- 【E】42小節~ ”(Let’s) search for”
- 【F】50小節~ ”せかい”
練習番号は曲全体の構成をつかむ上で大切です。「【A】は静かな場面だな」とか、「【C】では盛り上がるんだな」といったことが分かりやすくなります。
また、練習をする際にも、「今日は【B】から始めます!」といった指示出しがしやすくなります。
『Let’s Search for Tomorrow』の歌い方のコツ
ここからは練習番号に沿って解説していきます。

【A】6小節~ ”あしたを”
ユニゾンをしっかりまとめよう
最初のフレーズは、全員が同じメロディーを歌うユニゾンです。
この曲の第一印象を決める、とても大切な場面になります。
特に大切なのは、
- 音程をそろえること
- 音の長さをそろえること
- 休符でしっかり音を切ること
の3つです。
「ド」の音に注意
【A】では次のフレーズの、特に下線の音に注意しましょう。
- ”さがそう”
- ”このひろい”
- ”みんなで”
- ”たびだとう”
下線の音はすべて「ド」の音になっています。
どれも少し高めの「ド」で、しかも音が跳ぶ形(=跳躍)になっています。
そのため、音程が低くなったり、バラけたりしやすいポイントです。
跳躍をきれいに歌うためには、
- 次の音をあらかじめイメージしておくこと
- 音が上がる前にしっかり体の準備をすること
- 音と音とを丁寧に繋ぐこと
が大切です。
これができると、演奏全体の完成度がぐっと上がります。
言葉のニュアンスを表現
11~12小節の”さあ”にはアクセントやメッゾスタッカートが書かれています。
アクセント(>)は音をはっきり目立たせる記号。メッゾスタッカートは、軽く切るように演奏する記号です。
ここでは、「さあ!」と前向きに呼びかけるエネルギーを表現してほしい、という作曲家の意図が感じられます。
このように、記号が出てきたらその意味だけでなく、その先にある「なぜこのように書かれているのだろう」というところにまで思いを巡らせるようにしてみてください。
よりレベルの高い演奏・表現に繋がるはずです。
【B】16小節~ ”あしたへの”
声部の重なりを感じながら
【B】のフレーズは、各フレーズを歌うパートの変化に注目しましょう。
次のようになっています。
- 16~19小節…女声だけ
- 20~23小節…女声+男声
このように、歌うパートがだんだんと増えていくという構成になっていることが分かります。
男声も同じ音なのでハモりはありませんが、オクターブで音が重なることや、単純に歌う人数が増えることで音に厚みが増します。
この工夫により、音楽が進むにつれて期待感が広がっていくような場面となっています。
次に説明するクレッシェンドとあわせて、ぜひ押さえておきたいポイントです。
サビに向かうクレッシェンドを作ろう
【C】に入る2小節前のクレッシェンド(だんだん強く)は大事なポイントです。
クレッシェンドが出てきたら、「このクレッシェンドはどこに向かうのか?」ということを考えることが必要です。
そうすることで、コーラス全体でクレッシェンドのニュアンスが揃い、音楽に一体感が生まれます。
ここでは、サビ的な場面である【C】のf(フォルテ/強く)に向かって音楽を盛り上げていく、というふうに捉えるとよいでしょう。
異なる動きはしっかりアピール
【B】は基本的にユニゾンで進みますが、23小節だけは違います。
男声が”ゆめを”と繰り返して歌うフレーズは、他と異なる動きになるので存在感をしっかりアピールしましょう。
【C】のfを引き出すような役割もあると思います。
ただし、大きく歌おうとするあまり雑にならないようには注意してください。
【C】24小節~ ”(Let’s) search for”
3パートによるハーモニーを美しく響かせよう
24小節目~【C】です。ここからサビ的な場面となります。
女声のパートにdiv.(ディヴィジ/分かれて歌う)の記号がつけられており、ここから3パートが別々の音を歌うことになります。
パート数が増えることでハーモニーが一気に豊かになります。
お互いの音を聴き合いながら美しく響かせましょう。
アカペラ(ピアノ伴奏無し)で練習するのも大変効果的です。

