富澤裕

合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ【ヴォカリーズの音色がポイント】

旅立ちの時・歌い方・コツ
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女の子
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『旅立ちの時~Asian Dream Song~』を練習しています。気をつけたら良いこと、歌い方のコツを教えてください。

こんな疑問に答えます。

合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。

この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『旅立ちの時』歌い方のコツについて解説しました。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
合唱指揮の経験、コンクール受賞歴のある筆者が「間違いない」ポイントを解説します。

次の練習番号に沿って進めます。ぜひ最後までご覧ください。

『旅立ちの時』の練習番号
  • 冒頭…1~9小節
  • A…10~19小節
  • B…20~29小節
  • C…30~38小節
  • D…39~51小節
  • E…52~57小節
練習番号をつけることは曲の構成をつかむために重要です。詳しくはこちらの記事(【入門】合唱曲のアナリーゼ(楽曲分析)|やり方・ポイント【書き方の具体例あり】)にて解説しています。
教育芸術社「混声合唱曲集クラス用 キミウタ」に収録されている楽譜を参考にし、本文中で歌詩を引用する場合には「””」で示しています。

https://esutawachorus.com/chorus-contest-song/

合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ

では早速解説していきます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
楽譜に書き込みながら読み進めると効率的です。

【練習番号A】ピアノの表情に合わせてなめらかに歌おう

9小節分の前奏があり10小節目から歌い出します。ここを【練習番号A】としました。前ウタ的なAメロ部分となっています。

ここでのポイントはなめらかに歌うことです。

理由ですが、ピアノパートに注目してみましょう。legato(レガート/なめらかに)と書かれていますね。

これに合わせる形で合唱も歌うようにすると統一感が生まれます。

また【練習番号B】との対比も生まれ、メリハリもつきます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
メロディーの歌い方がポイントです。

【練習番号B】ビート感の対比を感じて歌おう

20小節目~【B】としました。

【A】の繰り返しフレーズとなっていますが、次のような違いと表現することがポイントとなります。

  • 強弱…mpmf
  • 歌い方…legatoritmico

ritmico(リトミーコ/リズミカルに)はピアノパートにつけられている記号ですが、合唱パートもそれに呼応して、ノリよくアクティブに歌いましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
ピアノパート左手の変化にも注目です。

【練習番号C】ヴォカリーズ”U”の歌い方を工夫しよう

30小節目~【C】としました。Bメロ的な部分で、前ウタと本ウタ(サビ)を繋ぐブリッジ的な役割です。

34~35小節目に注目です。

アルト・男声の”U”は次のようなことに気をつけましょう。

  • 音量
  • 音色
  • ハーモニー

ここでの主役はソプラノ。アルト・男声の役割はそれを引き立てることです。

そのためは音量や音色で主張しすぎないことが重要。

ハーモニーも大切ですので、アルト・男声だけで練習してみても良いと思います。

その後ユニゾンとなってからのクレシェンドはfに向けてしっかり作りましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
パートの役割を考えて歌いましょう。
”U”のように母音で歌うことをヴォカリーズと呼んだりします。

【練習番号D】豊かな音量で渦巻くようなサウンドを生み出そう

39小節目~【D】としました。サビの的な場面です。

歌詩を歌う部分も盛り上がりますが、むしろその後のヴォカリーズに重きが置かれています。

ここでは次のようなことが要求されます。

  • 音量(ffの豊かさ)
  • 音色(荒くならない)
  • 旋律の絡み合い

特に「旋律の絡み合い」はこの場面の大きな魅力のひとつ。

楽譜をよく見ると”Ah”と書かれているタイミングがずれており、スラーのつき方も一定ではないですよね。

これらを意識することで渦巻くような複雑なサウンドが生みだせます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
お互いの旋律の動きを感じながら歌いましょう。

【練習番号E】複雑なハーモニーを決めて余韻を醸し出そう

52小節目~【E】としました。最後の繰り返し&曲を締めくくる部分です。

最後の和音が聞かせ所です。

sfp(スフォルツァンドピアノ)は強く目立たせてからすぐに小さくするという強弱記号。

うまく決まると強烈なインパクトを演出できます。

当然ハーモニーも大切。複雑な和音なので次の2つのアプローチで練習してみてください。

  • 女声(ドとミ)・男声(レとファ)に分かれ、それぞれでハモる
  • バス(レ)の音を聴きながら他のパートは自分の音で入る
えすた@指揮者
えすた@指揮者
ピアノが弾いている和音も良く聴きましょう。
強弱記号に関してはこちらの記事(【まとめ】音楽の強弱記号を解説|クレッシェンド/piu・menoなど網羅)も参考になると思います。

【和音の構成(Dm79)】

  • ソプラノ…ミ(第9音)
  • アルト…ド(第7音)
  • 男声(テノール)…ファ(第3音)
  • 男声(バス)…レ(根音)

※合唱はラ(第5音)を省略した形となっています。

まとめ:合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ

まとめです。

『旅立ちの時』歌い方のコツ
  • 【A】ピアノの表情に合わせてなめらかに歌おう
  • 【B】ビート感の対比を感じて歌おう
  • 【C】ヴォカリーズ”U”の歌い方を工夫しよう
  • 【D】豊かな音量で渦巻くようなサウンドを生み出そう
  • 【E】複雑なハーモニーを決めて余韻を醸し出そう

【C】【D】【E】では”U”、”Ah”、”Hum.”など、歌詩以外で歌う部分がポイントとなりました。

曲の中での場面を意識して、歌い方のイメージをふくらませましょう。

コンクール攻略へ向けてやるべきことはこちらの記事(【まとめ】合唱コンクール完全攻略ロードマップ|3ステップで解説)にてまとめていますので合わせてご覧ください。

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