この記事では卒業式で歌える中学生向けの合唱曲を紹介しています。
「簡単・歌いやすい作品」「定番の作品」「人気の作曲家による作品」にカテゴリ分けしてまとめました。曲調や歌詩、難易度などの内容などの情報も盛り込みましたので、選曲に役立ててください。
本ブログには個別の合唱曲の練習のコツや演奏のポイントを詳しく解説したページが多数あります。リンクを貼っておくのでぜひあわせてご利用ください。
卒業式で歌える定番の作品
卒業式のための選曲をするなら、まずは選択肢に入れておきたい定番曲を集めました。
- 『旅立ちの日に』(坂本浩美/混声3部)
- 『巣立ちの歌』(岩河三郎/混声3部)
- 『桜ノ雨』(森晴義/混声3部)
- 『春に』(木下牧子/混声3部)
- 『大地讃頌』(佐藤眞/混声4部)
旅立ちの日に(坂本浩美/混声3部)
歌い出し
白い光の中に 山なみは萌えて
遥かな空の果てまでも 君は飛び立つ児島登作詞/坂本浩美作曲/松井孝夫編曲『旅立ちの日に』より
作品の魅力
卒業式で歌う合唱曲としてはド定番の作品。
「迷ったらこれ!」と自信を持っておすすめできる名曲です。
光が徐々に差し込んでくるような印象の場面からはじまり、後半では躍動的な音楽が待っているなど、ドラマチックな内容を持っています。
繰り返されるフレーズ”このひろいおおぞらに”は大変感動的なものがあります。
巣立ちの歌(岩河三郎/混声3部)
歌い出し
花の色 雲の影
なつかしいあの思い出村野四郎作詞/岩河三郎作曲『巣立ちの歌』より
作品の魅力
昭和の代表する合唱作曲家の岩河三郎さんの作品。
王道の作曲技法で書かれたこの曲は、格調高さが魅力です。
短調で歌い上げられる”いざさらば”や、繰り返される”さらば”の歌詩からは「巣立ち」にともなう様々な感情のにじみが感じられます。
音楽としてはシンプルにまとめられていますが、音楽的な要求事項も多く、やりがいがあります。
桜ノ雨(森晴義/混声3部)
歌い出し
それぞれの場所へ旅立っても
友達だ森晴義作詞/作曲『桜ノ雨』より
作品の魅力
ボーカロイド「初音ミク」による演奏がきっかけで多く歌われるようになった作品。卒業式ソングの新定番と言えるでしょう。
ポップス的なリズムは歌いこなすのが難しい一方で、やはり合唱曲には無いノリがあり、思わず歌いたくなるような魅力があります。
ハモリの点では、あえて硬質な響きが用いられており、それが独特の魅力を増幅させています。
ドラマチックな転調や、拍子の変化など、聞く人を飽きさせない要素が各所に散りばめられ、演奏効果は非常に高いです。
ただし、その分難易度も高くなっているため、しっかりと練習時間が確保できるときに選曲するようにしてください。
春に(木下牧子/混声3部)
歌い出し
この気持ちはなんだろう
谷川俊太郎作詞/木下牧子作曲『春に』より
作品の魅力
国語の教科書にも載っている谷川俊太郎さんの名詩『春に』を合唱曲にした作品。聞いたことがある人も多いと思います。
作曲者の木下牧子さんらしい、色彩感あふれる和音の使い方で、瑞々しい心の動きが見事に描かれています。
いろいろな気持ちが芽生える季節にぴったりの歌詩・曲となっていると思います。
大地讃頌(佐藤眞/混声4部)
歌い出し
母なる大地のふところに
われら人の子の喜びはある大木惇夫作詞/佐藤眞作曲『大地讃頌』より
作品の魅力
伝統的な合唱作品。名曲です。
歌詩的には卒業とは直接関係ありませんが、荘厳な曲調ゆえ、卒業式で歌われることが多いです。
混声4部合唱ならではの重厚な響きが魅力。3年間の締めくくりとして挑戦するのにふさわしい内容と難易度となっています。
卒業式で歌える、簡単・歌いやすい合唱曲
中学生向けの作品の中でも、比較的難易度の低い曲を集めました。
練習時間があまり取れないというときに選んでください。
『そのままの君で』(松井孝夫/混声3部)
『マイバラード』などで知られる松井孝夫さんの作品です。
メロディーラインが非常に明快で、また2部合唱(女声+男声)の部分が多く、音を覚えやすいと思います。
一方、要所ではハモリや掛け合いもあり、合唱としての魅力は十分に持っています。
真っ直ぐで力強い歌詩とメロディーで、元気良く歌える曲を探している場合にはおすすめです。
曲集には2部合唱として紹介されていることもあります。実際、2部合唱(女声+男声)の部分も多いのですが、中間部で3部合唱になります。
『さよならと言おう』(加賀清孝/混声3部)
ピアノパートを始め和音の色彩が豊かで、やや切ない歌詞やメロディーとよくマッチしている作品です。
ユニゾンとハモリの対比や、音量・声部の変化などといった音楽的な工夫が明確で、それらを読み取り、そこに気持ちを乗せて歌えると感動的な演奏にすることができます。
