合唱曲の詳しい解説

『ほたるは星になった』(矢澤宰/萩原英彦)を解説|燃える命と私の心

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こんにちは!

今回は矢澤宰作詩・萩原英彦作曲、《光る砂漠》より『ほたるは星になった』を紹介します。

曲調や難易度、曲の魅力・鑑賞のポイント、演奏・練習のポイントなどを解説しています。

この曲を知らなかった人、これから聴いてみたい人、これから歌ってみたい人のお役に立てば幸いです。

それではどうぞ!

『ほたるは星になった』ってどんな曲?

まずは『ほたるは星になった』という曲について、「この曲知らない!」「初めて知った!」という人のために、作詩者・作曲者、難易度、曲調についてざっくりと紹介します。

作詩は矢澤宰、作曲は萩原英彦

『再会』の作詩は矢澤宰、作曲は萩原英彦

全9曲からなる混声合唱組曲《光る砂漠》の5曲目です。

難易度は…中~上級

『ほたるは星になった』の難易度は、中~上級です。

全体的に転調や複雑なハーモニーが多くなっています。

ピアノパートとのアンサンブルもやや難しく、それに加えて場面ごとの表現力が要求される曲です。

曲調は…燃える命の輝きと主人公の心の動きがテーマ

『ほたるは星になった』は燃える命の輝きと主人公の感動をテーマにした曲です。

ほたるの生命は短く、儚いもの。しかしこの詩や曲に悲壮感はありません。

生を美しく謳歌するほたるの姿が力強く描かれます。これがテーマのひとつ。

そして、その場面を目にする主人公。

瑞々しい感性による心の動きがもうひとつのテーマです。

『ほたるは星になった』の魅力について語る!

続いては『ほたるは星になった』という曲を、「聴いたことある!」「これから聴く!」という人に向けて、曲の魅力や鑑賞のポイントについて語っていきたいと思います。

目の前に広がる”ほたるの宴”

曲はdeclamando(デクラマンド/語るように)から。物語の始まりです。

”宴があった”の和音の進行では、「真っ暗闇の中、突如として光に満ちた光景に遭遇した」ようなイメージの広がりと驚きがあります。

こんな進行。

G7 → C#7

増音程の進行で、まさに不意打ちのような印象となります。

セブンスコードの進行感が宴の世界へと誘っているようです。

幻想的な光の明滅

続くフレーズでは和音の使い方が非常に特徴的。長調と短調が交互に登場します。

光が灯り、消え、また灯り、そしてまた消え…という光の明滅が表現されているようです。

暗闇に広がる波紋と感情の震え・高まり

Andanteの間奏部分はピアノパートが同じ音を叩き続けます。

”ほたるの宴”から一気に暗転し、暗い水面に波紋が広がっていくようです。

続くフレーズから、主役がほたるからそれを見ていた主人公へ移ります。

2度でぶつかったまま高まっていくメロディーによって感情の震えと高まりが表現されます。

草むらを抜けた先には…セブンスの期待感

音楽はCalmato(カルマート/落ち着いて)へ

”河面に散った”ほたるを見届けたことで高ぶった感情を、いったん落ち着ける場面です。

虚しい心持ちになり、引き揚げようとしたのかもしれませんね。

河原に生い茂る草むらを潜り抜けてゆきます。

その先で見たのは…? セブンスの和音のロングトーンが期待感を高めます。

歌詩に先立ってピアノパートが情景を描写。星空の前にしばし無言

草むらを抜けた先には何が…? その答えを歌詩より先にピアノパートが描写します。

満点の星空を前に、しばし言葉を失ったのかもしれませんね。

まとめ:『ほたるは星になった』(矢澤宰/萩原英彦)

それではまとめです!

《光る砂漠》より『ほたるは星になった』でした。

ほたるの生命の物語、それを目撃した主人公の心の動きが核となった作品でした。

情景の光と闇、主人公の瑞々しい感受性が鮮やかに表現されています。

今回はここまで。お読みいただきありがとうございました!。