こんにちは!
突然ですが、「合唱曲ってダサくね?」と思われたことはないでしょうか。
正直、あると思います。
合唱歴の長い私も思いますもの。
しかしながら、そんな合唱曲でも探せばよい曲はたくさんあるんです!
というわけで今回は、【厳選】「合唱曲ってダサくね?」と思った人に聴いて欲しい【神曲】と題しまして、
私が厳選しました、
- カッコいい曲
- ノリが良い曲
- 世界観が独特な曲
- ハーモニーが美しい、癒しの曲
- 感動する、泣ける、壮大な曲
を合計25曲!ご紹介したいと思います。
かなり良いチョイスができたと思いますので、自信を持っておすすめさせていただきます。
また、簡単にではありますが解説もしていますので合わせてご利用ください。
1つでも気に入る曲に出会って頂けることを願っております。
それではいきましょう!
もくじ
カッコ良い合唱曲5選
まずはカッコ良い曲を5曲ご紹介。
イントロだけでも聴いていってください!
1.『天空歌』(永瀬清子/信長貴富)
ピアノの前奏だけでも聴いてみてください!
シャープでアクロバティックなカッコ良さがあります。
歌詩もなんだか哲学的?で魅力的。
2.『方舟』(大岡信/木下牧子)
『方舟』は荒々しいテンポ感と迫力が魅力。
歌詩も格調高く、時に鮮烈に、凄惨に。
中二心に刺さる曲です。
この曲は聴きどころを詳しく解説してる記事があるのでよろしければご覧ください。
3.『Tempestoso』(谷川俊太郎/松本望)
『Tempestoso』(テンペストーゾ/嵐のように)です。
歌詩は日本語ですが、一聴して意味するところはよく分かりませんね(笑)。
でも良いんです。言葉の端々に何かしら揺さぶられるものを感じられれば。
中盤の荒れ狂うようなピアノも聴きどころです。
4.『Credo』(QUINTANA)
アルゼンチン出身のアリエル・キンタナさんによる宗教曲です。読み方はクレド。
《Mass from Two Worlds》という一連の作品の中の一曲になります。
外国語の曲なので歌詩は分からないかもしれませんが、《二つの世界からのミサ》というとなんだか惹かれるものがあります。
迫力のある完全5度系の和音から始まります。
しっとりしたソロにも注目です。
こちらは「Mass from Two Worlds」がセットになっている音源で、Credoは9:10あたりとなっています。
他の曲も良いので聴いてみてください!
5.《銀河の序》『Ⅲ』(松尾芭蕉/千原英喜)
最後に大曲を。
《銀河の序》は松尾芭蕉の紀行文『奥の細道』をベースにした組曲。
『Ⅰ』『Ⅱ』『Ⅲ』の3曲から成ります。
闇の深さを感じさせるピアノのオスティナート、ヴォカリーズによる和音から始まり、期待感を煽ります。
中盤では有名な
荒海や 佐渡によこたふ 天の河
の句が登場。
銀河を感じます。マジです。
ノリが良い合唱曲5選
続いてはノリが良い合唱曲に参ります。
ポップス、ロック、ジャズなど様々な音楽のスタイルと取り入れた作品を選んでみました。
6.『新しい歌』(LORCA/信長貴富)
なんと! フィンガースナップから曲が始まります。
曲の終わりに向かってどんどん盛り上がり、ノリノリな感じ。
これは歌ってみたくなりますね!
今回は男声版のリンクですが、混声版もありますので女声のみなさんもご心配なく!
