こんな疑問に答えます。
和音の構成音を見分ける方法は次の3ステップです。
- 重複している音を省いて1つにする
- 1つ飛ばしになるように並べ替える
- 1番下の音から根音、第3音、第5音、第7音…となる
このやり方で大体の和音を見抜くことができます。
この記事ではイメージしやすいように具体例を使って解説しました。
和音に詳しくなると合唱の練習でハーモニーを整える際にも役立ちます。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
【3和音の場合】根音(ルート)の見分け方
まずは3和音の場合を例に解説します。この手順が基本になります。
- 重複している音を省いて1つにする
- 1つ飛ばしになるように並べ替える
- 1番下の音から根音、第3音、第5音となる
手順1. 重複している音を省いて1つにする
まず重複している(ダブっている)音を見つけ、それを省きます。
今回はソプラノとバスの「ド」の音が同じなので、ソプラノの音だけを残します。
1つだけしかない音(アルトの「ミ」、テノールの「ソ」)は残しましょう。
手順2. 1つ飛ばしになるように並べ替える
次に音を並べ替えます。
今回の場合は次のようにしています。
- ソプラノの「ド」を1オクターブ下へ
- アルトの「ミ」はそのまま
- テノールの「ソ」を1オクターブ上へ
オクターブ移動させても和音の種類は変わりません。
手順3. 1番下の音から根音、第3音、第5音
並び替えた後、次のように見分けます。
- 第5音…1番上の「ソ」
- 第3音…真ん中の「ミ」
- 根音…1番下の「ド」
今回は根音が「ド(=C)」の明るい和音なのでコードネームはC(シー・メジャー)ということも分かります。
【4和音以上の場合】根音(ルート)の見分け方
ここまでは基本編でした。続いてはもう少し難しい和音を例に解説します。
これができれば実践で和音を見分けることも簡単にできようになります。
手順は以下の通り。3和音の場合と変わりません。ただし「2. 1つ飛ばしになるように並べ替える」で少し注意が必要です。
- 重複している音を省いて1つにする
- 1つ飛ばしになるように並べ替える
- 1番下の音から根音、第3音、第5音、第7音…となる
手順1. 重複している音を省いて1つにする
まずは重複している音を見つけて省きますが、今回はみんな違う音ですね。
このような場合はすべての音を残しておきましょう。
手順2. 1個飛ばしになるように並べ替える
次に並び替えを行います。
今回の場合は次のようにして、低い方に集めました。
- ソプラノの「ド♮」を1オクターブ下へ
- アルトの「ラ」を1オクターブ下へ
- テノールの「レ」を1オクターブ上へ
- バスの「ファ♯」はそのまま
ここでも3和音のときと同じように音が1つ飛ばしになるように並べ替えるのがポイントです。
4和音の場合は並び替えのときに注意が必要です。
この図の場合は「ド♮」と「レ」の音が1つ飛ばしでなく隣どうしになっています。
この形だとうまく根音を見分けられません。
手順3. 1番下の音から根音、第3音、第5音、第7音…となる
並べ替えが済んだらあとは見分けるだけです。1番下の音が根音となります。
- 第7音…低い方から4番目の「ド♮」
- 第5音…低い方から3番目の「ラ」
- 第3音…低い方から2番目の「ファ♯」
- 根音…低い方から1番目の「レ」
コードネームとしてはD7となります。
【より複雑な和音】根音(ルート)の見分け方
最後に難しい例を取り上げます。
手順はこれまでと同じです。
- 重複している音を省いて1つにする
- 1個飛ばしになるように並べ替える
- 1番下の音から根音、第3音、第5音、第7音…となる
並べ替えた結果がこちらです。
- 第9音…「ファ」
- 第7音…「レ」
- 第5音…「シ♭」
- 第3音…「ソ」
- 根音…「ミ♭」
コードネーム的にはE♭M7(9)となります。
裏技的な根音の見分け方【3つ】
やや裏技的な方法を3つ紹介しておきます。
使うには経験が必要ですが、これらを知っておくと素早く根音などを見抜くことができます。
- 最低音=根音(のことが多い)
- ハモった感覚で見分ける
- 作曲家の特徴で見分ける
裏技1. 最低音=根音(のことが多い)
1番低い音が根音であることは多いです。
ただ、そうでないパターンも当然ありますので使い方には注意が必要です。
裏技2. ハモった感覚で見分ける
慣れてくると、ハモったときに「あ、今自分は第3音を歌っているな」という感覚が分かるようになってきます。
普段から気をつけていると段々とつかめてきますよ。
裏技3. 作曲家の特徴で見分ける
作曲家ごとに和音の配分(どの音をどこに配置するか)の好みやクセがあります。
普段からそういったことに目を配っているとある程度パターンがつかめてきます。
まとめ:根音を見分けるには並べ替えがキモ
手順を振り返っておきます。
- 重複している音を省いて1つにする
- 1個飛ばしになるように並べ替える
- 1番下の音から根音、第3音、第5音、第7音…となる
この手順で多くの和音の根音などを見分けることができます。
今回は図を使って解説しましたが、何度もやっていると頭の中で音を並べ替えて見分けられるようになってくるはずです。
「どれが根音か?第3音か?」ということが見分けられるとハーモニーを整える練習でも役立ちますのでぜひマスターしてください。