合唱曲の詳しい解説

『水底吹笛』(大岡信/木下牧子)の魅力!|神秘的な透明感を持つ大曲

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こんにちは!

今回は大岡信作詩・木下牧子作曲、混声合唱組曲《方舟》より『水底吹笛』について解説していきたいと思います!

曲調や難易度、曲の魅力・鑑賞のポイント、演奏・練習のポイントなどついて深堀りしていきます。

この曲を知らなかった人、これから聴いてみたい人、これから歌ってみたい人のお役に立てば幸いです。

それではどうぞ!

『水底吹笛』ってどんな曲?

まずは『水底吹笛』という曲について、「この曲知らない!」「初めて知った!」という人のために、作詩者・作曲者、難易度、曲調についてざっくりと紹介します。

作詩は大岡信、作曲は木下牧子

『水底吹笛』は全4曲からなる混声合唱組曲《方舟》の1曲目。

作詩は大岡信、作曲は木下牧子になります。

難易度は…中級~上級

『水底吹笛』の難易度は、中級~上級程度です。

まず曲の規模が大きく(演奏時間 ca.6’30″)音を取り切るだけでも結構大変です。

divisiも多いですしね。

また、曲の長さに伴い、全体的な音楽の流れを構成する点でも難しさが出てきます。

テンポ変化が頻繁にあるので各場面の整合性を取るのに苦労しそうです。

曲調は…神秘的な透明感を持つ曲

『水底吹笛』は神秘的な透明感を持つ曲です。

セブンス、メイジャーセブンスを中心とした現代的な和声と、ピアノパート高音で奏でられるフレーズのきらめきがその要因でしょうか。

『水底吹笛』の魅力について語る!

続いては『水底吹笛』という曲を、「聴いたことある!」「これから聴く!」という人に向けて、曲の魅力や鑑賞のポイントについて語っていきたいと思います。

ピアノパートのきらめき

曲調のところでも触れましたが、ピアノパート高音部のきらきらとしたフレーズがなんとも魅力的。

水底で上を見上げると水の揺らめきに反射した光が降ってくる、そんなイメージがありありと浮かびますね。

3連符が多く使われており、きらめきやゆらめきの表現に一役買っています。

速まる水流、深まる色彩、移り変わる温度感

中間部のテンポが速くなる部分では、それまでのゆったりとたゆたうような雰囲気から変化していきます。

16分音符が主として使われ、水の流れがさらさらと速まるのを感じます。

調性の面でもは今までより♭が多く使われています。

そのため色彩的にはより深く、温度感は冷たくなっています。

不意を突いたような”飄々”としたエンディング

『水底吹笛』の曲の閉じ方は、曲全体の壮大な規模に対して非常にシンプルなものです。

前半のメロディーが再現されたかと思うと、それがこだまのように繰り返され、フェードアウトするように終わります。

不意を突いたような、文字通り”飄々”としたエンディングです。

それまで♭系の和音がメインで使われていたのに対し、急に#系の和音が登場するのも効果的ですね。

ピアノパートの後奏にさりげなく用いられるDis音(レ#)が神秘的なアクセントになっています。

まとめ:『水底吹笛』(大岡信/木下牧子)

それではまとめです!

《方舟》より『水底吹笛』でした。

神秘的な透明感が特徴的な曲でした。

水の揺らめき、光のきらめき、推移していく流速感・色彩感・温度感など描写が豊かです。

今回はここまで。お読みいただきありがとうございました!