7.『言葉にすれば』(安岡優/松下耕)
『言葉にすれば』はもともとNコン(NHKの合唱コンクール)のために書かれた曲です。
ゴスペーラーズの安岡優さんとの合作ということで、ゴスペルっぽいテイストが取り入れられています。
曲の途中、ふっとアカペラ(ピアノ伴奏がなくなるところ)が良いですね。
8.『東の雲ははやくも蜜のいろに燃え』(宮沢賢治/千原英喜)
和風の音階を使っていますが、メロディーはシンコペーションしていて和洋折衷の不思議な雰囲気です。
テンポ感が何ともノリやすい感じ。
中終盤の盛り上がりはロックのノリ、熱狂感を意識されているそうですよ。
転調も泣けます。
この曲に関しては聴きどころ解説もしているので、こちらも合わせてお読みください。
組曲《月天子》から2曲セット。
今回紹介している曲は3:30くらいからですが、1曲目もポップで楽しそうな曲ですね。
9.『Gloria』(CHILCOTT)
チルコット作曲の《A Little Jazz Mass》から。
伴奏にピアノトリオを用いたジャズテイストなによるミサ曲になっています。
合唱にパーカッションが付くだけでも、知らない人に取ったらなかなか衝撃的なのではないでしょうか?
ブルージィ、ジャジーな大人の魅力に浸りましょう!
10.『アポロンの竪琴』(みなづきみのり/松本望)
《歌が生まれるとき》という合唱組曲の最後の曲です。
ピアノのビート感、伸びやかなメロディーが良いですね。
終曲らしく、最後はかなり盛り上がりますよ!
世界観が独特な合唱曲5選
ここからは「普通の曲じゃ物足りないぜ!」という通な方におすすめする曲のリストです。
「ちょっとついて行けなくなってきた!」という方は次のリストにお進みください(笑)。
11.『ティオの夜の旅』(池澤夏樹/木下牧子)
目まぐるしく変わる変拍子・和音に乗せてマジカルなワールドが展開する『ティオの夜の旅』。
疾走感がクセになる曲です。
「フェアリ・メイ」「千年王国」とは? っていうか「ティオ」は誰なのか?
意味はよく分からない、でも楽しい。それが『ティオ』。
中終盤のカオスな場面で全部歌詩が聞こえるのがすごい!
12.『宇宙』(和合亮一/新実徳英)
『宇宙』が収録されている曲集《宇宙になる》。
私は麻痺してしまっていてもう何も感じないのですが、《宇宙になる》ってかなりインパクトのあるタイトルです。
「宇宙になるって、何が? え、俺?」みたいな。
歌詩も音楽もそんじょそこらの感覚では収まりきらないエネルギーに満ちています。
曲の出だしから宇宙感全開です。
13.『行進』(宗左近/荻久保和明)
組曲《縄文》から。
独特過ぎてドン引きされてしまわないか心配なチョイスになってきました。
かなりカオスな曲です。
とりあえず聴いてみましょう! ハマる人もいるはず。
曲の中間部分だけの音源ですが、是非これを聴いていただきたい。
こちらは組曲《縄文》がフルで聴けます。男声合唱バージョン。
今回紹介している『行進』は14:40からです。
14.『Cloudburst』(PAZ/WHITACRE)
今回の外国語枠です。タイトルは英語ですが、歌詩が何語かは私も知りません(笑)。
作曲家はウィテカーさん。
神秘的なクラスター和音から始まり、「事件」を予感させますね。
何が起こるのかは、聴いてご自身で確認していただければと思います。
15.『貮の段』《ラプソディー・イン・チカマツ》(近松門左衛門/千原英喜)
江戸時代の作家、近松門左衛門の浄瑠璃作品などをもとにした作品です。
畳みかけるような呼び込みから始まり、拍子木、セリフ、掛け声、叫び声を用いるなど様々な驚きのある作品です。
作曲者の描く世界観に没頭してみましょう。
ハーモニーが美しい、癒しの曲5選
先ほどの5曲がちょっと濃すぎたかと思うので、ここから5曲はしっとりとした聴きやすい曲を取り上げてみようと思います。
合唱の醍醐味が良く味わえる曲が多いですよ!
