こんな疑問に答えます。
結論から言うと「パートの役割はこれ!」ときっちり決まっているものではありません。
曲や場面によっていろいろ変わってきます。
練習の際には「ここでのパートの役割はなんだろう…?」と考える必要があります。
そうすることで楽譜を読む力がアップします。
…とはいうものの「だいたいこんな感じ」という目安もありますので、今回はそれを解説したいと思います。
この記事を読むことで各パートのイメージをつかむことに繋がると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
合唱パートの役割【混声3部合唱の場合】
合唱パートの役割にはだいたいの目安がありますが、編成によっても変わってきます。
まずは中学校で良く歌われる混声3部合唱の場合から見ていきましょう。
【混声3部合唱のパート】
- ソプラノ
- アルト
- 男声
ソプラノ(混3)【主にメロディー】
ソプラノは1番高い音域を歌うパートです。主にメロディーを担当します。
高い音は聞く人に取っても聞き取りやすいからですね。
そのため他の編成でもソプラノはメロディーを担当することが多いです。
その他の役割として「オブリガート」というものがあります。
これは他のパートがメロディーを歌っているとき、それに対してサブのメロディーを歌うことです。
アルト(混3)【ハーモニーの要】
アルトは女声の低い方を歌うパートです。
一番の役割はハモりです。ハーモニーをつくります。
他の役割としては、ソプラノといっしょにメロディーを歌うこともあります。
アルトがいることで合唱の豊かな響きが生まれると言っても過言ではありません。
男声(混3)【場合によっていろいろ】
混声3部合唱では男声は1つのパートとして歌うことになります。
いわば混声4部合唱のテノールとバスをまとめたようなパートなのでいろいろな役割をこなします。
具体的には、次の3つのうちどれかに当てはまることが多いです。
- 男声パートとしてメロディーを歌う
- 内声としてハーモニーを作る
- バスとして全体を支える
合唱パートの役割【混声4部合唱の場合】
次はオーソドックスな混声4部合唱の場合です。
【混声4部合唱のパート】
- ソプラノ
- アルト
- テノールまたはテナー
- バスまたはベース
ソプラノ(混4)【主にメロディー】
ソプラノは混声3部合唱のときと同じく主にメロディーを担当します。
やはり一番高い音が聞こえやすいからですね。
オブリガートを担当することもあります。これも混声3部合唱の場合と同じです。
アルト(混4)【ハーモニーの要】
アルトはハーモニーを担当します。
これも混声3部合唱のときと近い役割です。
テノール/テナー(混4)【メロディー・ハモり両方こなす】
テノールには次の2つの役割をこなします。
- メロディーを歌う(男声の高声としての役割)
- ハーモニーを作る(内声としての役割)
混声4部合唱のテノールは高声・内声両方の性質を兼ねているのでいろいろな役割をこなすことが多くなっています。
バス/ベース(混4)【全体を支える土台】
バスは最も低い音域を歌うパートです。
ハーモニー全体、合唱全体を支える土台となります。
混声3部合唱における男声パートと比べると、ずっと低い音域まで歌うことができるので支える力も強くなっています。
合唱パートの役割【女声3部合唱の場合】
続いては女声3部合唱の場合を解説します。
【女声3部合唱のパート】
- ソプラノ
- メゾソプラノ
- アルト
※女声合唱4部合唱など編成もありますが、各パートの役割としてはほぼ同様になるかと思いますので割愛します。
ソプラノ(女3)【主にメロディー】
まずはソプラノです。
混声合唱の場合と同じく最高音を歌うパートになりますので、メロディーを担当することが多くなります。
メゾソプラノ(女3)【ハーモニーを作る】
メゾソプラノは女声3部合唱においては内声となります。
そのためハーモニーを作る・充実させる役割を主に担います。
アルト(女3)【ハーモニー&土台】
女声3部合唱において、アルトは一番低い音域を担当するパートになります。
そのため次の2つの役割を担当することになります。
- ハーモニーを作る(内声としての役割)
- 全体を支える(外声としての役割)
女声合唱では低音部がやや弱いのでピアノ伴奏がついてサポートする場合も多いです。
そうした場合はアルトは内声的な役割となります。
合唱パートの役割【男声4部合唱の場合】
最後に男声4部合唱の場合を解説します。
【男声4部合唱のパート】
- トップテノールまたはトップテナー
- セカンドテノールまたはセカンドテナー
- バリトン
- バスまたはローベース
男声合唱はほとんどの場合4部合唱で、男声3部合唱のような場合は比較的少ないです(ないわけではありません)。
トップテノール(男4)【主にメロディー】
男声合唱では最高音域を歌うトップテノールが主にメロディーを担当します。
ここまでの編成(混声・女声)ではソプラノが担当してきた役割ですね。
セカンドテノール(男4)【ハーモニーの要】
男声合唱ではセカンドテノールがハーモニーの要です。
混声合唱だとアルト的な役割と言ってもよいでしょう。
バリトン(男4)【ハーモニーを強化&メロディーもこなす】
男声合唱ではセカンドテノールに加えてバリトンも内声を担います。
内声なのでハーモニーに関わることが多いです。セカンドと協力して男声合唱らしい重厚な響きを生み出します。
それに加えて、深みのある声質を生かしてメロディーを担当することも多いと思います。
これは混声4部合唱におけるテノール的な役割と言ってもよいかもしれません。
バス/ローベース(男4)【全体を支える土台】
混声4部合唱のバスと同じく最も低い音域を歌うパートです。
合唱全体をどっしりと支える役割があります。
混声合唱でも男声合唱でも、バスが入ることによって響きが一気に安定します。
まとめ:合唱パートの役割
最後に合唱パートの役割をまとめておきます。
- 1番高い音域を歌うパート(ソプラノ・トップテノール)…メロディー
- 内声となるパート(混声のアルト、セカンドテノールなど)…ハーモニー
- 1番低い音域を歌うパート(女声のアルト、バス)…全体を支える
これらはあくまで目安ということはぜひ覚えておいて欲しいと思います。
最初に言った通り、パートの役割は曲や場面によって次々と変わります。
「今、このパートの役割は何だろう?」と考えることが音楽づくりをする上では大切です。
パートの役割をはじめ、楽譜を読み込んで分析することをアナリーゼと言います。
その他、合唱パート全般の知識についてはこちらの記事(【まとめ】合唱パートに関する基礎知識・ノウハウ【初心者・PL向け】)にてまとめています。あわせてご覧ください。