こんな疑問に答えます。
合唱コンクール、せっかく参加するのだから良い結果を出したいですよね。
この記事の内容は以下の通り。
- 中学生向け、学年別に勝てる合唱曲を紹介
- 合唱経験豊富な筆者が解説! 曲の紹介文、スローガンなどに使える
- 歌い方のコツは? 他のクラスに差をつける練習のポイントも解説
これらの内容を、
- 合唱歴10年以上
- 合唱団でパートリーダー・指揮者を経験
- 知っている合唱曲は500曲以上
である筆者が、持てる知識とセンスを総動員してお送りしたいと思います。
ちなみに、「もっとたくさんの曲を知りたい!」という方は、こちら(【やりたいこと・悩み別】おすすめ記事・本・アイテム・サービス一覧)が参考になるかもしれません。
もくじ
- 【厳選11曲】合唱コンクールで勝てる/優勝できる曲
- 1. 『旅立ちの時~Asian Dream Song』(ドリアン助川 作詞/久石譲 作曲/富澤裕 編曲)
- 2. 『時の旅人』(深田じゅんこ 作詩/橋本祥路 作曲)
- 3. 『ほらね、』(伊東恵司 作詩/松下耕 作曲)
- 4. 『虹』(御徒町凧・森山直太朗 作詞 作曲/信長貴富 編曲)
- 5. 『YELL』(水野良樹 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
- 6. 『未来へ』(谷川俊太郎 作詩/信長貴富 作曲)
- 7. 『ヒカリ』(瀬戸沙織 作詩/松下耕 作曲)
- 8. 『未来』(谷川俊太郎 作詩/高嶋みどり 作曲)
- 9. 『初心のうた』(木島始 作詩/信長貴富 作曲)
- 10. 『信じる』(谷川俊太郎 作詩/松下耕 作曲)
- 11. 『はじまり』(工藤直子 作詩/木下牧子 作曲)
- 12. 『決意』(片岡輝 作詩/鈴木憲夫 作曲)
- 13. 『走る川』(金沢智恵子 作詩/黒澤吉徳 作曲)
- 曲を選ぶときのポイント
- まとめ:【厳選11曲】合唱コンクールで勝てる曲
【厳選11曲】合唱コンクールで勝てる/優勝できる曲
それでは紹介していきます。
音源リンクもつけましたので、聞きながら読み進めてみてください。
1. 『旅立ちの時~Asian Dream Song』(ドリアン助川 作詞/久石譲 作曲/富澤裕 編曲)
『旅立ちの時』はジブリ映画の音楽で有名な久石譲さんが作曲した作品。
副題に『Asian Dream Song』とあるように、どことなくアジア風の雰囲気が漂います。
『旅立ちの時』を選んだ理由・解説
『旅立ちの時~Asian Dream Song』を選んだ理由は「とにかく、カッコ良い!」です。
こんなにもカッコよいのに、音楽的にはコンパクトにまとまっていて音域的にもそれほど無理がありません。
合唱曲はカッコよさに比例して難易度も上がっていく傾向にあるので、このレベル感でこれだけカッコ良い曲はなかなかありません。貴重な存在です。
『旅立ちの時』演奏のポイント
『旅立ちの時』ではヴォカリーズ(”U”や”Ah”で歌うこと)の役割が重要です。
場面によって音色や音量を工夫できるとメリハリの効いた印象的な演奏になります。
詳しくはこちらの記事(合唱曲『旅立ちの時』歌い方のコツ【ヴォカリーズの音色がポイント】)で解説しています。
2. 『時の旅人』(深田じゅんこ 作詩/橋本祥路 作曲)
こちらも中学生向けレパートリーとしては不朽の名作。『時の旅人』です。
こちらの記事(【全解説】合唱曲『時の旅人』のすべて!|作曲者・曲想・難易度など)で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
『時の旅人』を選んだ理由・解説
『時の旅人』は中学3年生向けのレパートリーとして紹介されることもあるくらい、やや難易度の高い曲です。
難しさの理由には「転調が多いこと」が挙げられます。
この転調によって場面の雰囲気をガラリと変えることで、様々な景色が鮮やかに描かれます。
