指揮法・指導法

【現役指揮者が教える】伸ばすところ・フェルマータの振り方とコツ【具体例あり】

伸ばすところ・フェルマータ
初心者指揮者
初心者指揮者
指揮初心者です。音を伸ばす部分はどうやって振ったら良いですか。あと、フェルマータが出てきたときにどうしたら良いか分からなくて困ってます。

こんな疑問にお答えして、以下のことを解説します。

  • 伸ばすところ(ロングトーン)の振り方とコツ
  • フェルマータの振り方とコツ
  • 実践的な応用例

伸ばす音やフェルマータはどんな曲を振るときでも出てきます。

この記事を読んで振り方をマスターすればあなたの指揮のレベルは確実に上がるはずです。

筆者は指揮法を2年程度勉強した上、合唱指揮の経験が5年以上ありますので参考になると思います。

ぜひ最後までご覧ください。

伸ばすところの振り方とコツ:左手を活用しよう

伸ばすところ(=ロングトーン)では左手(利き手と逆の手)を活用して振るのが最もシンプルで分かりやすい方法です。

次の2ステップでやってみましょう。

  1. 左手を使って音を保つ
  2. 左手を使って音を切る

ステップ1.左手を使って音を保つ

まずはプレイヤー(演奏する側)に対して音を伸ばしてキープしてもらうことが必要です。

基本の動きはこの3つです。

  1. 伸ばすパートに左手(+視線)を向ける
  2. 手のひらは開いて上に向ける
  3. 右手は図形(3拍子・4拍子など)を振り続ける
えすた@指揮者
えすた@指揮者
このとき「しっかり伸ばしてね」という意識があると◎です。

さらに一段上のレベルを目指すためには「こんな音で伸ばして欲しい!」というイメージを持つようにしましょう。

「こんな音!」の例を挙げます。

  • 弱くならずに音量をキープして欲しい
  • 力強くクレッシェンドして欲しい
  • 伸ばしなながら小さくしていって欲しい
強弱をどう振るかということにも関係します。こちらの記事(【初心者でもできる】効果的に強弱を振り分ける4つのコツ|現役指揮者が解説)も合わせてご覧ください。

ステップ2.左手を使って音を切る

次に適切な長さで音を切ります。

基本の動きはこの2つです。

  1. 左手で円を描くように動かす
  2. 切るタイミングで手の形を「パー」→「グー」

音を切る動作は円を描くような動きで振ると伝わりやすいです。

手の形も変えることでより効果的に示すことができます。

もう一段階レベルアップしたい方は、「音を切った後の余韻」をイメージできるとさらに良いでしょう。

余韻のイメージの例としていくつか挙げてみました。

  • リズムに乗って歯切れよく音を切る
  • クレッシェンドしていき、空間に音を響かせる
  • デクレッシェンドしていき、消えていく。その後は静寂

左手で力強く円を描き、上向きに解き放つような切り方をすると迫力が出ます。

逆に、なるべく円を小さくし、優しい動きで音封じ込めていくようにすると静かな曲の最後にぴったりです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
切るときの動きで余韻が変わります。

フェルマータの振り方とコツ:音を伸ばす→跳ね上げ

続いてはフェルマータの振り方です。

少々難しいのでこちらの具体例を使って解説します。

フェルマータ基本形

フェルマータの基本的な振り方は次の3ステップです。

  1. フェルマータの手前まで普通に進める
  2. フェルマータの拍で音を伸ばす
  3. 「ハイ!」と言いながら腕を跳ね上げる
えすた@指揮者
えすた@指揮者
実際に振ってみながら読み進めてみてください。

ステップ1.フェルマータの手前まで普通に進める

フェルマータ基本形1矢印は右手(効き手)の動き、数字は拍のカウントです。

今回の例では4拍目の4分音符にフェルマータがついていますね。

まずはこの手前、3拍目までは普通に振って曲を進めます。

ステップ2.フェルマータの拍で音を伸ばす

フェルマータ基本形2×印はそこで動きを止める意味です。

続いて4拍目まで進めます。

4拍目を示した後、次に進まずそこで動きを止めて音をキープします。

音をキープするときにはロングトーンの内容を応用します。右手で音を伸ばす動作を行ってください。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
「イチ、ニー、サン、シーーー」と数えましょう。

音を伸ばすときのコツは4拍目の後で右腕を上げすぎないことです。

音を伸ばした後は曲を再開させなければいけません。

しかしここで腕を上げすぎてしまうと、そのための動き(予備運動)が出来なくなってしまうからです。

通常の4拍子を振るときには「イチ、二―、サン、シー」の「シー」の後で右手を高めに上げますので、違いに注意しましょう。

ステップ3.「ハイ!」と言いながら腕を跳ね上げる

フェルマータ基本形-3

フェルマータで十分音が伸ばせたら続きから曲を再開させましょう。

今は4拍目まで振って曲が止まっています。右腕は4拍目を示した後、低めのポジションにあるはずです。

ここから2小節目の1拍目を示すための予備運動(予備の動き)を行います。

  • 予備運動…「ハイ!」と言いながら右腕を跳ね上げる

このとき、跳ね上げる方向は左斜め上(右寄りから中央へ)です。4拍子を振る時の4拍目の続きだと考えてください。

跳ね上げつつ「ハイ!」と言うことで次の入りのタイミングを示します。

口頭で「ハイ!」と言うのに慣れてきたら、代わりにブレスを取る(息を吸う)ようにしましょう。このブレスによってプレイヤーに次の音楽のイメージを伝えます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
予備運動とともに「ハイ!」またはブレスを取るのは重要です。普段の練習から心掛けましょう。

【応用例】ロングトーンとフェルマータのパターンを解説

ここからは応用例です。

色々なパターンに触れて実践でも役立てていただけたらと思います。

応用例1:3拍目フェルマータ→4拍目開始

フェルマータ応用例1

フェルマータは3拍目についています。先ほどと同じく3ステップで考えましょう。

ステップ1.フェルマータの手前まで普通に進める

今回は3拍目にフェルマータがついていますので、まずは2拍目まで普通に振って進めます。

ステップ2.フェルマータの拍で音を伸ばす

3拍目を示した後、音を伸ばします。

ここでは4拍目の予備運動のために右腕を高く上げすぎないことがコツです。

ステップ3.「ハイ!」と言いながら腕を跳ね上げる

ほどよく音を伸ばすことができたら、続く4拍目の4分音符を示すための予備運動を取ります。

「ハイ!」と言いながら腕を跳ね上げます。

腕を上げる向きは右斜め上向きです。4拍子図形の3拍目の点後となります。

まとめ:伸ばすところ・フェルマータの振り方とコツ

伸ばすところ・フェルマータの振り方を振り返っておきたいと思います。

伸ばすところ
  1. 左手を使って音を保つ(手のひら上)
  2. 左手を使って音を切る(円を描く)

左手を活用するのがコツでした。

フェルマータ
  1. フェルマータの手前まで普通に進める
  2. フェルマータの拍で音を伸ばす
  3. 「ハイ!」と言いながら腕を跳ね上げる

「ハイ!」は慣れてきたらブレスに変えていきましょう。

初心者でもできる指揮のコツはこちらの記事(【初心者向け】すぐにできる合唱指揮のコツ5選!【専門知識は不要】)でまとめています。

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えすた
合唱歴10年以上のアマチュア合唱指揮者です。 合唱団運営などもやっております。