合唱のパートの名前ってなかなか覚えられませんよね。
そんな方に向けて、この記事では合唱歴10年以上の筆者が分かりやすく解説します。
合唱のパートについて知ると次のようなことが分かるようになります。
- 「今歌っているのがソプラノかな?」
- 「自分はどのパートを歌うのかな?」
もくじ
混声合唱のパートの種類…SATB
それでは早速、合唱のパートの種類について解説していきたいと思います。
合唱は全員が同じ音を歌うのではなく、何人かずつのグループ=パートに分かれて歌うのでした。こちらの記事も合わせてご参照いただければと思います。
パートが違うことによって何が変わるのかというと、歌う音の高さの範囲=音域が変わります。
混声合唱の場合では次の4種類のパートがあります。
ソプラノ | 女声の高い方のパート、略称S |
---|---|
アルト | 女声の低い方のパート、略称A |
テナー(テノール) | 男声の高い方のパート、略称T |
ベース(バス) | 男声の低い方のパート、略称B |
この中で一番高い音を歌うのがソプラノ。そこからアルト、テナー、ベースの順番に低くなります。
パート全体を指すときには、略称を使ってSATB(エス・アー・テー・ベー)と呼ぶことがあります。
この読み方はドイツ語。なんだかかっこ良いですよね。
復習です。
合唱の種類/演奏形態を声で分類した場合には、以下の3種類がありました。
- 女声合唱
- 男声合唱
- 混声合唱
ここではまず混声合唱の場合について説明しましたが、女声合唱や男声合唱についてはこの記事の後半で登場しますので、是非最後までご覧ください。
各パートの音域について詳しく知りたい方はこちらの記事(【詳しく解説】合唱のパートの音域|混声3部合唱(中学生向け)・混声4部合唱)をご参照ください。
また、各パートの役割についてはこちらの記事(【初心者向け】合唱パートの役割を編成別に解説|イメージをつかもう)が詳しいです。
混声四部合唱の場合の楽譜を見てみよう
さて、文章だけだと少しイメージが掴みづらかったかもしれませんので、実際に混声四部合唱の楽譜を見てみましょう。
ここまでのことを思い出しながら見てみてください。
アルファベットで書かれていますが、上から
- ソプラノ
- アルト
- テナー(テノール)
- ベース(バス)
となっているが分かると思います。
もう一か所注目してほしいのがアルトにあるdiv.です。これまで何度か説明に登場していましたが、楽譜に現れるとこんな感じになります。
div.と書かれているところでは音符が2つ重ねて書かれていることが分かると思います。ここでは「アルトパートがハイとローに別れて、2つの音を歌わなければならない」ということですね。
その後に書かれているunis.はユニゾンの意味。これまで別れていたパートに対し、「合流して1つの音を歌って」という指示書きになります。
以前の記事(【はじめてのあなたに】合唱とは?|重唱・斉唱(ユニゾン)との違い)では、「ユニゾンは斉唱のこと(全員が同じ音を歌う)」だと解説しました。
今回の場合はそれとは少々文脈が異なり、「パート単位で同じ音を歌う」という意味合いで使っています。
つまり、合唱全体では4つのパートに別れているけれど、アルトというパートに限れば全員が同じ音を歌っているということです。
このように、部分的に同じ音を歌っている箇所を指して「ここはユニゾンです」と言い表すこともあります。
女声合唱・男声合唱でのパートの種類
ここまでは混声合唱の場合のパートの呼び方を解説してきました。
ここからは女声合唱・男声合唱ではどうなるかに移りたいと思います。
女声合唱の場合
まずは女声合唱ですが、女声合唱は三部合唱のときと四部合唱のときで呼び方が少々変わります。
3つのパートに分かれる三部合唱の場合は次のようになります。
- ソプラノ
- メゾソプラノ
- アルト
混声合唱のソプラノ・アルトの間にメゾソプラノというパートができます。
メゾソプラノを指して、メゾと略称で呼ぶこともあります。
女声合唱の中でも四部合唱、つまり4つのパートに分かれる場合は、
- ソプラノⅠ
- ソプラノⅡ
- アルトⅠ
- アルトⅡ
となることが多いと思います。
男声合唱の場合
続いては男声合唱です。
男声合唱はほとんどの場合四部合唱で、パートは次のような呼び方になります。
- トップテナー(トップ)
- セカンドテナー(セカンド)
- バリトン(バリ)
- ローベース(ローベ)
混声3部合唱でのパートの種類
最後に、中学校などのレパートリーに多い混声3部合唱のパートを紹介しておきます。
- ソプラノ
- アルト
- 男声
【発展】高声・低声・外声・内声とは?
ここからはより実践的な用語を解説したいと思います。
2つ以上のパートをまとめて呼ぶ時に使う言葉です。
実際の練習でもよく使う言葉ですので、慣れておくと役立ちますよ。
女声と男声
まずは女声と男声というまとめ方です。これは分かりやすいですね。
- 女声…ソプラノ・アルト
- 男声…テナー・ベース
高声と低声
次に高声と低声というまとめ方です。
女声・男声それぞれの高い方・低い方という分け方になります。
- 高声(こうせい)…ソプラノ・テナー
- 低声(ていせい)…アルト・ベース
外声と内声
4つパートがある中で、音域の端となるパート(外)と音域の中間となるパート(内)でまとめる方法です。
- 外声(がいせい)…ソプラノ・ベース
- 内声(ないせい)…アルト・テナー
まとめ:合唱パートの種類
合唱におけるパートの解説をしてきました。
押さえておいて欲しいことをまとめます。
- ソプラノ…女声の高い方のパート
- アルト…女声の低い方のパート
- テナー(テノール)…男声の高い方のパート
- ベース(バス)…男声の低い方のパート
その他、合唱パート全般の知識についてはこちらの記事(【まとめ】合唱パートに関する基礎知識・ノウハウ【初心者・PL向け】)にてまとめています。あわせてご覧ください。