場面の転換を掴み、一つの曲の中でドラマを描くことでハイレベルな演奏になると思います。
『時の旅人』演奏のポイント
『時の旅人』の演奏では前述の通り曲のドラマ性をいかに引き出すかがポイントです。
- メロディーや伴奏形の変化
- 調の変化(転調)
- 音量の変化
このような音楽的要素をしっかりつかんで演奏に反映させましょう。
こちらの記事(【ワンランク上へ】合唱曲『時の旅人』歌い方のコツ|ドラマを引き出そう)で詳しく解説していますのでご覧ください。
3. 『ほらね、』(伊東恵司 作詩/松下耕 作曲)
『ほらね、』は松下耕さんの作曲。
後に述べる『ヒカリ』や『信じる』も松下耕さんの作品です。
『ほらね、』を選んだ理由・解説
『ほらね、』は今回中学1年生向けに紹介している曲の中で、もっとも合唱らしい魅力を持った作品だと思います。
ハーモニーの充実ぶりや、強弱などを含め音楽の構成感なども考えていく必要があるでしょう。
そのためやや難しく、もしかしたら中学2~3年生で選んでも良いかもしれません。
その分、しっかり作り込めば結果を出しやすい曲となっています。
『ほらね、』演奏のポイント
『ほらね、』を演奏する際には歌詩の伝え方、ロングトーンの処理、3連符の歌い方などがポイントとなってきます。
詳しくはこちら(合唱曲『ほらね、』の歌い方のコツ【歌詩に込められた思いを大切に】)をご覧ください。
4. 『虹』(御徒町凧・森山直太朗 作詞 作曲/信長貴富 編曲)
もともとNコンの課題曲だった『虹』はポップスからの編曲作品ということもあり、大変キャッチーな作品に仕上がっています。
編曲は本格的な合唱曲を数多く手掛ける信長貴富さん。そのため合唱らしさもしっかり味わえます。
『虹』を選んだ理由・解説
合唱の良さ・ポップスの良さの両方を味わえるのが、この曲を選んだ理由。
ノリよく歌えつつも、楽譜を読み込んで練習することでしっかりとしたアピールも可能です。
ソロがあるのも魅力ですね。
『虹』演奏のポイント
『虹』では次のことを意識して歌いましょう。
- ポップスのノリを楽しく
- 掛け合いを生かして立体的に
- 切ない情景・雰囲気の表現
こちらの記事(【ワンランク上へ】合唱曲『虹』歌い方のコツ|全体練習で必ず役立つ)にて練習方法を解説していますので、ぜひご覧ください。
5. 『YELL』(水野良樹 作詞・作曲/鷹羽弘晃 編曲)
「いきものがかり」の『YELL』を合唱に編曲した作品です。
『YELL』を選んだ理由・解説
『YELL』はポップスの編曲作品であることから、キャッチーさもあり、みんなが好きになってくれやすい曲です。
一方で、2009年度Nコン中学の部課題曲であることから分かるように、技術的なフレーズを適度に含み、音楽的なドラマも作り込まれているため、コンクール的なアピールにも適しています。
『YELL』演奏のポイント
本作品は(短調で暗いですが、)ポップスですので、いちばん大切なのはポピュラー的なノリです。
具体的には16分音符を中心とした細かなリズムをどれだけモノにできるかが、この曲を歌いこなすためのポイントになると思います。
その上で、編曲者がほどこした、合唱作品としての良さを引き出せると、より深みのある演奏にできると思います。
6. 『未来へ』(谷川俊太郎 作詩/信長貴富 作曲)
『未来へ』は合唱界では大変人気のある信長貴富(のぶながたかとみ)さんの作品です。
『未来へ』を選んだ理由・解説
信長貴富さんというと『虹』もかなりの人気作品なのですが、せっかくなので本格的な合唱作品を歌ってもらいたいなと思い選びました。
キャッチ―なメロディーとコード進行で、ノリも良く親しみやすい曲ではありますが、要所のハーモニーや掛け合い、深い内容を持った歌詩など、内容は非常に充実しています。
『未来へ』演奏のポイント
『未来へ』を演奏する上では強弱の記号を確実に捉え、さらに気持ち的な部分・歌いまわし・語り口まで表現することが挙げられます。