16.虹(高見順/木下牧子)
虹というと、クラス合唱などで良く歌われる信長貴富さんの曲が有名ですが、今回紹介するのは木下牧子さんによる男声合唱の無伴奏作品です。
男声合唱ならではの重厚で、しかし繊細なハーモニーが味わえる作品となっています。
17.安里屋ユンタ(沖縄県民謡/松下耕)
安里屋(あさどや)ユンタは沖縄県八重山諸島の民謡で、それをもとに松下耕さんが編曲したものです。
転調を繰り返すことで非常に鮮やかに、立体的にハーモニーが展開していきます。
18.2nd Scene《森へ》(「地球歳時記’90」/鈴木輝昭)
鈴木輝昭さんというと非常にハイレベルな作品が多く、なかなか聴きやすい曲を探すのが難しい作曲家ですが、それでも1曲はリストに入れたかったのです。
《森へ》は、子供たちが作った自然に関する短い詩を集めた「地球歳時記’90」から歌詩がとられています。
二群の女声合唱(または童声合唱)で歌われ、2つのグループが掛け合いをしたり、ときには一緒に歌っているのが分かると思います。
中間部の切ないメロディー、コードが特に美しい。
日本語と英語の歌詩が交互に歌われるのも面白いですよね。
風の音、フクロウの声、そして「蜩(ひぐらし)のモティーフ」にも注目です。
19.The Ground(GJEILO)
GJEILO(イェイロまたはヤイロ)はノルウェー生まれの作曲家で、曲を聴いていただくと分かる通り、非常に暖かく美しい曲を書かれる方です。
弦楽四重奏の重厚なハーモニー、ピアノとのアンサンブルもポイント。
なんとも癒されますね。
20.百年後(TAGORE/信長貴富)
ノーベル文学賞を受賞するなど、インドを代表する詩人タゴールの詩(訳詩:森本達雄)を用いた作品です。
伸びやかなメロディー、光あふれるハーモニー、きらめくピアノパートがなんとも眩い作品です。
曲の終わりの「こだま」が聞こえましたか?
感動する、泣ける、壮大な合唱曲5選
ラスト5曲になりました!
心が震える、名曲をお送りします。
21.くちびるに歌を(FLAISCHLEN/信長貴富)
ドイツ語と日本語の両方が使われている作品です。
クライマックスに向かって、熱く、盛り上がる曲です。
めちゃくちゃ元気出ますね!
22.夢の意味/夢の名残(林望/上田真樹)
2曲まとめご紹介。続けてお聴きください。
ドキリとする歌い出しの歌詩から始まり、壮大な音世界が始まります。
ピアノの浮遊感のある3連符の音型が繰り返され、ふわりと転調したところから『夢の名残』が始まります。
23.夕焼小焼(中村雨紅/三善晃)
『夕焼小焼』自体はご存じかと思います。
「夕焼け小焼けで日が暮れて~」という曲ですね。
今回ご紹介するのは、それを大作曲家である三善晃さんが2台ピアノによる伴奏を加え、ゴージャスな作品に仕上げたものとなっています。
当たり前の日常・平和をふと思い出してウルっと来る、そんな感動がある作品です。
24.Deus Caritas Est(佐藤賢太郎(Ken-P))
最後の外国語曲枠はKen-P(ケンピー)こと佐藤賢太郎さんの作品をご紹介します。
Cantata Amoris(カンタータ・アモリス/愛のカンタータ)からDeus Caritas Est(デウス・カリタス・エスト/God is Loveの意味)です。
無伴奏の作品ですが、シンフォニックな響きで、まるでオーケストラの演奏を聴いているかのようです。
はじめにグレゴリオ聖歌の旋律が提示され、それをもとにハーモニーなどを加えて展開していく構成となっています。
様々な展開が現れ、まるで大作の映画を見ているような心持ちになります。
25.今年(谷川俊太郎/松下耕)
最後は『今年』。
もう語ることはありません。是非お聴きください。
まとめ:【厳選】「合唱曲ってダサくね?」と思った人に聴いて欲しい【神曲】
お読みいただきありがとうございました!
今回選んだ25曲を私もあらためて聴きましたがいい曲ばかりですね(自己満足)。
1曲でも気に入った曲が見つかり、「音楽の世界が広がった!」と思っていただければ筆者冥利に尽きます。
もう少しマイルドな作品がお好みの方はこちらの記事もおすすめです。