ピアノパートは四分音符が中心でそれほど難易度は高くない点でも、安心して選曲できると思います。
『大切なもの』(山崎朋子/混声3部)
サビの”たいせつなものに”から始まるメロディーは、思わずほろりとさせられるような優しいメロディー。繊細な和音とも相まって大変魅力的です。
構成がシンプルで覚えやすく、ピアノ伴奏も難しくないので取り組みやすい曲となっています。
取り組みやすい作品の中では1番のおすすめです。
卒業式で歌える人気の作曲家による作品
人気のある作曲家による作品を集めました。
それぞれの魅力にあふれているのぜ、ぜひ選択肢に入れてみてください。
- 『ぜんぶ~卒業式バージョン~』(相澤直人/混声2~3部)
- 『旅立ちの今たしかめあって』(橋本祥路/混声3~6部)
- 『ほらね、』(まつしたこう/混声3部)
- 『未来へ』(信長貴富/混声3部)
- 『この地球のどこかで』(若松歓/混声3部)
『ぜんぶ~卒業式バージョン~』(相澤直人/混声2~3部)
相澤直人さんの『ぜんぶ』は、ちびまる子ちゃんでお馴染みのさくらももこさんの詩に曲をつけたもの。いろいろなバージョンに編曲され歌われるほど人気のある作品です。
今回紹介するのはずばり『ぜんぶ~卒業式バージョン~』。原曲はアカペラなのですが、このバージョンではピアノ伴奏がつけられています。
またパートに関しては基本的には混声3部合唱ですが、男声パートを省略して同声2部合唱としても歌うことができますので、いろいろなクラス・学校で取り組みやすくなっています。
心に染み入ってくるような、あたたかなサウンドが魅力の作品です。
『旅立ちの今たしかめあって』(橋本祥路/混声3~6部)
『時の旅人』や『遠い日の歌』など中学生向けの合唱曲を数多く書かれている人気の作曲家、橋本祥路さんの作品です。
この作曲家らしいおおらかで伸びやかなメロディーが印象深い作品となっています。
後半ではグッと音量を押さえたところからffまで盛り上がるドラマチックな展開が控えており、しっかりとした聞き応えのある作品となっています。盛り上がって締めくくりたいときに選びたい作品です。
パート編成に関しては、基本的には混声3部合唱ですが、最後のところで4~6パートに分かれるので、人数が多く、しっかり音が取れるメンバーがそろっているときに選ぶと良いと思います。
『ほらね、』(まつしたこう/混声3部)
まつしたこう(松下耕)さんは、他に『信じる』、『ヒカリ』などの作品を書かれている作曲家。
かっこ良い系の曲が多いイメージですが、『ほらね、』は誰にでも親しみやすい作品として書かれています。
4拍子の力強いピアノ伴奏に乗って、語りかけるように歌われるメロディーが特徴的です。
とても前向きで、元気や勇気がもらえるような曲調となっています。
強弱のメリハリもありながら、最後は盛り上がって歌える作品です。
『未来へ』(信長貴富/混声3部)
信長貴富さんは、合唱界では1番人気と言っても良い作曲家。
『未来へ』は混声4部合唱の原曲を、中学生でも歌いやすいように混声3部にアレンジしたもの。ピアノパートも簡略化されており、かなり取り組みやすくなっています。
歌詩は詩人の谷川俊太郎さんによるもの。「未来」というテーマを谷川さんならではの鋭い感性で表現しています。
曲としては、信長さんらしいキャッチーなメロディーとコードが魅力。誰もが気に入って歌い込める作品に仕上がっています。
ラストは大きく盛り上がって、壮大に「未来」を歌い上げます。
『この地球のどこかで』(若松歓/混声3部)
『この地球のどこかで』の歌詩は自然や地球という大きな存在を背景に友のことを思う、素敵な内容。
そういったテーマの作品を手掛けることが多い若松歓さんらしい作品でもあります。
優しく語りかけるような場面からはじまり、サビではグッとくるような熱さのある曲となっています。
まとめ:【中学生】卒業式で歌えるおすすめ合唱曲13選
この記事で紹介した合唱曲を振り返っておきます。
- 『旅立ちの日に』(坂本浩美/混声3部)
- 『巣立ちの歌』(岩河三郎/混声3部)
- 『桜ノ雨』(森晴義/混声3部)
- 『春に』(木下牧子/混声3部)
- 『大地讃頌』(佐藤眞/混声4部)
- 『そのままの君で』(松井孝夫/混声3部)
- 『さよならと言おう』(加賀清孝/混声3部)
- 『大切なもの』(山崎朋子/混声3部)
- 『ぜんぶ~卒業式バージョン~』(相澤直人/混声2~3部)
- 『旅立ちの今たしかめあって』(橋本祥路/混声3~6部)
- 『ほらね、』(まつしたこう/混声3部)
- 『未来へ』(信長貴富/混声3部)
- 『この地球のどこかで』(若松歓/混声3部)