女の子
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『虹』をうまく歌いたい! コツやポイントを教えてください。

こんな方に向けた記事です。

《虹》は、爽やかさと切なさを感じさせる原曲をもとに、信長貴富さんが合唱ならではの響きを活かして編曲した、人気の混声三部合唱曲です。

この記事では、合唱曲《虹》を練習・演奏する際に意識したいポイントを、実践的な視点から詳しく解説します。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
楽譜に書き込みながら読むと、練習にも活かしやすいです。

ぜひ日々の練習や演奏づくりの参考にしてみてください。

音楽之友社「クラス合唱曲集 レッツ・コーラス! 第二版」に収録されている楽譜を参考にし、本文中で歌詩などを引用する場合には「””」で示しています。
混声四部合唱版の《虹》はこちらで解説しています。

《虹》パート練習のコツ

全体練習に入る前に、まずはパート練習で各パートの音をしっかり確認しておきましょう。

パート練習では、「各パートの音を正確に取る」「パート内で音程やリズムをそろえる」「パートごとの課題を確認する」といったことに取り組みます。

パート練習を丁寧に行っておくことで、その後のアンサンブルをスムーズに進めることができます。

《虹》のパート練習で意識したいポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご活用ください。

《虹》練習・演奏のポイント

ここからは、《虹》の歌い方のコツを解説していきます。

特にアンサンブル(全体練習)に関わる内容を中心にまとめています。

【イントロ】1小節~ (前奏)

rubatoとin tempo

《虹》は5小節間の前奏から始まります。空や風を思わせる情景が、爽やかに、しかしどこか切なさも含んだ雰囲気で描かれます。

ポイントとなる記号は次の2つです。

  • rubato(ルバート/自由に)
  • in tempo(イン・テンポ/テンポ通りに)

rubatoは、テンポを自由に伸び縮みさせながら進める指示です。高音の細かな動きを、きらめく風のように自由に動かすようなイメージで演奏すると良いでしょう。

4小節目に入ると、in tempoの指示がありますので、ここからは指定されたテンポで進めましょう。ピアノと合唱とのアンサンブルが始まりますので、安定したテンポ感を作ることがピアノパートに求められます。

クレッシェンド・デクレッシェンド

前奏では、クレッシェンド・デクレッシェンドの表現も重要です。

風が近づいてきて、また遠ざかっていくような距離感をイメージしてみましょう。単に音量を大きくしたり小さくしたりするのではなく、イメージを持って弾くことで、冒頭の雰囲気がより豊かになります。

また、5小節目の1拍目に向かって小さな山を作ることで、続く【A】への期待感や情景の広がりが生まれます。

パート間の引き継ぎ

4小節からの合唱の”Hum.”は、ソプラノ→男声→アルトの順に入ってきます。音のリレーをするように、自然に流れを引き継ぎましょう。

特に男声からアルトへは、同じドの音で音を受け渡すような形になります。

それぞれのパートが思い思いのタイミングで歌うのではなく、全体で一つの流れになるように意識することが大切です。

クレッシェンド・デクレッシェンドについても、合唱パート全体で意思疎通をし、自然に音楽を膨らませるようにしてみてください。

【A】6小節~ ”(ひろがる)そらに”

女声パートのアンサンブル

【A】最初のメロディーは、ソプラノとアルトの女声合唱から始まります。

フレーズによって気をつけたい点が細かく変わるので、整理しながら練習してみてください。

まず、”ひろがるそらに ぼくはいま”まではユニゾンです。タイミング・音色をよくそろえることが大切です。

次に”おもいはせ”でハモります。音が少し離れているので、お互いをよく聴きながらバランスを取りましょう。

”は”のロングトーンに入ってからは、ソプラノの人はアルトの音が変わって和音が解決するのを感じてみましょう。

”はだのぬくもりと”からはリズムが細かくなりますから、リズム感をよく共有して、タテ(タイミング)を合わせる意識を持って。

男声の入りはさりげなく

11小節で男声が入ります。

この”U”は、入ったことが分からなければいけませんが、女声のメロディーの流れを妨げないように、さりげなく。

音が半音ずつ降りていきますが、こういったパターンでは下がり過ぎてしまうことが多いので注意しましょう。

下がるというよりは、音を遠くへ送り出していくようなイメージで歌うのがコツです。

ロングトーンのハーモニーを整えよう

”くもはながれ”のフレーズ終わりのロングトーンでは、3パートでハーモニーを作ります。

各パートの音と和音上の役割は次のようになっています。

  • ソプラノ…ファ(第5音)
  • アルト…レ(第3音)
  • 男声…シ♭(根音)

男声が担当する根音がハーモニー全体を支えますので、しっかりと音を安定させることが大切です。

女声は男声の音を聴きながらハーモニーを作りましょう。アルトがミ♭→レと下がることにより、和音が解決します。ここで響きがすっきりと解決する感覚を大切にしましょう。

最終的に、全体ではB♭の和音に落ち着きます。根音・第3音・第5音の役割を意識して、お互いの声を聴き合いながら、響きを作りましょう。

【B】13小節~ ”きらめく”

