楽譜の読み方

【もう怖くない】3連符・2拍3連のリズムの取り方|分かりやすく解説

3連符・2拍3連
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男の子
男の子
音符の上に「3」って書いてある音符が出てきた。どうやって読めばいいんだろう。
女の子
女の子
3連符って苦手だな。特に2拍3連。リズムがずれちゃう。

こんな悩みに答えます。

3連符はある音符の長さを3分割して演奏する記号です。

ぱっと見ではリズムが分からなかったり、歌ってみるとタイミングが合わなかったりして苦労しますよね。

私自身は合唱指揮者として5年以上経験がありますが、練習を仕切る中で3連符(特に2拍3連)には手こずることも多いです。

今回の記事では、私なりに分かりやすい3連符のリズムの取り方をまとめて解説しました。

この記事を読めば楽譜に3連符が登場しても怖くなくなるはずです。

譜例や音源もたくさん用意しましたのでぜひご活用ください。

【3連符の種類】音の長さを聞いてみよう

3連符はある音符の長さを3分割して(3つに分けて)演奏します。

ここでは登場頻度の高いものを3つ紹介します。

  1. 4分音符を3分割した3連符
  2. 2分音符を3分割した3連符
  3. 8分音符を3分割した3連符

音源も合わせて載せているので聞いてみてください。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
3連符の音の長さを聞いてみましょう!

音源では次のように鳴らしています。

  • ピアノの音…3連符
  • 打楽器の音…4分音符(拍の基準)

4分音符を3分割した3連符

3連符(4分音符)


4分音符(1拍分の長さ)を3分割した3連符です。見た目は8分音符ですね。

一番オーソドックスな3連符で、見る機会も多いと思います。

3連符のところでは、1拍分叩く間に3回ピアノが鳴るのが分かると思います。

4分音符を「2つ」に分けると8分音符になります。

「2つにする代わりに3つに分けてね」というのが音符の上に「3」とつく意味です。

2分音符を3分割した3連符

3連符(2分音符)

2分音符(2拍分の長さ)を3分割した3連符です。見た目は4分音符です。

2拍3連(にはくさんれん)とも呼ばれます。

2拍叩く間にピアノが3回鳴っているのが分かると思います。

このリズムが登場するメロディーは非常に印象的で、聞かせ所となっていることも多いです。

8分音符を3分割した3連符

3連符(8分音符)

最後は8分音符を3分割した場合です。

聞いて分かる通り非常に細かいですね。

1拍の間に合計6回ピアノが鳴ります。なので6連符を使って書くこともあります。

【基本編】リズムの取り方|プチトマト法

ここからは3連符のリズムの取り方を解説していきます。

次の2つの方法を紹介します。使いやすい方を取り入れてもらえればと思います。

  1. 「タタタ」で読む方法
  2. プチトマト法

リズムの取り方1.「タタタ」で読む

まずはオーソドックスな方法です。

次のように読むことでリズムを取ります。

3連符【基本】

汎用性が高く、いろいろな場合に応用できますが、8分音符と3連符の読み方が同じなのでちょっと区別しにくいという弱点があります。

リズムの取り方2.「プチトマト」で読む

そこで「プチトマト」という歌詩をつけることで、リズムの区別をつけやすくすることができます。

3連符【基本プチトマト】

ポイントは次の2点です。

  • 8分音符・16分音符…「プチ」で読む
  • 3連符…「トマト」で読む

※4分音符、2分音符などは普通の読み方でOKです。

こうすると文字数が合って語呂が良いというのと、子音がはっきりしてリズムが立ちやすいというメリットがあります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
弱点は「プチトマト」が嫌いな人は使いにくいということです。

【応用編1】3連符を使ったシャッフル(スウィング)のリズム

応用編として3連符を使ったいろいろなリズムに挑戦してみましょう。

まずはシャッフル(スウィング)のリズムです。

ジャズやブルース音楽でよく使われ、そういったテイストを取り入れた合唱曲でも登場します。

※厳密には両者は違いますが、ひとまずは置いておきたいと思います。【参考】スウィング (音楽) 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シャッフルのリズムを聞いてみよう

