こんな方に向けた記事です。
合唱の練習では、きちんとポイントを押さえておくことが肝心です。
この記事では合唱曲『With You Smile』の歌い方のコツについて、合唱歴10年以上・合唱指揮者歴5年以上の筆者が詳しく解説します。
この記事を読みながら練習に取り組めば、確実にワンランク上の演奏を目指すことができるはずです。
もくじ
合唱曲『With You Smile』歌い方のコツ
それでは早速解説していきます。
音取りに不安がある場合、まずはしっかりとパート練習を行いましょう。
こちらの記事(【5ステップ】質の高いパート練習の進め方とコツ|経験者のノウハウ公開)もご参照ください。
【A】歌い出し(アウフタクト)は丁寧に
10小節目~【練習番号A】となっています。
ここでは歌い出しの音に注意し、丁寧に歌いましょう。
気をつけたいポイントは次の通り。
- 低めの音をよく狙って
- 母音で始まる歌詩”あおい”、”いつまでも”などは十分に準備して
- ハ行(”ふかい”、”はてしなく”)をしっかり伝える
歌い出しで音がばらけたり言葉が伝わらないと「モヤッ」とした印象になってしまいます。
【B】掛け合いは言葉の頭をチェック
26小節目~【練習番号B】となっています。
ここからは掛け合いのフレーズ(女声と男声が交互に歌う)が始まります。
掛け合いでは「言葉の頭に印をつけておく」ことがポイントです。
これによって次のような良いことがあります。
- お互いのメロディーのスタート地点が分かりやすくなる
- 言葉の頭が意識でき、歌詩が伝わりやすい
掛け合いにではメロディーが交錯するので普段より歌詩を伝える意識を高める必要があります。
また【B】の後半のクレッシェンドは重要です。【C】に向かって盛り上げていきましょう。
【C】タテのハーモニーとヨコの流れとを両立しよう
43小節目~【練習番号C】です。ここからサビとなっています。
ここではタテ(歌うタイミング)がそろっているのが【B】との違い。
3パートで充実したハーモニーを聞かせたい場面です。
タテの意識と同時に、この曲の特徴であるヨコの流れの爽やかさも両立しましょう。
- タテ…充実したハーモニー
- ヨコ…伸びやかなメロディーの流れ
ハーモ二―を決めるにはお互いの音をよく聴き合うことが大切です。
【D】次の音楽のイメージをふくらまそう
57小節目~【D】です。ピアノの間奏部分となっています。
合唱はお休みですが、雄大なピアノのメロディーを聴きながら2番の歌詩へイメージをふくらませましょう。
【C(2回目)】音量の違いを見逃さずに表現しよう
間奏の後、セーニョ記号によって【C】のサビに戻ります。
ここでは1回目と音量が違うことを見逃さないようにしましょう。
- 1回目…f(フォルテ/強く)
- 2回目…piu f(ピウ・フォルテ/fより強く)
このようになっています。
2回目ではよりいっそう広がりを感じ、大きく伸び伸びと歌いましょう。
他の曲でも繰り返すフレーズが出てきたら「何か違いはないかな?」という風に考えると楽譜を読む力がアップします。
【Coda(コーダ)】輝きのあるハーモニーで締めくくろう
68小節目~【Coda(コーダ)】です。ラストのクライマックスですね。
一番最後の和音を確認しておきましょう。
[和音の構成]
- 第5音…「ファ」(女声↑)
- 第3音…「レ」(女声→、男声↑)
- 根音…「シ♭」(女声↓、男声↓)
第〇音や根音などの用語は難しいと思いますで、まずは同じ音を歌っているパート同士の音をしっかり揃えることを意識してみましょう。
例えば「シ♭」を歌っている女声↓や男声↓のパートなどですね。
まとめ:長いフレーズと掛け合いがポイント
ポイントを振り返っておきます。
- 【A】歌い出し(アウフタクト)は丁寧に
- 【B】掛け合いは言葉の頭をチェック
- 【C】タテのハーモニーとヨコの流れを両立しよう
- 【D】次の音楽のイメージをふくらまそう
- 【Coda】輝きのあるハーモニーで締めくくろう
『With You Smile』の爽やかな曲調を生かすためには次のポイントが特に重要です。
- ロングトーン主体の長いフレーズの歌いこなし
- パート間の掛け合い(タイミング・歌詩)
その他、全体練習(アンサンブル)で役立つポイントについてはこちらの記事(【ポイント6つ】全体練習(アンサンブル)をまとめる方法|合唱指揮者が解説)で解説しています。