指揮の振り方

【図解】指揮の振り方をショートカットして学ぶ記事【忙しい人向け】

指揮の振り方ショートカット
男の子
男の子
指揮のやり方を知りたいです。3拍子、4拍子の曲はどうすれば良いですか。とりあえずそれっぽく振れるようになりたいです。

こんな悩みに答えます。

指揮法を学ぶには本来ならしっかりした基礎知識を身につけ、地道なトレーニングを積まなければいけません。

ただ、実際のところなかなか時間が取れなかったり、どうやって勉強したら良いか分からないですよね。

そこでこの記事では「難しいことはある程度ショートカットして、とりあえず指揮がそれっぽく振れるようになる」ことを目標として内容をまとめました。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
「忙しい人向け」です。

この記事はあくまで簡略版ですので、本格的に学びたい方はこちらの本を手に取っていただければと思います。(この記事はこの本の内容を参考にしています。)

この記事が「良いね!」と思ったらtwitterなどで広めていただけるとうれしいです。

指揮の振り方を練習をするときの注意点

指揮の振り方を練習するときにはひとまず以下のことに意識してください。

  • 腕は力を入れすぎない(脱力が基本)
  • 手首をこねない(自然に指先まで伸ばす)
  • 「イチ、ニー、サン、シー」と拍を数えながら練習する

最初はこの3つで大丈夫ですが、もし慣れてきたら追加で次のことも意識できると素晴らしいです。

  • 拍を声に出さず心の中で数える
  • 「こんな音楽にしたい」というイメージを持つ
  • 指揮をする相手(合唱やオーケストラ)をイメージする
  • フレーズを示すときにブレスを取る

この中でも「拍を声に出さず心の中で数える」はできるようにしたいですね。

他はなかなかハイレベルなので、余裕があればでOKです。

指揮者のブレスに関してはこちら(【影響大】なぜ指揮者のブレスが重要なのか【源泉は音楽のイメージ】)をご覧ください。
えすた@指揮者
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次は早速振り方を見ていきましょう!

【図解】指揮の振り方を練習しよう

ここからは2拍子、3拍子、4拍子の振り方をそれぞれ説明してきます。

指揮を振るときの腕の軌道のことを「図形」と言います。
えすた@指揮者
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解説を読みながらトライしてみてください。

構えの基本位置【おへその前30cm】

構えの基本位置右利きで解説します。鏡写しになっていることに注意。

まずは振り始める前の指揮の構え方(基本位置)を説明します。

  • 手をおへその前にセット
  • おへそと手の間は握りこぶし2~3つ分(約30cm)くらい空ける
  • 手のひらは軽く開き、自然に上を向ける

緊張して全身がこわばらないよう、リラックスして行いましょう。

手の形についてはこちら(【4つの理由と悪い例】指揮をするとき手の形はどうするべき?|指揮者が解説)で詳しく解説しています。
えすた@指揮者
えすた@指揮者
ここから2拍子、3拍子、4拍子の図形をスタートさせます。

2拍子図形【左右対称に動かす】

まずは2拍子の曲の振り方です。

手順を示すので順番にやってみてください。

2拍子の開始

2拍子の開始
  1. 基本位置に手を構える
  2. 「イチ、ハイ!」とカウント(「イチ」ではまだ動かさない)
  3. 「ハイ!」で右手を左肩に向かって跳ね上げる
  • 跳ね上げ…基本位置から振り始める動作
  • カウント…数を数えること
えすた@指揮者
えすた@指揮者
実際の曲でも同じように曲を始めることができます。

2拍子の1拍目

2拍子図形の1拍目
  1. 左肩から①(=基本位置)に向かって振り下ろす
  2. ①で折り返す
  3. 右肩に向かって進む
えすた@指揮者
えすた@指揮者
数字が書いてあるところで音が出るイメージです。

2拍子の2拍目

2拍子図形の2拍目
  1. 右肩から②(=基本位置)に向かって振り下ろす
  2. ②で折り返す
  3. 左肩(=最初の位置)に向かって進む

1拍目と逆の動きを行います。

「右に進むとき」と「左に進むとき」で音のタッチが変わらないように気をつけましょう。

このあと再び1拍目動きを行い、これを繰り返せば2拍子図形の完成です。

3拍子図形【左、中央、右の順番】

続いては3拍子です。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
テンポがゆっくり目の3拍子の曲で使います。

3拍子の開始

3拍子,4拍子の開始3拍子と4拍子の開始は同じ動きとなります。
  1. 基本位置に手を構える
  2. 「二―、ハイ!」とカウント(「二―」ではまだ動かさない)
  3. 「ハイ!」で顔の正面に向かって跳ね上げる

