こんな疑問に答えます。
合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。
この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『旅立ちの時』歌い方のコツについて解説しました。
次の練習番号に沿って進めます。ぜひ最後までご覧ください。
- 冒頭…1~9小節
- A…10~19小節
- B…20~29小節
- C…30~38小節
- D…39~51小節
- E…52~57小節
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もくじ
合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ
では早速解説していきます。
【練習番号A】ピアノの表情に合わせてなめらかに歌おう
9小節分の前奏があり10小節目から歌い出します。ここを【練習番号A】としました。前ウタ的なAメロ部分となっています。
ここでのポイントはなめらかに歌うことです。
理由ですが、ピアノパートに注目してみましょう。legato(レガート/なめらかに)と書かれていますね。
これに合わせる形で合唱も歌うようにすると統一感が生まれます。
また【練習番号B】との対比も生まれ、メリハリもつきます。
【練習番号B】ビート感の対比を感じて歌おう
20小節目~【B】としました。
【A】の繰り返しフレーズとなっていますが、次のような違いと表現することがポイントとなります。
- 強弱…mp → mf
- 歌い方…legato → ritmico
ritmico(リトミーコ/リズミカルに)はピアノパートにつけられている記号ですが、合唱パートもそれに呼応して、ノリよくアクティブに歌いましょう。
【練習番号C】ヴォカリーズ”U”の歌い方を工夫しよう
30小節目~【C】としました。Bメロ的な部分で、前ウタと本ウタ(サビ)を繋ぐブリッジ的な役割です。
34~35小節目に注目です。
アルト・男声の”U”は次のようなことに気をつけましょう。
- 音量
- 音色
- ハーモニー
ここでの主役はソプラノ。アルト・男声の役割はそれを引き立てることです。
そのためは音量や音色で主張しすぎないことが重要。
ハーモニーも大切ですので、アルト・男声だけで練習してみても良いと思います。
その後ユニゾンとなってからのクレシェンドはfに向けてしっかり作りましょう。
【練習番号D】豊かな音量で渦巻くようなサウンドを生み出そう
39小節目~【D】としました。サビの的な場面です。
歌詩を歌う部分も盛り上がりますが、むしろその後のヴォカリーズに重きが置かれています。
ここでは次のようなことが要求されます。
- 音量(ffの豊かさ)
- 音色(荒くならない)
- 旋律の絡み合い
特に「旋律の絡み合い」はこの場面の大きな魅力のひとつ。
楽譜をよく見ると”Ah”と書かれているタイミングがずれており、スラーのつき方も一定ではないですよね。
これらを意識することで渦巻くような複雑なサウンドが生みだせます。
【練習番号E】複雑なハーモニーを決めて余韻を醸し出そう
52小節目~【E】としました。最後の繰り返し&曲を締めくくる部分です。
最後の和音が聞かせ所です。
sfp(スフォルツァンドピアノ)は強く目立たせてからすぐに小さくするという強弱記号。
うまく決まると強烈なインパクトを演出できます。
当然ハーモニーも大切。複雑な和音なので次の2つのアプローチで練習してみてください。
- 女声(ドとミ)・男声(レとファ)に分かれ、それぞれでハモる
- バス(レ)の音を聴きながら他のパートは自分の音で入る
【和音の構成(Dm79)】
- ソプラノ…ミ(第9音)
- アルト…ド(第7音)
- 男声(テノール)…ファ(第3音)
- 男声(バス)…レ(根音)
※合唱はラ(第5音)を省略した形となっています。
まとめ:合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ
まとめです。
- 【A】ピアノの表情に合わせてなめらかに歌おう
- 【B】ビート感の対比を感じて歌おう
- 【C】ヴォカリーズ”U”の歌い方を工夫しよう
- 【D】豊かな音量で渦巻くようなサウンドを生み出そう
- 【E】複雑なハーモニーを決めて余韻を醸し出そう
【C】【D】【E】では”U”、”Ah”、”Hum.”など、歌詩以外で歌う部分がポイントとなりました。
曲の中での場面を意識して、歌い方のイメージをふくらませましょう。
コンクール攻略へ向けてやるべきことはこちらの記事(【まとめ】合唱コンクール完全攻略ロードマップ|3ステップで解説)にてまとめていますので合わせてご覧ください。