練習・演奏のポイント

『Jagdlied(狩りの歌)』(F.メンデルスゾーン)歌い方のポイント

『Jagdlied(狩りの歌)』(F.メンデルスゾーン)の歌い方のポイントをまとめました。

基本的には私の合唱団のメンバー向けの内容となっています。

が、もしも他の団の方がこのページを見つけてくださった場合も、参考にしていただけるかと思います。

なお、ドイツ語の発音については、この動画をとてもとても参考にさせていただきました。ありがとうございます!

『Jagdlied(狩りの歌)』の練習番号

練習番号を以下のようにつけます。もともと楽譜についているものもありますが、ちょっと分かりにくいのでつけなおします。

また、楽譜のバージョンによって小節数の書き方が違いますので、以下の通り併記しています。

  • EDITION PETERS…()無しの数字
  • Breitkopf & Hartel…()付きの数字
練習番号
  • 【A-1】1(1) “Durch”
  • 【A-2】7(7) “tief”
  • 【A-3】12(12) “Fern”
  • 【A-4】20(20) “es”
  • 【B-1】29(1) “Bald”
  • 【B-2】35(7) “tief”
  • 【B-3】40(12) “Bald”
  • 【B-4】48(20) “O Lieb'”
  • 【C-1】57(29) “Immer”
  • 【C-2】63(35) “durch”
  • 【D-1】68(40) “Erquickliche”
  • 【D-2】76(48) “Erquickliche”
  • 【D-3】84(56) “Erquickliche”
  • 【D-4】88(60) “Erquickliche”
  • 【E-1】95(67) “Und”
  • 【E-2】101(73) “die Klange”

アルファベットが詩の大きなまとまり、数字がフレーズのまとまりを表すようになっています。

『Jagdlied(狩りの歌)』歌い方のポイント

練習番号ごとに、ポイントをまとめます。

【A-1】1(1) “Durch”

Allegro molto quasi Prestoと書かれています。Presto(プレスト)というのは「めっちゃ速く!」です。quasiというのは「~のように」みたいな意味なので、「喋るのが大変だから実際にはアレグロでいいけど、雰囲気はプレストでね!」ということだと解釈します。そのため、全曲に渡って喋りに切迫感緊張感が欲しいです。

“schwanken”(揺れる)とか”Wipfel”(梢)のように「ヴ」と発音する音がドイツ語ではとても大切です。なるべく大げさに、しっかり発音してください。

その他、注意すべき単語は以下の通り。

  • “goldener”(黄金の)
  • Strahl”(光)
  • “neblige”(霧深い)…bは「p」で発音
  • “Tal“(谷)
  • “schießt”(差し込む)…伸ばす母音「シースト」
  • “tief”(深い=deep)…伸ばす母音「ティーフ」

「シースト」「ティーフ」は、8分音符で短いのですが、なるべくそういうつもりで言いましょう。

強弱は、5小節目のfに向かってクレッシェンドします。

【A-2】7(7) “tief”

ベースのメロディーがかっこいいので、良い声で入る。

その後、dim.があってppまで収めます。

フレーズ終わりは”Tal”のlをちゃんと言ってから切る。

【A-3】12(12) “Fern”

男声、めっちゃ良い声で入りましょう。

注意すべき単語は次の通り。

  • “hallt”(響く)
  • ruft“(呼ぶ)…ftを拍内でしっかり入れる
  • Rosse”(馬)…しっかり巻く

【A-4】20(20) “es”

まずは内声・外声でタテがそろいます。

その後、4パートがそろうところで一体感、そしてffでもう一発熱く!

同じ言葉を繰り返すところは、2回目、3回目でよりパワーアップするつもりで。

語尾の子音は拍内で。休符ではブレス、その直前にftを入れる約束です。

“in die luft”(空に向かって!)はLuftを強調して歌います。lは舌を前歯の裏にしっかりつけて発音。uは深く。ftを忘れずに

【B-1】29(1) “Bald”

“Bald” 〇〇、”Bald” 〇〇は、「すぐに〇〇、すぐに〇〇」と並列されている構文。次々に丘や湖が眼の前に現れ、また去っていくような疾走感が出せると良さそう。

“schimmernd”(きらめく), “schwindelndem”(目眩するような)の発音しっかりと。

【B-2】35(7) “tief”

メロディー良い声で入る。

フレーズ終わりは、”Flug“(飛翔)のkの発音入れてから音を切る。

【B-3】40(12) “Bald”

“Bald”、”Dunkel“のlをしっかり発音。

【B-4】48(20) “O Lieb'”

“o Lieb’ o Liebe”(おお恋人よ、おお恋人よ)は“o”の感嘆詞を次の”Liebe”に掛けるフレージングで。

4パートそろうところは【A】と同じく。

【C-1】57(29) “Immer”

Klange”(響き)はklの発音しっかり。

【C-2】63(35) “durch”

【A】【B】との違いは以下の通り。

  • 音量…ppでキープ
  • テンポ…しっかりrit.

転調前の大きな区切れ目となります。

【D-1】68(40) “Erquickliche”

ここのppは爽やかに。転調の鮮やかさを感じましょう。

“Erquickliche”(爽やかな)、”Friche”(新鮮な)、”sußchaurige”(ぞくぞくするような、甘美な)、”Lust”(喜び)など、発音もですが、意味も感じ取りながら。

“Erquickliche”はのところは「ヴ」の発音になるので注意。

71(43)小節は全音符ですが、3拍伸ばして1拍休みにします。休みでブレス、その直前にstを入れる約束でお願いします。

“frei”(自由)は、二重母音をうまく利用してスフォルツァンドを作りましょう。

“schlagt die Brust”(胸を打つ)、gtとかstとかの子音大事です。

【D-2】76(48) “Erquickliche”

ここからfで歌います。

79(51)は先程と同様に3拍伸ばす+1拍休符で。

【D-3】84(56) “Erquickliche”

rit.をしっかりめに。フェルマータも長めにとります。

ここで再び力を溜めるイメージで。

【D-4】88(60) “Erquickliche”

92(64)がこの辺りで一番盛り上げたいところです。

【E-1】95(67) “Und”

すばやくテンションを切り替えて。

アルトは「レ♯」の音に注意。

【E-2】101(73) “die Klange”

アルト→テナー→ベースの順に入ります。それぞれかっこよく。

105-106(77-78)は声量が落ちないように伸ばし切る。コードも大事。

109-110(81-82)、楽譜にはありませんが、「終わった感」を出すためにrit.を掛けます。8分音符は分割。