こちらの記事(合唱曲『未来へ(信長貴富)』歌い方のコツ【音量と歌い方のメリハリが肝心】)もあわせてご覧ください。
7. 『ヒカリ』(瀬戸沙織 作詩/松下耕 作曲)
『ヒカリ』については以下の通り。
詩集「希望」(NHK全国学校音楽コンクール 第70回記念課題曲応募詩 優秀作品集)に収載されていた中学生の詩をテキストにした合唱曲。
ということで、中学生の作品がテキストとして用いられているんですね。
『ヒカリ』を選んだ理由・解説
聞いていただくと分かる通り、冒頭のピアノの和音、歌い出しのインパクトにまず驚き、惹かれると思います。
完全5度を基調としたハーモニー、メロディーで、非常にストイックな音楽となっています。
この絶望を感じさせるようなサウンドから次第に光の差す方向へ音楽は向かっていきます。
かなり劇的な内容を持った作品となっています。
『ヒカリ』演奏のポイント
『ヒカリ』を演奏する上では次のようなことがポイントとなります。
- 強いメッセージ性をしっかり伝えること
- 曲調の変化をとらえて表現すること
こちらの記事(合唱曲『ヒカリ』歌い方のコツ【言葉の扱いで強い意志を表現しよう】)もあわせてご覧ください。
8. 『未来』(谷川俊太郎 作詩/高嶋みどり 作曲)
”たけざお”が登場する歌詩が印象深い曲です。
『未来』を選んだ理由・解説
『未来』というタイトルのイメージ通り、伸び伸びとしたメロディーが特徴の爽やかな曲です。
ですが歌詩を聞いてちょっと驚きますよね。”たけざお”が登場。
一体何のことなのか。考えてみるとなかな深いです。
『未来』演奏のポイント
『未来』ではいろいろな強弱記号やアーティキュレーション(アクセントやテヌート)を表す記号が登場します。
これらをどう解釈し、どのように歌うって表現するかがポイントです。
詳しくはこちらの記事(【混声3部】合唱曲『未来(高嶋みどり)』歌い方のコツ【ダイナミックさと繊細さがカギ】)をご覧ください。
9. 『初心のうた』(木島始 作詩/信長貴富 作曲)
4曲目は『初心のうた』です。
他の曲と比べると歌われることが少ないみたいです。いい曲なんですけどね…。
『初心のうた』を選んだ理由・解説
社会の闇を暗示するピアノの前奏から曲は始まります。なかなかショッキングな響きです。
曲の前半は短調で淡々と進み、後半に進むにしたがい次第に光の差すような曲調に変化していきます。
社会を風刺するようなやや辛辣な詩が用いられていますが、その分メッセージ性のある曲となっています。
はじめは暗い曲調に驚くかもしれませんが、通して聴くとこの曲の良さが分かると思います。
『初心のうた』演奏のポイント
『初心のうた』を良い演奏にするには、曲全体の構成感をしっかりつかんで歌い方に反映させることが大切です。
詳しくはこちらの記事(合唱曲『初心のうた』歌い方のコツ【闇から光へのドラマを描こう】)で解説しています。
10. 『信じる』(谷川俊太郎 作詩/松下耕 作曲)
合唱コンクールで非常に人気のある『信じる』。
2004年度のNコン中学校の部の課題曲です。
『信じる』を選んだ理由・解説
繊細で美しい前奏から始まり、中盤では激しい展開、そして最後の”LaLaLa”で歌うクライマックスでウルっと来る名曲です。
音楽だけでなく、詩で扱うテーマにも誠実に取り組みたいですね。
”LaLaLa”で前奏のメロディーが再現されるのが良いんですよね…。
『信じる』演奏のポイント
『信じる』は次のように非常に課題の多い難曲です。
- 和音の複雑さ
- 場面変化の多さ
- 詩のテーマの重さ
- フレージング(legato・marcatoなど)
詳しくはこちらの記事(合唱曲『信じる』音取り・歌い方のコツ、指揮・伴奏のポイント|合唱指揮者が解説します)で詳しく解説しています。
11. 『はじまり』(工藤直子 作詩/木下牧子 作曲)
木下牧子さんの『はじまり』です。お聞きください!