音楽を前向きに

【B】からはPoco più mosso(ポーコ・ピウ・モッソ/前より少し速く)となり、音楽がより前向きに進んでいきます。

テンポ変化を意識して、乗り遅れないようにしましょう。

伴奏パターンの変化を感じると、音楽の変化がよく分かると思います。

メロディーの引き継ぎ

【B】最初のメロディーは男声が歌います。mpではありますが、主役意識を持って積極的に歌うことが大切です。

”ゆびをたて”からはメロディーがソプラノに戻ります。男声はそれを支えるハモりです。

このように、今の自分のパートの役割は何なのかということは常に意識してほしいと思います。

同様に、17~20小節にかけては、アルトが主役、ソプラノがオブリガート的な役割、つまり主旋律を装飾する別のラインを担当します。

ソプラノのほうがアルトのメロディーより高い部分では、主役となるアルトが埋もれやすくなってしまうので、音量バランスや歌い方に注意しましょう。

掛け合いはタイミングよく

男声の”きらめく”に続いて、アルト、ソプラノが順に”きらめく”とずれて入ります。

直前のパートやピアノパートのテンポ感をよく感じて、タイミングよく入っていきましょう。

らめく”のkの子音を少し強調しても良いかもしれません。

【C】21小節~ ”よろこびと”

クレッシェンド→mpでハッとする表現を

21小節目~【C】です。Bメロ的な場面となっており、サビに向かって盛り上げていく役割もあります。

26~27小節目がちょっとした見せ場です。流れとしては次の2ステップ。

  • クレッシェンドして盛り上げる
  • 急にmpに落とす(ブレイク)

これまで3パートで歌ってきたところから、急にアルトのみのメロディーになり、聞いている人を「ハッ」とさせるような効果があります。

次の3つのポイントを意識しましょう。

  1. 音量の差(メリハリ)をつけること
  2. ソプラノ・男声は音の長さを守ること(アルトに掛からない)
  3. アルトは自信を持って入ること
えすた@指揮者
えすた@指揮者
アルノのメロディーは【C】でのアピールポイントとなっています。

【D】30小節~ ”ぼくらのであいを”

meno fを効果的に表現しよう

30小節目~【D】です。サビで気持ちよく歌える場面となっています。

基本的にfで盛り上げて歌いますが、注意すべきはmeno f(メノ フォルテ/フォルテより弱く)という記号です。

わざわざ難しい強弱記号を使うのには作曲家の意図があり、次のように推測できます。

  • fの盛り上がり感はあキープしながら、いったん小さくする
  • その後のクレッシェンドでfを作り直す
えすた@指揮者
えすた@指揮者
ずっとfで歌い続けるのと比べると、再度のfの印象がより鮮烈になりますね。
meno fなど、難しい記号が出てきたときは作曲家の意図も考えるのが重要です。詳しくはこちらの記事(【まとめ】音楽の強弱記号を解説|クレッシェンド/piu・menoなど網羅)で解説しています。

【E】43小節~ (間奏)

間奏でも気持ちを切らさないように

43小節目~【E】です。ピアノによる間奏となっています。

やや間が空きますが、本番では気持ちを切らさないようにしましょう。

特に男声は次にメロディーを歌いますので心づもりをしておきましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
切ないメロディーが続く【F】の歌詩、”かぜになったひび”を予感させます。

【F】48小節 ”かぜになった”

cresc.の足並みをそろえよう

48小節目~【F】です。Bメロの繰り返しですが、これまでのビート感のあるピアノ伴奏から、落ち着いた音型に変化しています。静かな、しっとりとした雰囲気ですね。

練習のポイントとしては【G】に入る2小節前から掛かっているcresc.(クレッシェンド/だんだん強く)の記号です。

このように長めのクレッシェンドでは足並み(大きくしていく具合)をそろえることが重要です。

次のようなことを明確にしておくとうまくいきます。

  1. どこまで大きくするか(【G】のフォルテ)
  2. どこから大きくしていくか(男声がロングトーンに入ったら)

今回のような長めのクレッシェンドは後半でより大きくしていくことで効果的・印象的な表現となります。

具体的には、56小節目の男声が伸ばし始めてから大きくしていくと良いと思います。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
闇雲に大きくするのでなく、全体でまとまったクレッシェンドを実現しましょう。

【G】57小節~ ”ぼくらのよろこびを”

moltoでは広がりを感じよう

67小節目~【G】です。2回目のサビとなっています。暗譜(覚える)する際には歌詩にも注意しましょう。

1回目の【D】と大きく違うのはフレーズの最後の強弱記号です。

クレッシェンドにmolto(モルト/よりいっそう)がつけられていますね。つまり、クレッシェンドの強化版です。

実際、「mp→f」へとかなりダイナミクス(音量)の差が幅広くなっています。

ただし、これをそのままの意味に捉えて、単に音量を大きくしていくだけの表現はおすすめしません。やや大味な(雑な)印象になってしまうからです。

おすすめしたいのは「強く」というより「音が広がっていく」というイメージを持つことです。こちらの方が作曲者の意図に近いのではないかと思いますし、自然な表現となります。

音を大きくしていきつつも、次のようなイメージを大事にしてみてください。

  • 響きの広がり
  • 響きの距離感(遠くへ)
えすた@指揮者
えすた@指揮者
クレッシェンドした後はデクレッシェンドがあります。これを生かしてソロを導きましょう。

【H】71小節~ ”ぼくらのであいを”

透明感のあるハーモニーで締めくくろう

71小節目~【H】です。ソロがあり、その後合唱が合流して曲を締めくくります。

最後のロングトーンのハーモニーに注目です。透明感のある和音となります。

  • ソプラノ・アルト…「♭ミ」
  • 男声…「♭ラ」

デクレッシェンドもあるので、静かに曲の終わりを締めくくりましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
研ぎ澄まされたハーモニーを目指しましょう。
ハーモニーを決めるコツはこちらの記事(【合唱のコツ】きれいなハーモニーの作り方【3つの練習法を紹介】)をご覧ください。

まとめ:合唱曲『虹』歌い方・コツ

全体練習をしていて「この音不安だな」「リズムがばらつくな」ということもあると思います。

そういった場合はまたパート練習にもどって復習しましょう。