こんな疑問に答えます。
この記事では混声合唱におけるパートそれぞれの音域について解説したいと思います。
- 混声3部合唱の場合
- 混声4部合唱の場合
これらに分けて解説します。というのも、編成によってパートの音域も変わってくるからです。
パートの音域を知っておくと次のような場面で役立ちます。
- パート分け
- 選曲(難易度の目安が分かる)
- 作曲(無理のない音域で書ける)
これらでお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
合唱パートの音域【混声3部合唱の場合】
まずは「混声3部合唱」の場合について解説していきます。
中学校でよく歌われる編成となっており、次の特徴があります。
- テノール・バスではなく男声(変声期に配慮)
- ソプラノ・アルトともに音域は狭い(難易度に配慮)
これを踏まえた上で詳しく見て行きましょう。
混声3部合唱のソプラノの音域「ミ~ミ」
混声3部合唱のソプラノはこのくらいの音域のことが多いです。
- 最高音…「高いミ」
- 最低音…「低いミ」
最高音に関しては、後で述べる混声4部合唱だと「高いソ~ラ」が標準的ですので、それと比べるとマイルドな印象です。
低い方ではときどき「低いド~レ」が登場することがあります。
この音域を利用しないとメロディーを書くのに不自由することが多いからだと思います。
こういった場合はアルトといっしょに歌っている(ユニゾンとなっている)ことが多いと思います。
低い音が得意なアルトと協力できるので無理なく歌えるよ、という事ですね。
混声3部合唱のアルトの音域「ド~ド」
- 最高音…「高いド」
- 最低音…「低いド」
最高音はソプラノよりもかなり抑えめです。
また、最低音に関してもそれほど低い音は登場しません。
本来アルトは低い音域が得意なパートですが、「ド」より低い音は出にくい人も多いからだと考えられます。
混声3部合唱の男声の音域「レ~レ」
- 最高音…「高いレ」
- 最低音…「低いレ」
男声の音域はこのあたりに収まることが多いと思います。
混声4部合唱の場合なら、テノールならもっと高い音まで、バスならもっと低い音まで歌える必要がありますが、混声3部合唱の場合は多くの人が歌いやすい音域に調整されています。
混声3部合唱は中学生向けの曲が多く、ちょうど変声期に差し掛かる男の子が歌いやすいようにという配慮となっています。
合唱パートの音域【混声4部合唱の場合】
続いては混声4部合唱の場合について解説していきます。
より本格的な合唱形態で、音域も全体的に広くなっています。
音域が広がることでメロディー・ハーモニーの表現の幅が広がります。
混声4部合唱のソプラノの音域「ド~ラ」
- 最高音…「高いラ」
- 最低音…「低いド」
混声3部合唱の場合と比べると音域が広くなっています。
「高いラ」はかなり高い音ですが、そこまでいかずとも「高いソ」くらいなら多くの曲で登場します。
混声4部合唱のアルトの音域「ソ~ミ」
- 最高音…「高いミ」
- 最低音…「低いソ」
混声3部合唱に比べてかなり低い音域まで要求されることが多いです。
混声4部合唱のテノール(テナー)の音域「レ~ラ」
- 最高音…「高いレ」
- 最低音…「低いラ」
ソプラノのほぼ1オクターブ下の音域となります。
混声4部合唱のバス(ベース)の音域「ミ~レ」
- 最高音…「高いレ」
- 最低音…「低いミ」
バスは最も低い音域を担当するパートです。
ヘ音記号の下側ギリギリの音域「ファ~ソ」の音はほとんどの曲で出てくると言ってもよいでしょう。
曲によってはもっと低い音「ド~レ」などが出てくることも多いです。
【補足】メゾソプラノ・バリトンの音域
女声合唱や男声合唱ではさらに細かくパートに分かれて歌います。
混声合唱でも「div./ディヴィジ」があるとパートがさらに分かれて歌うことがあります。
- メゾソプラノ…ソプラノとアルトの間
- バリトン…テノールとバスの間
これらのパートについて補足しておきます。
メゾソプラノ「ラ~ファ」
- 最高音…「高いファ」
- 最低音…「低いラ」
ソプラノとアルトの中間の音域となっています。
バリトン「ラ~ミ」
- 最高音…「高いミ」
- 最低音…「低いラ」
テノールとバスの間の音域となっていますね。
合唱パートの分け方【歌いやすい音域で決めよう】
合唱のパート分けの方法を知りたいという方もいらっしゃると思います。
一番大切なのは「歌いやすい音域で決める」ことです。
まとめ:合唱のパートの音域
合唱のパートの音域に関して次の場合に分けて解説しました。
- 混声3部合唱(中学生向け)
- 混声4部合唱
表でまとめておきたいと思います。
混声3部合唱の場合(ソプラノ・アルト・男声)
パートの名前 | 音域 |
ソプラノ | |
アルト | |
男声 |
混声4部合唱の場合(div.の一例)
パートの名前 | 音域 |
ソプラノ | |
メゾソプラノ | |
アルト | |
テノール | |
バリトン | |
バス |
SSATBBの意味を補足しておきます。
- S…ソプラノ
- S…メゾソプラノ
- A…アルト
- T…テノール
- B…バリトン
- B…バス
パートの音域について知っておくメリット
パートの音域について詳しく知っていると、次の場面でメリットがあります。
- パート分け
- 選曲(難易度の目安が分かる)
- 作曲(無理のない音域で書ける)
パートの知識をより深めたい方はこちらから
その他、合唱パート全般の知識についてはこちらの記事(【まとめ】合唱パートに関する基礎知識・ノウハウ【初心者・PL向け】)にてまとめています。あわせてご覧ください。