音楽理論

【作り方と使い方】ディミニッシュコード(減三和音)【ベースラインに特徴あり】

ディミニッシュコード
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女の子
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ディミニッシュってどんな和音ですか?教えてください。

こんな疑問に答えます。

ディミニッシュコードは減三和音とも呼ばれる和音で、独特の響きを持っています。

この記事では、

  • ディミニッシュコードの作り方と特徴
  • セブンスの場合はどうなるか
  • どんな場面で使われるか

について譜例と音源を使いながら解説しました。

ディミニッシュは通常の三和音よりも登場頻度は少ないですが、音楽に複雑さを生み出す大事な和音です。

知っていると和音のつながりや仕組みをより深く理解できると思います。

ぜひ最後までご覧ください。

事前に【和音の基本】三和音(トライアド)を解説【メイジャー・マイナーの違い】を復習しておくと理解がはかどると思います。
この先、音が出ます。音量注意です。
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ディミニッシュコード(減三和音)の作り方と特徴【短3度の積み重ね】

和音(Cdim)の説明


  • 根音…「ド」
  • 和音の名前…「Cdim」(シー・ディミニッシュ)
根音…和音の1番下、土台となる音のこと

ディミニッシュコードは3度の音程を積み重ねて作ることができます。

楽譜上ではお団子のように1つ飛ばしで音が並びます。

ポイントは隣り合う音どうしがすべて短3度の音程になっていること。これがディミニッシュコードの特徴です。

結果として根音と第5音の関係が減5度となります。そのためディミニッシュは減三和音とも呼ばれます。

長三和音・短三和音の場合、第5音は完全5度となっていました。そこが大きく違いますね。

聴いてみるとなんだか不気味な感じがします。減5度の音程がこの不気味さの理由です。

ディミニッシュの使い方については記事の後半で解説したいと思います。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
ディミニッシュは音程関係が特徴的です。

【セブンス】第7音を追加したディミニッシュ

長三和音や短三和音では4つ目の音(第7音)をつけ加えることでセブンスコードを作ることができました。

ディミニッシュも同じように考えることで、次の2種類のコードが作れます。

  • ディミニッシュセブンス
  • ハーフディミニッシュ
えすた@指揮者
えすた@指揮者
これら2つには微妙な違いがあるので注目です。

ディミニッシュセブンス(減七の和音)【すべて短3度】

和音(Cdim7)の説明

  • 根音…「ド」
  • 第7音…「減7度」
  • 和音の名前…「Cdim7」(シー・ディミニッシュ・セブンス)

もともとのディミニッシュは短3度の音を3つ積み重ねた和音でした。

さらにもう1つ、短3度の音程で積み重ねたのがディミニッシュセブンスです。

セブンスと言えば普段は根音との音程が短7度になります。

しかしディミニッシュセブンスの場合は減7度(短7度よりもさらに半音狭い)の音程になることに注意しましょう。

音程がすべて短3度ということで、第7音の無いディミニッシュと似た不気味な響きになります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
短3度の音程で4つ音を重ねた和音です。

本によっては単にディミニッシュと言えばこのディミニッシュセブンスのことを指すこともあります。

ハーフディミニッシュ【根音~第7音が短7度】

和音(Cm7♭5)の説明

 

  • 根音…「ド」
  • 第7音…「短7度」
  • 和音の名前…「Cm7♭5」(シー・マイナー・セブンス・フラットファイブ)

「第7音を普段のセブンスのように短7度にしたら?」それがハーフディミニッシュです。

すべてが短3度のディミニッシュセブンスと比べると、やや性格が穏やかな響きになっていますね。

コードネームをつけるときには注意が必要です。今回の場合だとCm7の第5音が半音低い形ということで、Cm7♭5となります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
意外と登場頻度の高い和音です。

ディミニッシュ関連のコードは次のように簡略化した記号で書かれることもあります。

  • Cdim, Cdim7→Co
  • Cm7♭5→Cø

ハーフディミニッシュはディミニッシュを表すoに斜線を入れた記号です。

ディミニッシュコードの使い方【パターン例】

ここからはディミニッシュの使い方の例を解説します。

  • ベースライン上行
  • ベースライン下降
  • 属和音の代わりに使う
えすた@指揮者
えすた@指揮者
よくある具体例を紹介します。

例1. ベースライン上行

ディミニッシュを使った場合

C→Cdim→Dmの進行

ディミニッシュは和音と和音のつなぎ役としてよく使われます。

今回の例ではCとDmという和音を繋いでいます。

ポイントはベースライン(最低音)で、半音ずつ上がって行っていますね。

このようにベースラインがなめらかに繋がることで和音の流れも良くなります。

ディミッシュセブンスを使った場合

C→Cdim7→Dmの進行

ディミニッシュの代わりにディミニッシュセブンスを使った場合はこのようになります。

フラットが入り、より和音の個性がはっきりしたように感じられますね。

また、ベースラインだけでなくソプラノライン(最高音)にも注目してみましょう。

「ド」→「シ♭」→「ラ」という流れで下がってきており、ここにもきれいな流れが生まれています。

例2. ベースライン下降

ハーフディミニッシュを使った場合

ハーフディミニッシュはこんな感じの進行でよく出てきます。

なんとなく聞き覚えがあるのではないでしょうか。

グッと来るような感じ、切なさがありますよね。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
2小節目の「レ」→「ド」→「シ♮」というベースラインの進行に注目です。

例3. 属和音として使う

属九の和音・第1転回形・準固有和音を使った場合

属九減七inG記号では根音省略が表現できてないです…。

合唱の4声帯での使用例です。

和声法の言葉をたくさんつかって呪文みたいになっていますが、要するにディミニッシュセブンスが出てきます。

実はこの進行は「気をつけ、礼!」のピアノの進行を変形したものです。印象が全く違いますよね。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
細かいところはさておき、ディミニッシュセブンスが和音どうしを繋いでいることに注目です。

まとめ:ディミニッシュコードは和音をなめらかに繋げる

まとめです。

ディミニッシュコードは短3度の音程で音を積み重ねることで作ることができました。

第7音を付加する場合は次のように名前が変わります。

  • 減7度…ディミニッシュセブンス
  • 短7度…ハーフディミニッシュ

ディミニッシュは和音同士をスムーズに繋ぎたいときに威力を発揮するコードです。

特にベースラインに注目してみましょう。

(もちろん他にも重要な用法があります。)

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