指揮の振り方

【現役指揮者が教える】右手・左手の役割|具体的な使い分け方法を解説

指揮・右手・左手
初心者指揮者
初心者指揮者
指揮初心者です。左手の使い方が分かりません。右手・左手の役割ってあるんですか?そもそも両手で振ったほうが良いですか?

こんな疑問に答えます。

結論としては、右手と左手はある程度役割を決めて使い分けるのがベターです。

この記事ではその理由と、具体的にどうやって左手を使えば良いかということを解説します。

内容を理解して実践すれば指揮のレベルアップに繋がります。

筆者は指揮法を3年間勉強し、合唱指揮の経験が5年程度あります。実践経験も豊富ですので、ぜひ参考にしてください。

この記事では「利き手=右手」「利き手と逆の手=左手」と書き表しています。左利きの方は逆の手で考えていただけると幸いです。

【結論】両手で振れるとメリットあり

まずは両手で振ることのメリットとその理由を解説します。

片手だけより両手を使えたほうがより良い理由

結論として、片手だけで振るより両手を使い分けて振れた方が良いです。

その理由は指揮としての表現の幅が広がり、プレイヤー(歌う側)に伝えられる情報量が増えるからです。

指揮というのはプレイヤーに対して「こうして欲しい!」というメッセージやエネルギーを伝えるものですので、その情報量は多い方が良いということです。

初心者の方の場合は難しいので、最初は利き手だけで指揮をしつつ、だんだんと左手を使うことに慣れていくと良いと思います。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
少しずつ練習して慣れていきましょう!

左右対称ではなく別々に動かすのが基本

両手を使うときは右手と左手を左右対称に動かすのではなく、なるべく別々の動きをさせましょう。

さきほど説明した通り、左手を活用するメリットは伝えられる情報量が増えることです。

左右の手が同じ動きをしているとそのメリットが得られません。

もちろん、両手を左右対称に動かして振ることもあります。

tutti感をより高め、クライマックス的なフォルテを引き出すときに使うのが一例です。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
私の場合、基本的に右手と左手それぞれに異なる役割を与えています。

右手の役割・左手の役割

ここからは右手と左手の役割を解説し、どのように使い分けたら良いかを解説します。

先ほど説明した通り、私は右手と左手にある程度役割を与えて振り分けています。

実は右手はこういう役割、左手はこういう役割で振らなければいけないというルールがあるわけではありません。

ですが、ある程度決めてしまうとメリットがあります。

  • 「ここはどう振ろうかな?」と考えやすい
  • プレイヤーから見て分かりやすい(右手左手はこういう役割という共通認識があるため)
えすた@指揮者
えすた@指揮者
あまり原則からはみ出さない方が分かりやすい指揮になります。

右手の役割:図形を振ってテンポをキープ

右手のメインの役割は音楽の進行させ、テンポ感をキープすることです。そのために図形を振って拍を示します。

図形とは3拍子や4拍子を振るときの腕の描く軌道のことです。「3拍子の振り方」などのことと考えてもらえばOKです。

この役割は指揮の中でも比重が大きいので、これに加えてその他の表現をしようとし過ぎると無理が出てきます。

そこで左手の役割が重要になってきます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
右手が役割を果たせないと音楽は止まってしまいます。

左手の役割:拍以外のイメージを伝える

左手の役割は、右手だけでは伝えきれない拍以外の音のイメージを伝えることです。

右手で図形を振って拍を示しつつ、色々な表現をするということも不可能ではありませんが限界があります。先ほど説明した通りです。

次のトピックではどんなことが伝えられるのか、具体的にはどう振れば良いのかと言うことを解説していきます。

左手の具体的な使い方 ・振り方

左手を使うことでどんなことが伝えられるでしょうか。例を挙げます。

  • 強弱(ニュアンスを含む)
  • ポリフォニーの振り分け(キュー出し)
  • フレーズのカット(音を切る)

これらは右手だけでもある程度表現できますが、左手を使うことでより効果的な指揮ができます。

強弱(ニュアンスを含む)

強弱は音の「大きい」「小さい」のことです。

「大きい」と一口に言っても、例えば「壮大な感じ」とか「激しい感じ」など色々な意味を含んでいます。これがニュアンスです。

左手を使うことで、これらのニュアンスまで詳細に表現することができるようになります。

左手による強弱の表現として、いくつかイメージと動きを考えてみました。

【強弱のイメージと振り方】

  • 手のひらを上に向けて高く上げていく→豊かなクレッシェンド
  • 手のひらを下に向けて体の近く(胸付近)に引き寄せる→内省的なデクレッシェンド
  • 力強くこぶしを握る→クライマックス的なフォルテ、アクセント的な固い音の出
えすた@指揮者
えすた@指揮者
逆に言うと、指揮をするときには「大きい」「小さい」だけでなくニュアンスまでイメージを膨らませることが大事です。
強弱に関してはこちらの記事(【初心者でもできる】効果的に強弱を振り分ける4つのコツ|現役指揮者が解説)で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

ポリフォニーの振り分け(キュー出し)

ポリフォニーというちょっと難しい言葉を使いましたが、要するに複数のメロディーラインが掛け合いをしている部分のことだと考えてください。

こういった箇所では歌い出すパートに向けてキュー出し(あなたたちの出番ですよ、「ハイ!」)を行うのが重要です。

【キュー出しの方法】

  • 次に歌い出すパートに左手(+視線)を向ける
  • 1拍前に予備運動とブレス(練習では「ハイ!」と言ってもOK)

キュー出しは右手だけで行うこともできますが、図形の大小が変わってしまう恐れもありますので注意しましょう。

図形が乱れると、意図しない強弱やテンポの乱れが起きてしまいます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
キュー出しには左手を使えた方が良いと思います。

フレーズのカット(音を切る)

フレーズの終わりで音を切る際には左手を使うのが分かりやすく、かつ効果的です。

特に曲の途中で出てきたロングトーン(伸ばす音)を切るときにはぜひ左手を使いたいです。

曲を進行させるために右手は図形を振り続ける必要があるからです。

切るタイミングの振り方は次の通りです。

【音を切る方法】

  • 右手で図形を振り続ける(テンポキープ)
  • 左手で小さい円を描きながら手を「パー」→「グー」へ
えすた@指揮者
えすた@指揮者
左右の手で別々の動きをする必要があるので難しいですが、練習してマスターしましょう!
ロングトーンの切り際をどうやって振るかに関してはこちらの記事(【現役指揮者が教える】伸ばすところ・フェルマータの振り方とコツ【具体例あり】)が詳しいです。

まとめ:右手・左手の役割|具体的な使い分け方法

左手を使えるようになるとプレイヤーに伝えられる情報量が増え、指揮のレベルが格段に上がります。

左手の使い方としていくつか具体例を挙げました。

  • 強弱(ニュアンスを含む)
  • ポリフォニーの振り分け(キュー出し)
  • フレーズのカット(音を切る)

なるべく左右の手に別の役割を与えられるように振り方を考えたり練習してみてください。

こちらの記事(【まとめ】初心者のための指揮法完全ガイド|合唱指揮者が基礎から解説)では指揮法を学ぶ上で知っておきたい知識をまとめています。あわせてご覧ください。

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