『はじまり』を選んだ理由・解説
『はじまり』は快速なテンポの6/8拍子の曲。
ダイナミックなフレーズ感が魅力です。
ラストは堂々たるD-durの和音で劇的に。
- 「テンポの速い曲を歌いたい」
- 「スケール感の大きな曲を歌いたい」
というクラスにはぴったりの曲です。
これらの特性を生かした圧巻の演奏を目指しましょう!
『はじまり』演奏のポイント
『はじまり』を選ぶ際には次の2点が特にポイントとなります。
- 冒頭のアカペラ
- 強弱の対比
これらをしっかりとアピールできればインパクトのある演奏ができると思います。
その他のポイントに関してはこちらの記事(合唱曲『はじまり』歌い方のコツを指揮者が解説【強弱の対比がカギ】)をご覧ください。
12. 『決意』(片岡輝 作詩/鈴木憲夫 作曲)
内容のしっかりある、歌い甲斐のある曲です。
『決意』を選んだ理由・解説
これまで紹介してきた曲との違い、混声四部合唱であることです。
中学生が歌う曲としてメジャーな混声三部合唱と比べると、男声がテナー(テノール)とベース(バス)に分かれて、全体では4パートになっていることが大きな違いです。
パートが増える分、三部合唱では出せない響きの豊かさや重厚感が味わえる作品です。
音取りが難しくなるのですが、上を目指すなら少し背伸びしてみても良いでしょう。
また、四部合唱とは言うものの、ソプラノとテノールがユニゾンになっている部分も多いので、挑戦しやすいと思います。
『決意』演奏のポイント
『決意』を演奏するときには特に次の2点が重要なポイントになります。
- アカペラの充実したハーモニー
- p系の音楽の聞かせ方
詳しい内容についてはこちら(合唱曲『決意』の歌い方のコツ【混声四部合唱とアカペラ攻略のポイント】)をご覧ください。
13. 『走る川』(金沢智恵子 作詩/黒澤吉徳 作曲)
ラストは不朽の名曲です。
『走る川』を選んだ理由・解説
冒頭のエネルギッシュな場面、中間部の美しい情景描写、輝かしい転調、迫力のクライマックス…と、変化に富み、それぞれでしっかりとアピールできる内容を持ち合わせた作品です。
その分やるべきことは多く、それぞれに違った難しさがあるのですが、そういった苦労や努力に必ず応えてくれる曲です。
『走る川』演奏のポイント
先程述べたように、場面の変化に富む作品なので、それぞれの表現方法と全体の構成の理解が演奏のカギになります。
曲を選ぶときのポイント
こんな方もいらっしゃると思います。
1番大切なのは「1番力が発揮できる曲」を選ぶこと。
こちらの記事(【結果に繋がる】合唱コンクールの選曲5つのポイント【力が発揮できる曲とは】)で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ:【厳選11曲】合唱コンクールで勝てる曲
最後に今回紹介した曲をまとめて振り返っておきます。
- 『旅立ちの時~Asian Dream Song』
- 『時の旅人』
- 『ほらね、』
- 『虹』
- 『YELL』
- 『未来へ』
- 『ヒカリ』
- 『未来』
- 『初心のうた』
- 『信じる』
- 『はじまり』
- 『決意』
- 『走る川』
コンクールの攻略法については【まとめ】合唱コンクール完全攻略ロードマップ|3ステップで解説にてまとめています。
さらに沢山の曲を知りたい場合は、こちらの記事(【やりたいこと・悩み別】おすすめ記事・本・アイテム・サービス一覧)も参考にしてください。
良い曲に出会うには時間が掛かりますが、選曲は大事ですので粘り強く探しましょう。