3拍子の1拍目

3拍子図形の1拍目
  1. 顔の正面から①(=基本位置のやや左)に向かって振り下ろす
  2. ①で折り返す
  3. 左肩に向かって進む
えすた@指揮者
えすた@指揮者
基本位置のやや左に向かって振るのがポイントです。

3拍子の2拍目

3拍子図形の2拍目
  1. 左肩から②(=基本位置)に向かって振り下ろす
  2. ②で折り返す
  3. 右肩に向かって進む
えすた@指揮者
えすた@指揮者
2拍子図形の1拍目と同じような動きになります。

3拍子の3拍目

3拍子図形の3拍目
  1. 右肩から③(=基本位置のやや右)に向かって振り下ろす
  2. ③で折り返す
  3. 顔の正面(=最初の位置)に向かって進む

3拍目で正面に戻ってくるのがコツです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
左右の振り幅がだいたい同じになるように気をつけましょう。

4拍子図形【1拍目+3拍子図形】

最後に4拍子図形です。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
最もよく出てくる拍子かもしれませんね。

4拍子の開始

3拍子,4拍子の開始3拍子の開始と同じになります。
  1. 基本位置に手を構える
  2. 「サン、ハイ!」とカウント(「サン」ではまだ動かさない)
  3. 「ハイ!」で顔の正面に向かって跳ね上げる
えすた@指揮者
えすた@指揮者
動きは3拍子と同じですがカウントが違うことに注意しましょう。

4拍子の1拍目

4拍子図形の1拍目矢印をずらしていますが実際には同じところを通ってOKです。
  1. 顔の正面から①(=基本位置)に向かって振り下ろす
  2. 基本位置で折り返す
  3. もとの位置に向かって進む
えすた@指揮者
えすた@指揮者
最初の1拍目を3拍子に付け加えるイメージです。

4拍子の2拍目

4拍子図形の2拍目
  1. 顔の正面から②(=基本位置のやや左)に向かって振り下ろす
  2. ②で折り返す
  3. 左肩に向かって進む
えすた@指揮者
えすた@指揮者
ここからは3拍子図形と同じ動きです。カウントに注意しましょう。

4拍子の3拍目

4拍子図形の3拍目
  1. 左肩から③(=基本位置)に向かって振り下ろす
  2. ③で折り返す
  3. 右肩に向かって進む

4拍子の4拍目

4拍子図形の4拍目
  1. 右肩から④(=基本位置のやや右)に向かって振り下ろす
  2. ④で折り返す
  3. 正面(=最初の位置)に向かって進む

4拍目で正面に戻ってくるのがコツです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
3拍子の時と同じく、左右の幅が同じになるように気をつけましょう。

【発展】ニュアンスを振り分ける3つの方法

少し応用として、音楽のニュアンスを振り分けるための3つの方法をざっくりと紹介しておきます。

これらの振り方を使い分けることで、自分のイメージした音の出を引き出すことができるようになります。

  1. 叩き…リズム感の強い曲、固い音
  2. しゃくい…叩きと平均運動の中間
  3. 平均運動…リズム感が弱く、なめらかな音

これら3つの振り方それぞれに2,3,4拍子の図形があります。

参考に『はじめての指揮法―初心者のためのバトンテクニック入門』(著:斉田好男)から引用してみます。

指揮法の各種図形(間接運動)

引用:斉田好男(1999年).『はじめての指揮法―初心者のためのバトンテクニック入門』

この記事で解説してきた図形は「叩き~しゃくい」の動きをイメージしています。

※ただしショートカット用にかなり端折っているので厳密ではありません。

まとめ:基本的な図形を押さえて指揮を楽しもう

指揮は初学者の方には難しく取っつきづらいイメージがあると思います。

ですが、練習を続けて上達してくると「自分が音楽をコントロールする」感覚がつかめてきます。

そうすると楽しいです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
まずは図形を押さえることが練習の第1歩となります。

こちらの記事(【まとめ】初心者のための指揮法完全ガイド|合唱指揮者が基礎から解説)では指揮法を学ぶ上で知っておきたい知識をまとめています。あわせてご覧ください。

初心者のための指揮法完全ガイド
【まとめ】初心者のための指揮法完全ガイド|合唱指揮者が基礎から解説 こんな疑問に答えます。 指揮に関することは初心者向けの情報が少なく、どうやって勉強したらよいか分からないと思います。 ...
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