筒井雅子

【ポイント解説】合唱曲『あなたへ』アルトパートの歌い方とコツ

あなたへアルトのコツ
女の子
女の子
『あなたへ』のアルトパートを練習しています。気をつけたらよいこと、歌い方のコツを教えてください。

こんな疑問に答えます。

合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。

この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『あなたへ』のソプラノパートの歌い方のコツについて解説しました。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
コンクール受賞歴のある筆者が「間違いない」ポイントを解説します。
教育芸術社「混声合唱曲集クラス用 キミウタ」に収録されている楽譜を参考にし、本文中で歌詩などを引用する場合には「””」で示しています。

合唱曲『あなたへ』アルトパートの歌い方とコツ

では早速見ていきましょう。楽譜に記載されている練習番号をもとに進めます。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
楽譜に書き込みながら読むと効率的にポイントを学べますよ。

【練習番号A】他のパートと違う動きをアピールしよう

5小節目~【A】となっています。Aメロの部分です。

ポイントは他のパートと違う動きをする部分です。例えば”しろいつばさで”というフレーズの”つばさで”と繰り返す部分などですね。

  • 「ここは目立つんだ!」という気持ちを持つ
  • メロディーの流れを引き継ぐ
  • 子音を強調して聞く人の耳を引きつける

このようなことを意識してみましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
アルトのアピールポイントです。

【練習番号B】ソプラノと同じ音をチェックしよう

21小節目~【B】です。サビ的な部分1回目となっています。

21~24小節の4小節間を見てみましょう。ここでチェックして欲しいのはソプラノと同じ音はどこかということです。

  • 前半の2小節…すべて同じ音(ユニゾン)
  • 後半の2小節…同じ音とハモる音が混在

特に後半は要注意で、ハモったり同じになったりしていることが分かります。

ハモる部分ももちろん大切なのですが、同じ音になった部分を意識しておかないとソプラノと合流した時に音が合わず、違和感が大きくなります。

同じ音はぴったり同じにするのが合唱のコツです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
リズムが細かいのでゆっくり練習するのも有効です。

【練習番号C】低い音は全体を支えるライン

29小節目~【C】となっています。Aメロの繰り返し、2番となっています。

このフレーズの後半、37~44小節目を見てみましょう。アルトの音はピアノの左手の音と重なっている部分が多くなっています。

つまりこれは低音部で合唱全体を支えるラインとなっているということが言えると思います。

やや音域が低く出しにくいかもしれませんが、ハーモニーを充実させるために大切な役割となっています。

主役のメロディーの後ろでバックコーラスのようなイメージです。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
『あなたへ』のアルトパートはピアノパートの左手と同じ音を歌う場面が多いです。

【練習番号D】強弱をソプラノに合わせよう

45小節目~【D】です。2回目のサビですね。

今回は49~50小節の”Ah”(ヴォカリーズと言います)に取り組んでみましょう。

ポイントは強弱です。

  • mf(メゾフォルテ/少し強く)
  • <(クレッシェンド/だんだん強く)
  • >(デクレッシェンド/だんだん弱く)

この強弱の変化はソプラノと息を合わせて行いましょう。そうすると一体感のある効果的な表現となります。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
主役である男声のメロディーを聴きならが歌うことも忘れないようにしましょう。
強弱記号に関してはこちらの記事(【まとめ】音楽の強弱記号を解説|クレッシェンド/piu・menoなど網羅)にて詳しくまとめています。

【練習番号E】16分音符で遅れないようにしよう

53小節目~【E】です。サビの繰り返しとなっています。

”いやされなくなるひは”というフレーズを見てみましょう。”なくなる”は次のようなという形になっています。

16分休符+16分音符

こういった部分はテンポに遅れやすいです。気持ち早めに歌う(食いつく、と言います。)ことを意識しましょう。

同時に、男声とタイミングを合わせることも重要です。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
16分休符+16分音符のリズムは遅れやすい、ということを覚えておきましょう。

【練習番号F】高音に注意!ソプラノとしっかりユニゾンにしよう

61小節~【F】です。サビの繰り返しで、一番盛り上がる部分ですね。

転調してイ短調へ、全音分高くなっています。

そのためアルトの人にとってはやや苦しい音域もありそうです。

特に気をつけたいのは61~62小節の間です。ここはソプラノとユニゾンとなっています。

ユニゾンの箇所でピッチが合わないと次のようなことが起きます。

  • 音がにごる(汚くなる)
  • f(フォルテ/強く)の迫力が失われる

高い音ですが、しっかりソプラノと同じ音になるようにピッチをキープしましょう。

えすた@指揮者
えすた@指揮者
盛り上がる場面ですが、お互いの声を聴き合うことも忘れずに。

【練習番号G】「ド」のロングトーンが和音の要(かなめ)

69小節目~【G】です。さらなるサビの繰り返しと曲の締めくくりの場面です。

一番最後、”Ah”で歌うクライマックス部分ではアルトの「ド」の音が重要な役割を担っています。

一見、ずっと同じ音で伸ばしていてつまらないようですが、和音全体の要(=土台)となる音です。

低くて大きな声は出しにくいかもしれませんが、なるべく充実した響きで合唱全体を支えましょう。

  • アルトパートの中で音を一つにまとめる
  • ピアノの左手の音を聴いて合わせる
  • 和音全体に声を溶けこませる

これらのポイントを合わせて意識して歌うと美しいハーモニーに整います。

和音の作り方に関してはこちらの記事(【合唱のコツ】きれいなハーモニーの作り方【3つの練習法を紹介】)も合わせてご覧ください。

まとめ:合唱曲『あなたへ』アルトパートの歌い方とコツ

まとめです。

『あなたへ』アルトパートのコツ
  • 【練習番号A】他のパートと違う動きをアピールしよう
  • 【練習番号B】ソプラノと同じ音をチェックしよう
  • 【練習番号C】低い音は全体を支えるライン
  • 【練習番号D】強弱をソプラノに合わせよう
  • 【練習番号E】16分音符で遅れないようにしよう
  • 【練習番号F】高音に注意!ソプラノとしっかりユニゾンにしよう
  • 【練習番号G】「ド」のロングトーンが和音の要(かなめ)

全体練習での歌い方・コツについてもまとめています。こちらの記事(合唱曲『あなたへ』歌い方のコツ/指揮・伴奏のポイント|合唱指揮者が解説します)をご覧ください。

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