こんな方に向けた記事です。
合唱の練習では、きちんとポイントを押さえておくことが肝心です。
この記事では合唱曲『Let’s Search for Tomorrow』の歌い方のコツについて、合唱歴10年以上・合唱指揮者歴5年以上の筆者が詳しく解説します。
この記事を読みながら練習に取り組めば、確実にワンランク上の演奏を目指すことができるはずです。
もくじ
『Let’s Search for Tomorrow』の練習番号
まずは楽譜に以下の練習番号を書き込みましょう。
- 【A】6小節~
- 【B】16小節~
- 【C】24小節~
- 【D】34小節~
- 【E】42小節~
- 【F】50小節~
練習番号は曲全体の構成をつかむ上で大切です。「【A】は静かな場面だな」とか、「【C】では盛り上がるんだな」といったことが分かりやすくなります。
また、練習をする際にも、「今日は【B】から始めます!」といった指示出しがしやすくなります。
『Let’s Search for Tomorrow』の歌い方のコツ
ここからは練習番号に沿って解説していきます。
【A】ユニゾンをしっかりまとめよう
6小節目の合唱が歌い出すところを【練習番号A】としました。
最初のフレーズは全員が同じ音を歌うユニゾンとなっています。ユニゾンでのポイントは以下の通り。
- 同じ音になるようしっかり合わせる
- 伸ばす音符の長さをそろえる
- 休符の場所を守る
また、次のフレーズは特に注意が必要です。
- ”さがそう”
- ”このひろい”
- ”みんなで”
これらに共通するのはやや高い「ド」の音が登場すること。ここで音(ピッチ)がばらけやすいです。
最高音をしっかりイメージするときれいに歌いやすくなります。
【B】サビに向かうクレシェンドを作ろう
16小節目~【B】です。Bメロ的な部分で、サビへの繋ぎの役割もあります。
ポイントは【C】に入る2小節前のクレッシェンド(だんだん強く)です。
ここで次のfに向かって音楽を盛り上げていきましょう。
【C】3パートによるハーモニーを美しく響かせよう
24小節目~【C】です。ここからサビですね。
女声のパートにdiv.(ディヴィジ/分かれて歌う)の記号がつけられており、ここから3パートが別々の音を歌うことにないります。
パート数が増えることでハーモニーが一気に豊かになります。
お互いの音を聴き合いながら美しいく響かせましょう。
アカペラ(ピアノ伴奏無し)で練習するのも大変効果的です。
【D】pはこの曲のボトム。繊細に歌おう
34小節目~【D】です。
音量はp(ピアノ/小さく)となっていて、この曲全体を通して1番小さい場面(=ボトム)となっています。
繊細に、やや声をひそめて歌うような工夫をしても良いと思います。
ここで思い切って小さく歌ことで「cresc. poco a poco(クレッシェンド・ポーコ・ア・ポーコ/少しずつだんだん大きく)」がより効果的になり、【E】との違いがいっそう引き立ちます。
【E】再度のサビ。音量記号にも注意
42小節目~【E】です。再度のサビで非常に盛り上がる場面です。
基本的には【C】と同じです。今回は音量記号をについて触れてみます。
ポイントは次の特殊な記号。
- piu f…27小節、45小節
- f sempre…49小節
piu f(ピウ・フォルテ/fよりも強く)
fをさらに強調するような意味いです。
音量的にもそうですが、より輝きを増した声で歌えると良いと思います。
f sempre(フォルテ・センプレ/ずっとfで)
最後の繰り返しに対してつけられています。
最後まで息切れせず、豊かな音量を保って欲しいというような意図が感じられます。
【F】堂々と曲を締めくくろう
50小節目~【F】です。やや中途半端ですがここから練習することは多くなると思いつけました。
最後だけあってポイントが多いです。
- ”せかいで”のアクセント感
- ”Ah”のハーモニー
- allarg.の表現
特にallarg.(アラルガンド)は聞かせ所です。
意味としては「cresc. + rit.」とよく説明されます。つまり「強くしながらテンポをゆっくりにする」ということですね。
ここでは「最後のクライマックスとして堂々と、しっかりタメて歌い上げる」というイメージでとらえると良いと思います。
まとめ:強弱変化をとらえてドラマのある音楽を作ろう
ポイントを振り返っておきます。
- 【A】ユニゾンをしっかりまとめよう
- 【B】サビに向かうクレシェンドを作ろう
- 【C】3パートによるハーモニーを美しく響かせよう
- 【D】pはこの曲のボトム。繊細に歌おう
- 【E】再度のサビ。音量記号にも注意
- 【F】堂々と曲を締めくくろう
全体として強弱記号の意味・意図をしっかりとらえることがポイントとなります。
- どこがクライマックスか
- そこが静かな場面か
- 場面どうしの繋ぎをどうするか
これらを意識して練習するととてもドラマチックな演奏になると思います。