細かい音量指示に注意
27小節にpiu fの記号が出てきます。ピウ・フォルテと読み、「fよりも強く」を意味する記号です。
”Let’s search for Tomorrow”の繰り返しでfをさらに強調するような意味合いで使われていると考えられます。
音量だけでなく、質的にもより輝きを増した声で歌えると良いでしょう。
音楽のドラマによりいっそうの説得力が生まれます。
【D】34小節~ ”いま”
pはこの曲のボトム。繊細に歌おう
【D】での音量はp(ピアノ/小さく)となっています。
この曲全体を通して1番小さい場面(=ボトム)となっていますから、思い切って音量を落として表現するとメリハリがつきます。
また、ただ単純に小さく歌うだけでなく、繊細に、やや声をひそめて歌うような工夫をすると雰囲気が出ると思います。
ここで思い切って小さく歌うことでこの後の【E】でのfとの違いがいっそう引き立ち、ドラマチックな音楽が展開できるでしょう。
ユニゾンとハモりのコンビネーション
【D】ではユニゾンとハモりが交互に出てきます。
整理して確認しておきましょう。
- ”いま”…ユニゾン、”たびだとう”…ハモり
- ”うしろ”…ユニゾン、”ふりむかず”…ハモり
- ”さあ すばらしい あしたを”…ユニゾン
- ”さがしにゆこう”…ハモり
ユニゾンのところでは、全員で音をぴったりと合わせることを意識しましょう。ピッチ(音の高さ・音程)だけでなく、音量やニュアンスまでも統一するようなつもりで。
一方でハモりのところでは、女声と男声が調和して美しい響きになっていることを感じながら歌いましょう。女声・男声の音量バランスが重要です。
音が下降する女声と比べて、上昇する男声のほうが声が大きくなりやすいため、少し抑えめに歌うとよいでしょう。
【D】では全体的に男声に繊細さが要求されます。雑にならないように、女声に寄り添うように、細心の注意を払いながら歌い進めましょう。
大きく期待感を膨らませて
38小節にかかれているcresc. poco a poco(クレッシェンド・ポーコ・ア・ポーコ/少しずつ、次第に大きくして)は音楽のドラマ上非常に重要な指示です。
4小節間かけてじわじわと大きくしていき、【E】のfに繋ぎます。
字で書かれたcresc.には、音量だけでなく気持ちの高まりも伴うことが多いです。
明日への期待感がどんどん膨らんでいくようなイメージを持って歌いましょう。
【E】42小節~ ”(Let’s) search for”
熱量をキープして
【E】のフレーズは【C】と変わりありませんが、リピート記号で繰り返すという違いがあります。
リピート記号の直前にf sempreと書かれています。sempre(センプレ/ずっと!)なので、ここでは豊かな音量、そして熱量を持続して歌うことが求められます。
【F】50小節~ ”せかい”
”せかいで”のアクセント
50小節の”せかい”にはアクセントが付けられています。
「目立たせて」という意味の記号になりますが、攻撃的な表現にならないようにしましょう。
四分音符一つ一つの響きを充実させて、rit.(リタルダンド/だんだん遅く)もありますから、少し重量感のある歌い方がふさわしいように思います。
”Ah”のハーモニー
54小節からは”Ah”で豊かなハーモニー奏でてフィナーレとなります。
練習の際にはアカペラ(ピアノパート無し)で歌うと、合唱ならではの響きをよく感じられて効果的です。
明るい音色で、声が広々と広がっていくようなイメージを持って歌いましょう。
allarg.の表現
allarg.(アラルガンド)は「cresc. + rit.」と説明されることもありますが、「強くしながらテンポをゆっくりにする」指示の記号です。
最後のクライマックスとして堂々と歌い上げるようなイメージでとらえると良いと思います。
まとめ:音楽の変化をとらえてドラマのある音楽を作ろう
『Let’s Search for Tomorrow』は、場面ごとの音量や表情の変化によって大きなドラマを表現できる作品です。
- どこがクライマックスか
- どこが静かな場面か
- 場面どうしの繋ぎをどうするか
これらを意識して練習してみてください。



