この記事では2009年度Nコン中学の部課題曲の『YELL』(作詞・作曲:水野良樹 編曲:鷹羽弘晃)について、練習・演奏のポイントを詳しく解説しています。
「もっと詳しく解説してほしい!」という場合は、お問い合わせからお気軽にご連絡いたください。補足・追記いたします。
もくじ
『YELL』の練習番号
楽譜にはあらかじめ練習番号(【A】【B】…)が書き込まれていますが、確認の意味を込めて掲載しておきます。
- 【A】5小節
- 【B】13小節
- 【C】23小節
- 【A2】35小節
- 【D】43小節
- 【E】57小節
- 【F】65小節
- 【Coda】73小節
※Codaは練習番号と言わないかもしれませんが、キリが良いのでそのように扱っています。
『YELL』練習・演奏のポイント
【A】16分休符で遅れずに
【A】では16分休符で始まるフレーズに注意が必要。
このような場合では、歌い出しのタイミングが遅れやすいからです。
[16分音符で始まるフレーズ]
- “わたしは”
- “なんども”
- “みつめかえす”
- “かれはを”
- “あきめく”
また、ピアノパートの4分音符が刻むテンポが安定していると、合唱パートの人も歌いやすくなると思います。
【B】長いクレッシェンドを見逃さずに
【B】で注目すべき記号が19小節のpoco a poco cresc.(ポーコ ア ポーコ クレッシェンド)です。
poco a pocoは「少しずつ」、cresc.は「だんだん大きくして」という意味になります。
20~22小節にかけては何も書かれていないようですが、このpoco a poco cresc.が継続しています。
時間を掛けてじっくりと大きくしていきましょう。目標は【C】のf(フォルテ/強く)です。
【C】流れを引き継いでサビを作ろう
【C】はこの曲最初のサビ。
【B】のクレッシェンドの流れを引き継いで、豊かな音量でしっかり盛り上げましょう。
【A2】メロディーの担当を意識して
【A2】からは2番の歌詞になります。メロディーは【A】と同じですが、担当するパートが異なります。
最初は男声です。カッコよく歌いましょう。16分音符で遅れないように注意するのは【A】と同様に。
“くらがりに”からはメロディーがアルトになります。「自分が主役!」という意識を持っていたいましょう。
“だれかを”からは再び男声がメロディー担当、”えがおも”からはまたアルトです。
これらの切り替えをしっかり頭に入れておきましょう。必要に応じて楽譜に書き込んでおくのも有効です。
【D】ビートを感じて魅せ場を作ろう
ここから曲調が大きく変わります。
ピアノパートがスタッカートで刻む8分音符のビートをよく感じてみましょう。
「ソプラノ → アルト+男声」と交互に歌うメロディーの掛け合いを、タイミングよく畳み掛けるように歌ってみましょう。
53小節からはこの曲の大きな魅せ場。fからいったんmf(メゾフォルテ/少し大きく)まで音量を落とした後、poco a poco cresc.で盛り上げます。
ロングトーンに入ってからアルトの「ミ♮ → ソ → ファ♯」という動きが非常に格好良いところです。
【E】ピアノ系の見せ場を作ろう
【E】の音量はmp。ここはピアノ系の静かな場面の聞かせどころとなっています。
しっとりと語るように歌うことで、この曲のメッセージ性をより強く表現できると思います。
【F】クライマックスへ気持ちを持っていこう
ここから最後のクライマックスに向けてラストスパートです。
piu f(ピウ フォルテ)は「より強いfで」の意味。ソプラノはメインのメロディーではありませんが、力強くしっかりと歌っても問題ないと思います。
73小節、“そらへ”のff(フォルティッシモ/フォルテより強く)がこの曲のクライマックスとなります。ここに向かって気持ちを持っていきましょう。
[音量記号の整理]
mf < f < piu f < ff
【Coda】聴き合うことでハーモニーを決めよう
Codaは合唱らしいハーモニーが魅力の場面。
ハーモニーを美しく決めるためには、お互いの声をしっかり聴き合い、響きを溶け合わせるようにすることが最も大切です。
慣れないうちは別のパートの音につられてしまうかもしれませんが、練習を重ねるうちにできてくるはずです。
ポイントの振り返り
- 【A】16休符で遅れずに
- 【B】長いクレッシェンドを見逃さずに
- 【C】流れを引き継いでサビを作ろう
- 【A2】メロディーの担当を意識して
- 【D】ビートを感じて魅せ場を作ろう
- 【E】ピアノ系の見せ場を作ろう
- 【F】クライマックスへ気持ちを持っていこう
- 【Coda】聴き合うことでハーモニーを決めよう
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