こんな方に向けた記事です。
合唱の練習では、きちんとポイントを押さえておくことが肝心です。
この記事では合唱曲『夢の世界を』の歌い方のコツについて、合唱歴10年以上・合唱指揮者歴5年以上の筆者が詳しく解説します。
この記事を読みながら練習に取り組めば、確実にワンランク上の演奏を目指すことができるはずです。
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合唱曲『夢の世界を』歌い方のコツ

それでは早速解説していきます。
音取りに不安がある場合、まずはしっかりとパート練習を行いましょう。
こちらの記事(【5ステップ】質の高いパート練習の進め方とコツ|経験者のノウハウ公開)もご参照ください。

【A】歌い方のポイント3つ
9小節目~【練習番号A】となっています。
次のポイントを意識して練習しましょう。
- ユニゾンをしっかり合わせよう
- 言葉の1文字目を丁寧に
- 休符を守ってブレスを取ろう
ユニゾンをしっかり合わせよう
【A】のフレーズは全員が同じ音を歌うユニゾンとなっています。
音が同じなので、声がぴったりとそろうようにお互い聴き合いながら歌いましょう。
言葉の1文字目を丁寧に
言葉・歌詩を伝えるためには1文字目が大切です。
- 子音をはっきり発音する
- 入りの音をよく狙う
これらを意識すると良いと思います。
休符を守ってブレスを取ろう
フレーズに終わりに8分休符がついていることに気づくと思います。
この休符を守ることは、直前の伸ばす音の長さをそろえることにも繋がります。
休符では息継ぎ(ブレス)を取りますが、全員が同じタイミングで息を吸えるようにすると良いでしょう。
【B】歌い方のポイント3つ
25小節目~【練習番号B】となっています。
ここでのポイントは次の3つ。
- 豊かなハーモニーを感じよう
- 強弱の変化をつけよう
- フレーズを大きなまとまりで捉えよう
豊かなハーモニーを感じよう
【A】がユニゾンだったのに対し、【B】からはパートが3つに分かれます。
この豊かなハーモニー、響きの広がりを十分に感じながら歌いましょう。
自分の音を必死で歌うのではなく、周りの音を聴くことで美しい和音が生まれます。
強弱の変化をつけよう
【A】がmf(メゾフォルテ・少し強く)だったのに対し、【B】からはf(フォルテ・強く)となっています。
しっかり大きく歌いましょう。
2カッコに入った後、”せかいを”でmfになります。音量を小さくすることを忘れずに。
1カッコにクレッシェンド(だんだん強く)が書かれています。
もともとfだったところからクレッシェンドしますが、その先もfですね。
ここでの解釈方法はいくつか考えられます。
- 2回目はフォルテより大きく歌う。piu fのようなイメージ
- クレッシェンドの前に一段階音量を落とす(”おもいで”から)
- 内面的/気持ち的なクレッシェンドと捉える
クレッシェンドの考え方はこちらの記事(クレッシェンド・デクレッシェンドのコツ【合唱の迫力・魅力アップ】)でも解説していますのであわせてご覧ください。
フレーズを大きなまとまりで捉えよう
【B】の歌い出し”さあ”は長めの音符を使ったメロディーとなっています。
言葉の繋がりとしては”さあ でかけよう”なので、4小節の大きなまとまりで捉えましょう。
”さあ”と”でかけよう”の間で大きくすきまが空いてしまわないようにするのがポイントです。
【Coda(コーダ)】ラストはたっぷりタメて歌おう
45小節目~【Coda(コーダ)】です。
注意したい記号は次の2つ。
- rit.(リタルダンド/だんだん遅く)
- テヌート(音の長さを十分に保って)
テヌートの意味はピンと来ないかもしれませんのが「一つひとつの音をしっかり目に歌って欲しい」というような意味になります。
フレーズとしては2カッコ(33~36小節目)と同じようですが、曲の一番最後ということもあるので、よりたっぷりと「タメ」を作るのがポイントです。

まとめ:繰り返しでの違いを歌い分けよう
ポイントを振り返っておきます。
【A】のポイント
- ユニゾンをしっかり合わせよう
- 言葉の1文字目を特に丁寧に
- 休符を守ってブレスを取ろう
【B】のポイント
- 豊かなハーモニーを感じよう
- 強弱の変化をつけよう
- フレーズを大きなまとまりで捉えよう
【Coda】のポイント
- ラストはたっぷりタメて歌おう
『夢の世界を』はシンプルで短めの作品ですが、良く構成が考えられている曲です。
1回目、2回目と繰り返すときは「違いがつけられないかな?」と考えることが大切になります。
その他、全体練習(アンサンブル)で役立つポイントについてはこちらの記事(【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説)で解説しています。
