こんな疑問に答えます。
本格的に指揮を学ぶには指揮者の先生について見てもらう必要があります。
ただ、そうは言うものの多くの人にとってそんな人は身近にいないですし、いたとしてもいつも見てもらえるとは限りません。
そこでこの記事では指揮の独学ができる方法を3つ紹介します。
筆者は3年間指揮法を勉強し、合唱指揮者の実践経験も5年以上してきました。
その経験をもとにまとめましたので参考になると思います。
もくじ
【上手くなる】指揮初心者のための練習法3選
指揮を独学するには次の3つの方法があります。
- 図形とブレスを身につける
- 他の人の指揮を見て学ぶ
- 実践を通じて学ぶ
特に2~3を行うと勉強になりますし、自分の表現の幅も広がります。
練習法1.図形とブレスを身につける
まずは最低限の振り方を学び練習しましょう。
3拍子や4拍子の振り方、腕の軌道のことを「図形」と言います。
入門書:『はじめての指揮法』
基本的な図形を学ぶならこちらの本をご参照ください。
- 平均運動
- しゃくい
- 叩き
これらの打法、3拍子・4拍子などの図形が学べます。
コツや練習法についてもまとめられていますので、独学するためには持っておいて損がありません。
図形を練習するときの注意点
先ほど紹介した本にも書かれていますが、次のようなことを意識して練習しましょう。
- 腕をガチガチに固め過ぎない
- 鏡を見てフォームをチェックする
- 音の出をイメージする
特に3つ目が大事です。
指揮というのは図形をなぞれば良いというものではありません。
必ず音楽に繋げる意識を持ちましょう。
振ると同時に「ブレス」を取ろう
図形と並んで「ブレス」は初心者のうちから身につけたいポイントです。
詳しくはこちら(【影響大】なぜ指揮者のブレスが重要なのか【源泉は音楽のイメージ】)をご覧ください。
練習法2.他の人の指揮を見て学ぶ
他の人の指揮は初心者の人が学ぶための材料として最適です。
オーソドックスっぽい人の振り方を真似てみると良いかもしれません。
指揮が見れるところ
- YouTube
- 合唱祭・コンクール・コンサート
YouTubeだと自分の気になる指揮者や曲を選んで繰り返し聴けるのがメリットです。
また、合唱祭やコンクールでは様々な指揮・曲をまとめて見学できるのでお得感がありますね。
見て分析し、マネをする
指揮を学ぶためにはなんとなく眺めているだけでは効果が薄いでです。
以下のことを意識しましょう。
- なぜそう振るのか、振り方の意図を考える
- 指揮によって音楽がどのように変化したかを観察する
指揮というのは当然ながら実際の演奏に反映されるものです。
指揮⇔音楽の関連性を肌で感じましょう。自分で振るときにも役立ちます。
逆に「指揮と音楽が解離しているな」と感じるパターンもあるかもしれません(特にアマチュアの場合)。
どうしてそうなっているのか、どう振れば良かったのか考えてみましょう。
楽譜と照らし合わせながら見るとさらに◎
演奏を聞く際には楽譜と照らし合わせながら指揮を見るとさらに勉強になります。
次のようなことを考えながら楽譜を見てみましょう。
- この部分はこう振ってるけどなぜそうしたのか?
- (楽譜をもとに)自分だったらどう振るか?
合唱祭などでは難しいかもしれませんがYouTubeで勉強するときには使いやすい方法です。
練習法3.実践を通じて学ぶ
実践してみることはやはり莫大な経験値となります。
常に意識しておきたいのは次のことです。
- 自分がどんな音楽を作りたいか
- それを指揮としてどう伝えるか
- それが音楽として出てきているか
前提:アナリーゼをしよう
「どんな音楽を作りたいか」「どう振るか」の根拠となるのは楽譜(スコア)です。
練習前に楽譜を分析することをアナリーゼと言います。練習や指揮の組み立てに役立ちます。
楽譜を見ながら「ここはどう振ろうかな?」とイメージをふくらませてみましょう。
最初のうちはなかなか難しいかもしれませんので、練習を進めながら分析していくのでもOKです。
練習(リハーサル)を仕切りながら振ってみる
指揮者にとって「練習(リハーサル)を仕切る」ことも重要な指揮者の役割です。
本番で振るだけではないのですね。
練習の過程も大きな学びとなります。
- 練習で試しに振ってみる
- 音の出(で)と自分のイメージにギャップが無いか?
- あれば原因を考え、振り方を修正する
練習では振りながら実際に出てくる音を聴くのが大事です。
「こんな感じでお願いします!」と指示を出して歌ってもらうことがあると思いますが、上手くいかないこともあると思います。
その場合、指揮に問題があるのかもしれません。
余分な動きをしてしまっていて自分の意図しない音の出に繋がっている可能性があります。
練習風景を録画し、後で自分の指揮を見てみるのも反省の材料になりますね。
本番を経験する
本番を経験するのも大事です。
練習と本番では緊張感から何からすべてが違います。
経験値にも練習の10倍くらい得られるような気がします。
本番後録音を聴いてみるのも良いと思います。思った通りの音楽にはなっていないことが多いです。
そのため自分の指揮・音楽づくりがどうだったか、客観的に冷静に反省できます
まとめ:見ること、聴くこと、感じることすべてが指揮の勉強材料
内容を振り返ります。
[指揮の上達法]
- 最低限の振り方(=図形)を練習する
- 他の人の指揮を見て学ぶ
- 実践を通じて学ぶ
特に「棒が音楽に対してどのような影響を与えているのか?」を常に感じ取ることが上達する上でのポイントとなります。
見ること、聴くこと、感じることがすべて学びになるということですね。
こちらの記事(【まとめ】初心者のための指揮法完全ガイド|合唱指揮者が基礎から解説)では指揮法を学ぶ上で知っておきたい知識をまとめています。あわせてご覧ください。