こんな疑問に答えます。
指揮に関することは初心者向けの情報が少なく、どうやって勉強したらよいか分からないと思います。
そこでこの記事では初心者の人にもなるべく分かりやすいようノウハウをまとめました。
順番に読み進めて練習すれば指揮の基本的な考えが身に着きます。
何も知らずに闇雲に練習するのと比べれば、実力が何百倍も変わってくるはずです。
もくじ
指揮法の基礎・基本
まずは指揮者は何のために必要なのか、指揮者として何をすればよいのか知っておきましょう。
指揮者の役割について
まず前提として指揮者の役割について知っておきましょう。
大きく分けると次の2つになります。
- 練習(リハーサル)を組み立てる
- 本番で振る
詳しくはこちらの記事(【疑問を解消】現役指揮者が語る「指揮者の役割」とは【不要?いらない?】)で解説しています。
振り方=「図形」について
続いては指揮の振り方を学びましょう。
指揮を振る時の腕の軌道を「図形」と言います。
拍子で分けた場合、次のような図形があります。
- 2拍子図形
- 3拍子図形
- 4拍子図形
また、音楽のニュアンスを表現するのに次の3つの振り方を使います。
- 叩き
- しゃくい
- 平均運動
実際に曲を振るときにはこれらを組み合わせて振ることになります。
[実際の振るときの例]
- 2拍子の叩き
- 3拍子の平均運動
- 4拍子、しゃくいと平均運動の中間
詳しくはこちら(【図解】指揮の振り方をショートカットして学ぶ記事【忙しい人向け】)。図解つきで詳しく解説しています。
指揮者の「ブレス」について
合唱を指揮する場合、指揮者が歌うかどうかはどちらでも問題ありません。
ですが、フレーズを示す際にブレス(息を吸うこと)は必ず行いましょう。
指揮とブレスの関連性は次のようになります。
[指揮法のメカニズム]
- 次の音楽のイメージ
- ブレス
- 予備運動(=指揮の動き)
- プレイヤーへの影響
音楽のイメージと指揮の動きの仲立ちをするのが「ブレス」と言っても良いかもしれません。
これだけの説明では理解が難しいと思うのでこちらの記事(【影響大】なぜ指揮者のブレスが重要なのか【源泉は音楽のイメージ】)をご覧ください。
曲の始め方について
図形とブレスを押さえたら曲を振ってみましょう。
- 曲が始まる2拍前をカウントする
- 曲が始まる1拍前で「跳ね上げ」を行う
このようにするとほとんどの曲を開始させることができます。
こちらの記事(【指揮初心者向け】曲の始め方の練習法とコツ|いろいろなパターンを網羅)で曲の開始について詳しく解説しています。
曲の終わり方について
曲の終わり方も重要です。
ここが決まらないと全体の印象も悪くしてしまいます。
- 静かに終わる曲
- 盛り上がって終わる曲
など、「どんな終わり方にしたいのか」というイメージを持って振ることが重要です。
右手だけでなく左手を上手く使うと効果的に表現できます。
詳しくはこちら(【指揮初心者向け】曲の終わり方|静かな曲・盛り上がる曲をそれぞれ解説)で解説しています。
指揮のコツと練習法
基本を押さえたあと、何に気をつければ上達していけるのか解説します。
すぐにできる指揮のコツ
初心者の方で「本番まで時間が無い!」という方はこれらの5つのポイントだけでも意識してみてください。
見た目のカッコ良さが段違いにアップするはずです。
- 「ビシッ」と構えて注目を集める
- 腕全体を大きく使う
- 歌っている人の顔を見る
- 強弱に応じて大小を振り分ける
- 曲の終わりも「ビシッ」と決める
詳細はこちら(【初心者向け】すぐにできる合唱指揮のコツ5選!【専門知識は不要】)で解説しています。
より上達したい人向けの練習法
「本番まで時間がある。じっくりと上達したい」という方は次の3つに取り組んでみてください。
- 図形とブレスを身につける
- 他の人の指揮を見て学ぶ
- 実践を通じて学ぶ
「1.図形とブレスを身につける」は前にも出てきましたが、それだけ大切だということですね。
詳しくはこちらの記事(【上手くなる】指揮初心者のための練習法3選【すべての経験が学び】)で解説しています。
アナリーゼ(楽曲分析)
指揮者にとってアナリーゼ(楽曲分析)は非常に大切。
スコアが「どんな音楽を作りたいか」「どうやって振るか」の根拠になるからです。
やり方についてはこちらの記事(【入門】合唱曲のアナリーゼ(楽曲分析)|やり方・ポイント【書き方の具体例あり】)で解説しています。
指揮者向けの本
こちらの記事(【指揮者が選ぶ】合唱のおすすめ本|上手くなる本・知識がつく本)で指揮法関連の本を紹介しているのでぜひご覧ください。
また、指揮法以外の本であっても役立つ部分があると思います。
指揮法のテクニック集「こんなときはどう振る?」
実際に練習をしていると「どう振ったらよいか分からない、困った…」ということが出てくるはずです。
そんなときにご覧ください。
手の形はどうするか
指揮をするときの手の形をどうするか分からなくて、曖昧にしてしまっている方も多いと思います。
こちらの記事(【4つの理由と悪い例】指揮をするとき手の形はどうするべき?|指揮者が解説)がヒントになると思います。
音を伸ばすとき・フェルマータ
フェルマータが出てきたときに困るという方は多いと思います。
こちら(【現役指揮者が教える】伸ばすところ・フェルマータの振り方とコツ【具体例あり】)で詳しく解説しています。
左手の使い方
「左手(効き手と逆)は使った方が良いの?」という疑問もあると思います。
こちらの記事(【現役指揮者が教える】右手・左手の役割|具体的な使い分け方法を解説)で考え方が学べます。
強弱の振り分け
強弱記号が出てきたときそれを表現し、ダイナミクスを引き出すのも指揮者の重要な役割です。
具体的な方法についてはこちらの記事(【初心者でもできる】効果的に強弱を振り分ける4つのコツ|現役指揮者が解説)をご参照ください。
「指揮者って歌うの?」
指揮者は歌っても歌わなくてもOKです。
練習で試したり、本番を経験したりしながら自分の振りやすいスタイルを選びましょう。
それぞれのメリット・注意点は「合唱指揮者って歌うの?」【答え:どちらでもOK。ただし注意点あり】で解説しています。
まとめ:指揮者が学ぶことはたくさん。焦らずレベルアップしていこう
たくさんの記事を紹介しましたが、これでもノウハウのごく一部です。
それだけ指揮者がやるべきこと、学ぶべきことは多いということですね。
ですが、恐れることはありません。どんどん振りましょう。
結局は経験することが一番の勉強になるからです。
こちら(【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説)も指揮上達のヒントになると思います。あわせてご覧ください。