こんな疑問に答えます。
合唱において声を合わせることは演奏の良し悪しに直結する重要事項です。
この記事では初心者のうちに身に着けておきたいコツを3つ紹介します。
後半ではさらに感覚を磨いてレベルアップするための練習方法も紹介しています。
この記事を読んで実践すればかなりレベルアップできるはず。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
【合唱初心者向け】声を合わせるコツ3選
声を合わせるコツは次の3つです。
- 歌べき音をイメージしてから歌う
- 周りの声を聴きながら歌う
- 「音がハマる」感覚を養う
初心者の方は練習のときにこれらを意識してみてください。
これらが無意識にできるようになると上級者への道が開けます。
コツ1.歌べき音をイメージしてから歌う
歌声が合わない、そろわない大きな原因はピッチ(音の高さ)の精度の甘さです。
初心者のうちは、自分が正しい音を歌っているつもりでも低すぎたり、高すぎたりすることがよくあります。
これだと声が合いません。
ピッチの精度を高めるための第一歩は「歌べき音をイメージしてから歌う」ことです。
声が合わないときの多くは、準備不足でなんとなく歌い出してしまっています。
例えば「ド」の音から歌い始めるメロディーならば次のような流れで歌いましょう。
- 指揮者やパートリーダーが弾いてくれるピアノの「ド」をよく聴く
- 頭の中に「ド」の音を明確にイメージし、歌う準備をする
- (イメージできないとき)パート練習に立ち返る
コツ2.周りの声を聴きながら歌う
自分の音に集中するだけでなく、周囲で歌っている人の声にも耳を傾けることが重要です。
周りの声を聴き、それに声を溶けこませるように意識することで声は合っていきます。
逆に次のようにしてしまうと、声は合わず絶対に良い合唱・音楽はできません。
- 別のパートに釣られちゃうから聞かない
- 自分の音は絶対に正しいから周りが合わせるべき
自分が歌うこと、周りの声を聴くことの両方が大切です。
このような配分で意識すると良いと思います。
- 歌うこと…50%
- 聴くこと…50%
聴くことの配分がずいぶん大きいように思えますが、それだけ大事なことなんです。
コツ3.「音がハマる」感覚を養う
声がぴったりと合うと、声と声が共鳴して「音がハマる」瞬間があります。
この感覚を養って、いわば「正解」を知っておくことも重要です。
初心者のうちは「今、音合ってるのかな?微妙なのかな?分からん…」となりますよね。
私自身もそうでした。
これに関しては経験を積んでいくうちに分かるようになってきます。
ただし、何も意識せずに続けても感覚は養われていきませんので、試行錯誤することも必要です。
声を合わせる感覚を磨く練習法5つ
こんな疑問に答えます。次の5つです。簡単めなものから並んでいます。
- 合いにくい音で止まって伸ばす
- できる限り小さい声で歌う
- 耳を後ろ向きに覆って歌う
- スクランブルで歌う(中~上級者向け)
- 倍音を聴いてみる(中~上級者向け)
練習法1.合いにくい音で止まって伸ばす
曲を練習しているとどうしても合いにくい音にでくわすことがあります。
そういった場所で音を伸ばして確認するという方法です。声が1つにまとまるまで伸ばしましょう。
合いにくい音としては次のようなパターンががあります。
- 跳躍(音が飛ぶこと)
- 臨時記号
- 転調部分
「この音合いにくそうだな…」という部分を事前にチェックしておくだけでも効果があります。
練習法2.できる限り小さい声で歌う
小さい声で歌うととても良い練習になります。
普段歌っている声の1/10くらいのイメージで歌ってみましょう。
- 周りの音が良く聞こえる
- 意識を周りの音に向けられる
このような効果が得られます。
練習法3.耳を後ろ向きに覆って歌う
手順は以下の通りです。
- 手のひらを後ろ向きにする
- 耳の前に当てる
- そのまま歌う
音が聞こえにくいときに、手を耳にあてますが、その逆をするイメージです。
これによって自分の後ろから聞こえる声をひろいながら歌います。
この歌い方では自分の声が聞こえにくなり、その分周りの声をしっかり聴くことができるようになります。
自分の声が聞こえにくくなるためなんだか下手になったように感じますが、全体の音は飛躍的に良くなります(経験済み)。
練習法4.スクランブルで歌う(中~上級者向け)
パートの垣根を越えてばらばらの並び方(オーダー)で歌ってみる方法です。
- 別のパートの音を聴きやすい
- 全体のハーモニーを感じやすい
このような効果があり、とても良い訓練・経験になります。
ただし、初心者の方の場合は自分が本来歌うべき音を見失ってしまう可能性があるので注意しましょう。
練習法5.倍音を聴いてみる(中~上級者向け)
合唱でよく声が合っていると、実際に歌っていない高い音が聞こえることがあります。
古来合唱などで、本来聞こえるはずのない高い声がしばしば聞かれる現象が知られており、「天使の声」などと呼ばれて神秘的に語られていた。これらは倍音を聴取していたものだと現在では考えられている。
倍音を聴くことは耳を鍛える大変良い訓練になります。
理由は次の通り。
- 音高・音色がかなり合っていないと鳴らない
- 鳴っていてもよく耳を澄まさないと聞こえない
倍音が聞こえるというのは音が良く合って共鳴している証拠です。
次に倍音を聴くための練習法を紹介します。
1人の声に他の人が声を合わせていくというものです。
- 最初の1人が声を伸ばす
- 次の人はその音に合わせて「そっと」入る
- また次の人が…と繰り返す
後から入る人は入ったことが分からないくらい慎重に声を溶け合わせるようにしましょう。
入った後も伸ばしながら音をそろえることを意識し続けます。
このようにすると声が増幅されて倍音が鳴ってくるのが分かりやすいです。
声が合うこと・共鳴することの3つメリット
音がよく合って共鳴していると次のような良いことがあります。
- 和音がきれいになる
- 響きが広がる
- 楽に歌える
メリット1.和音がきれいになる
「和音がきれいになる」は割と分かりやすいかなと思います。
こちらの記事(【合唱のコツ】きれいなハーモニーの作り方【3つの練習法を紹介】)でも解説しましたが、きれいな和音を作るためには音高・音色を合わせることが重要になってきます。
メリット2.響きが広がる
合唱全体の響きが広がり、客席にも音が届きやすくなるというのもメリットです。
演奏を聞いていると次のように感じることがあります。
- 頑張って歌っているのにイマイチ声が飛んでこないな
- 軽く歌ってそうなのに音に包まれるような感じがするな
これらは音がよく合っているか、共鳴しているかどうかの違いと考えられます。
メリット3.楽に歌える
音をよく合わせると楽に歌えます。
声と声で協力し合えるからですね。
逆に声が合っていないと次のような悪循環におちいります。
- 音が合わないので歌いづらい
- 頑張ろうとして力む
- さらに音が合わなくなっていく
声を出すことばかりに気を取られるとこういったことになりがちです。
前述した通り次の意識を忘れないようにしましょう。
- 歌うこと…50%
- 聴くこと…50%
まとめ:歌声を合わせるコツ3選
まとめです。次のことを割れずに練習に取り組みましょう。
- 歌べき音をイメージしてから歌う
- 周りの声を聴きながら歌う
- 「音がハマる」感覚を養う
その他に合唱の練習で気をつけるべきことはこちらの記事(【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説)にてまとめていますので合わせてご覧ください。
歌い方全般のコツをはこちらの記事(【合唱初心者必見】歌い方・発声のコツを総まとめ【上達スピード向上】)でまとめてますので合わせてご利用ください。