ト音記号は読めるけどヘ音記号は読めない、そんな方は多いと思います。
この記事ではヘ音記号の読み方のコツや、ト音記号との関係などを詳しく解説しました。
図解を豊富に使っているので初心者の方にも分かりやすいと思います。
男声パートの人は自分のパートがピアノで弾けるように読めるようになっておきましょう。
女声パートの人もヘ音記号を読めるようにしておくと、より美しいハーモニーを作り上げることに役立ちます。
練習問題も用意したのでトライしてみてください!
もくじ
ヘ音記号の読み方とコツ
ヘ音記号はト音記号よりも低い音域を表すときに使う記号です。
合唱においては主にバス、場合によってはテノールがヘ音記号で表されます。
まずはヘ音記号の読み方を押さえましょう。
ヘ音記号の「ドレミファソラシド」
ヘ音記号の五線譜に「ドレミファソラシド」を書き込んでみました。
これを覚えてしまえば基本的なヘ音記号の読み方はバッチリです。
ヘ音記号は「ファ」の位置を決める
そもそもヘ音記号とは「ヘ音を決める記号」という意味です。
ヘ音というのは「ドレミファソラシド」の「ファ」のこと。こちらの図をご覧ください。
ヘ音記号の
- うずまきの中心
- 点と点の間
を通る線がちょうど「ファ」の音になっていることが分かると思います。
このように、「五線譜のどの高さが何の音か?」を決める記号を音部記号と言います。
という疑問を持つと思います。
ヘ音というのは「ハニホヘトイロハ」の「ヘ」。これは「ドレミファソラシド」の日本語での呼び方になります。
対応関係は次の表のとおりです。
イタリア語 | ドレミファソラシド |
---|---|
日本語 | ハニホヘトイロハ |
ドイツ語 | CDEFGAHC |
英語 | CDEFGABC |
ヘ音記号を読むコツ
という方に向けて、
- 覚え方のコツ
- 高い音を読むコツ
- 低い音を読むコツ
を解説したいと思います。
覚え方のコツ
まずはヘ音記号の「ドレミファソラシド」を覚えるコツを解説します。
- 「ドミソ」+高い「ド」に絞って覚える
- 「ドミソ」+高い「ド」から隣にたどる
ことで早く覚えられます。
最初の「ドミソ」は一つ飛ばしです。すべて線と線の間に書かれていることも手掛かりになります。
高い「ド」は五線から1本分飛び出した位置です。
次に「ドミソ」+「ド」からとなりに音をたどることで他の音を読むことができます。
高い音を早く読むコツ
ヘ音記号の高い音を読むコツを解説します。
ポイントは高い「ド」から一つ飛ばしで数えることです。
- 「ド」の線から一つ飛ばし…「ミ」
- 「ド」の線から一つ飛ばし×2回…「ソ」
- 「ド」の線のとなり…「レ」
- 「ミ」のとなり…「ファ」
とに考えると早く読むことができます。
低い音を早く読むコツ
今度は逆に低い音を早く読むコツです。
考え方は同様です。今回は低い「ソ」の位置を覚えて、そこから一つ飛ばしで「ソミド」と数えてみましょう。
「ソ」の位置は一番下の線です。
- 「ソ」の線から一つ飛ばし…「ミ」
- 「ソ」の線から一つ飛ばし×2回…「ド」
- 「ソ」の線のとなり…「ファ」
- 「ミ」のとなり…「レ」
合唱の場合バスパートでは、低い「ソ」「ファ」はよく登場しますので、低い「ファ」の位置を覚えてしまっても良いと思います。
ヘ音記号・ト音記号の関係
ヘ音記号の高音域はト音記号の低音域と重なります。
テノールの人はこのあたりの音域を良く担当するので覚えておくと役立つと思います。
#(シャープ)・♭(フラット)がついたときの読み方
ここからはヘ音記号に#(シャープ)・♭(フラット)がついたときの読み方を解説します。
#(シャープ)・♭(フラット)がついたときの読み方
ヘ音記号の場合でもシャープ・フラットの意味はト音記号のときと全く同じです。
- シャープ…半音上がる
- フラット…半音下がる
#(シャープ)・♭(フラット)のつく順番
調号は複雑そうに見えますが、シャープとフラットがつく順番は決まっています。
これはト音記号でもヘ音記号でも同じです。
- シャープ…ファドソレラミシ
- フラット…シミラレソドファ
の順番でつきます。
ヘ音記号になったからと言って特別なことはありません。
ヘ音記号と調号
ヘ音記号に調号がついたときにどうなるか、具体的に見ていきましょう。
#(シャープ)系の調
#の数 | 調号 | 長調/短調 |
0 | ハ長調/イ短調 | |
1 | ト長調/ホ短調 | |
2 | ニ長調/ロ短調 | |
3 | イ長調/嬰ヘ短調 | |
4 | ホ長調/嬰ハ短調 | |
5 | ロ長調/嬰ト短調 | |
6 | 嬰へ長調/嬰二短調 | |
7 | 嬰ハ長調/嬰イ短調 |
♭(フラット)系の調
♭の数 | 調号 | 長調/短調 |
0 | ハ長調/イ短調 | |
1 | ヘ長調/ニ短調 | |
2 | 変ロ長調/ト短調 | |
3 | 変ホ長調/ハ短調 | |
4 | 変イ長調/ヘ短調 | |
5 | 変ニ長調/変ロ短調 | |
6 | 変ト長調/変ホ短調 | |
7 | 変ハ長調/変イ短調 |
【練習問題】ヘ音記号を読んでみよう
最後のヘ音記号を使った楽譜を読む練習をしてみましょう。
楽譜に「ドレミ」を書き込んだり、ピアノで弾いたりしてみてください。
音源も用意したので参考にどうぞ。
練習問題1.ハ長調/4拍子
まずは基本のハ長調(#♭なし)の問題です。
練習問題2.ニ短調/3拍子
ややレベルアップした問題です。
ニ短調にしてみました。調号の♭と臨時記号の♯に注意して弾いてみましょう。
【参考】もう一つの音部記号「ハ音記号」
音部記号として、この記事のテーマである「ヘ音記号」、そしてよく使われる「ト音記号」はすでにご存じだと思います。
せっかくなのでもう一つ、「ハ音記号」を紹介しておきます。
「ハ音記号」は記号の位置の違いでこの2種類が良く使われるようです。
合唱ではめったに使われることはありませんので、無理に覚えなくても大丈夫です。
まとめ:ヘ音記号の読み方・コツ
まとめです。
ヘ音記号の読み方はこの図の通りでした。
- 点と点の間が「ファ」の音であること
- 「ドミソ」+「ド」から数えると読みやすい
こともあわせて覚えておくと役に立ちます。
繰り返し練習してヘ音記号の楽譜がスラスラ弾けるようになりましょう!
楽譜の読み方に関しては【詳説】楽譜の読み方完全ガイド【初心者~上級者まで必見】でまとめていますので、あわせてご覧ください。