3連符の部分(4分音符+8分音符)がシャッフルのリズムです。

ぱっと見難しそうですよね。ひとまず聞いてみましょう。

3連符【応用】シャッフル

揺れるような、引きずるようなリズム感です。ちょっと気だるいような感じもあるでしょうか。

なぜこういうリズムになるのかは、次の図を見ると分かります。

3連符【応用】シャッフル攻略書き込み「プチトマト」の歌詩も合わせてつけています。

2小節目の3連符はどちらも同じリズムです。

つまり、3連符のはじめの2つをタイでくっつけるとシャッフルのリズムになるというわけです。

リズムを取るときは「トマト」の「マ」を言わずに伸ばすとこのリズムにたどり着きます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
音符の長さが2:1になっているのがシャッフルの特徴です。

付点8分音符+16分音符との違いに注意

先ほどのリズムと似ているものがあり、注意が必要です。聞いてみましょう。

3連符【応用】付点八分音符

シャッフルのリズムと聞き比べてみてください。

こちらの方が「詰まる感じ」「引っ掛かる感じ」がより強いです。

…とは言うものの、かなり近いですよね。

この両者を歌い分けるには次のことを意識するのがポイントです。

  • シャッフル…3連符(3分割)がベース
  • 付点8分音符+16分音符…16分音符(4分割)がベース

楽譜を見ながら理解していきましょう。

3連符【応用】付点八分音符攻略書き込み赤いカッコ内は同じリズムになっています。

1段目は3連符系のリズムで、後半がシャッフルのリズムです。赤いカッコで示した音符が同じリズムであることは先に説明した通りです。

3連符系のリズムでは1拍を3つに分けています。なのでシャッフルのリズムは「2/3拍+1/3拍」(長さの比が2:1)となりますね。

2段目は16分音符系のリズムとなっています。赤いカッコで示した音符のリズムは同じです。

16分音符は1拍を4つに分けます。なので「付点8分音符+16分音符」のリズムは「3/4拍+1/3拍」(長さの比が3:1)となります。

したがって「付点8分音符+16分音符」では16分音符を短めに感じるのがコツとなります。

【応用編2】2拍3連を正確に歌う・弾く方法

続いては苦手な人が多い2拍3連の練習方法を解説します。

正確に取るのが難しい音符ですが「プチトマト法」で攻略します。

3連符(2分音符)あらためて聞いてみましょう。

3連符を2つずつタイで繋ぐと2拍3連になる

3連符【応用2】2拍3連攻略書き込み

2拍3連を正確に歌うために、より細かい音符に分けて考えます。

譜例の3小節目と4小節目に注目です。これらは同じリズムです。

つまり、2拍3連は1段階細かい3連符を2つずつ繋ぐと完成するということです。

タイで繋いだ音符の歌詩を読み飛ばすと2拍3連が歌えます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
細かくして2つずつまとめるのがポイントです。

カッコ良い系のリズムとよく混同される

2拍3連と似たリズムを紹介します。これはこれでカッコ良いリズムです。ポップス系の曲によく出てきますね。

カッコ良い系のリズムカッコ良い系のリズム

 

このリズムはしばしば2拍3連とごっちゃになってしまいます。

このリズムを正確に歌うには、8分音符を刻んで叩くのが有効です。

3連符【応用2】2拍3連よくある間違い攻略書き込み8分音符を叩くとタイミングが合う

8分音符を叩いた場合、最後の8分音符と打楽器の音が同時に鳴っていることが分かると思います。ここがポイントです。

2拍3連ではこうはなりません。

3連符【応用2】2拍3連と8ビート書き込み

2拍3連の最後の音符と打楽器の音がずれていることが分かります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
2拍3連→「プチトマト法」、カッコ良い系のリズム→8分音符を叩くで攻略しましょう。

まとめ:3連符・2拍3連はプチトマトで攻略しよう

いろいろな3連符とリズムの取り方を解説してきました。

【プチトマト法】

  • 8分音符・16分音符…「プチ」で読む
  • 3連符…「トマト」で読む

シャッフル、2拍3連に関してはよく混同されてしまうリズムも紹介しました。

3分割した音符がベースであることを覚えていれば慌てなくても済むと思います。

3連符は掴みづらい音符で大変ですが、繰り返し練習して少しずつ慣れていきましょう!

楽譜の読み方に関しては【詳説】楽譜の読み方完全ガイド【初心者~上級者まで必見】でまとめていますので、あわせてご覧ください。

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