合唱の基礎知識

【はじめてのあなたに】合唱とは?|重唱・斉唱(ユニゾン)との違い

合唱とは
  • 「合唱って何? どんな感じ?」
  • 「重唱とか斉唱とはどう違うの?」
  • 「合唱にはどんな魅力があるの?」
  • 「合唱にはどんな曲があるの?」

こんな方に向けた記事になります。

はじめまして! 合唱歴10年超、合唱オタク(主に楽譜が好き)のえすたと申します。

一緒に合唱について学んでいきましょう!

この記事で分かること
  • 合唱がどんな音楽かが分かる
  • 合唱・重唱・斉唱の違いが分かる
  • 合唱ならではの魅力が分かる
  • 合唱にはどんな曲があるのか分かる

今回の記事では

  • 「これから合唱を始めようかなと思っている方」
  • 「合唱を始めたばかりの方」

の役に立つような内容をまとめました。

ぜひ最後までご覧ください。

合唱とは? 重唱・斉唱(ユニゾン)との違い

そもそも合唱とはどんな音楽なのでしょうか?

「分かってるよ!」

という方も多いかもしれませんが、あたらめて確認しておきましょう!

合唱とは? ポイントは3つ!

合唱とは、一言でいうと

「複数の人が複数のパートに分かれて歌う音楽」

です。

ポイントは次の3点になります。

  1. 複数人でやること
  2. 複数のパート(=役割)に分かれていること
  3. 声で歌うこと

つまり、「何人かが集まってできたグループ(=パート)があり、そのグループがさらに集まって合唱をする」というイメージとなります。

なので、

一人では合唱とは言えない

一つのパートでは合唱とは言えない

楽器だけでは合唱とは言えない

ということになります。

重唱・斉唱(ユニゾン)との違い

合唱と似た言葉として「重唱(じゅうしょう)」や「斉唱(せいしょう)」があります。

これらはいずれも歌う音楽を分類する言葉です。合唱との違いは何でしょうか?

  • 重唱…各パートを担当すのは1人ずつ
  • 斉唱…パートが1つだけ

合唱ではいくつかあるパートを複数人で担当します。1パートに対して2人以上必要ということですね。

それに対し重唱では1パートをひとりで担当します。例えば4パートある場合には、全体で4人ということですね。

重唱は合唱の中の特別な場合と考えても良いと思います。

斉唱はユニゾンとも言います。これはパートが一つだけの形です。つまり歌う人全員で1つのパートを担当するということになりますね。

よく使う言葉ですので覚えておきましょう!

ちなみに、パートが1つ、担当する人も1人の場合はどうなるでしょうか。一人だけで歌うのだから、これは独唱ですね。いわゆるソロです。

合唱の魅力とは? 3つ紹介

ここまで、合唱がどんな音楽形態なのか分かっていただけたかと思います。

続いては、そんな合唱の持つ魅力について紹介していきたいと思います!

合唱の魅力は本当にたくさんあるのですが、その中でも特に「合唱ならでは」というものを3つピックアップしてみました。

  1. ハーモニー
  2. 歌詩
  3. 声を合わせて歌うこと

それぞれ解説していきます!

合唱の魅力1.ハーモニー

魅力の1つ目は「ハーモニー」です。

「ハモるのが好き!」という人も多く、合唱の魅力と聞いて一番最初に思い浮かぶのはこれですね。

さきほど「合唱はパートに分かれて歌う」と説明しました。

パートに分かれてそれぞれが違う音を歌うことで、美しい響き(=ハーモニー)が生まれます。

歌声と歌声の調和、それがハーモニー。

合唱団全体の人数が増えてくると重厚で迫力のあるハーモニーが生まれてきます。

逆に少人数だと繊細で心洗われるようなハーモニーになります。

これもまた合唱の魅力です。

大人数、少人数それぞれに魅力があります。

合唱の魅力2.歌詩

合唱の魅力2つ目は「歌詩」です。言葉を歌えることが良いところ。

器楽(楽器だけで演奏する音楽)には無い点だと思います。

音だけでなく、言葉を味わえる、言葉を表現できるのが合唱の魅力ですね。

合唱曲では、歌詩に詩人(たとえば谷川俊太郎さん)の作品が使われることが多く、文学的な側面も楽しめます。

私は合唱を通じて詩の良さにも気が付きました。

合唱の魅力3.声を合わせて歌うこと

魅力3つめは「声を合わせて歌うこと」です。

そもそも「歌うこと」それ自体が大変に楽しいことです。

これは色々な娯楽が溢れている現代において、依然としてアーティストの歌や、カラオケに人気があることからも分かると思います。

そして「多くの人で声を合わせて」という点が合唱ならではになります。

「声を合わせて歌う」と一人で歌うのとはまた別の楽しさ、素晴らしさが体験できるんですね。

何というか、心震えるというか、そんな感動があります。

私が「声を合わせて歌うこと」の楽しさを知ったのは木下牧子さんの『鴎』という曲をはじめて歌った時でした。

合唱にはどんな曲がある? 本当に色々あります

合唱にはどんな曲があるのでしょうか?

合唱で歌う曲というと多くの人がイメージするのが、

  • 小・中学校で歌ったもの(入学式、卒業式、合唱コンクール)
  • ベートーベンの第九(年末によく聞く)

ではないかと思います。

これらも確かに合唱の曲ではありますが、全体から見ればほんの一部分でしかありません。

他にはどんな曲があるのか、作曲家ベースで簡単に紹介したいと思います。

本当にたくさんあるんですよ!

ちょっとマニアックな内容なので、「ふーん」という感じでご覧ください!

国内の作曲家による作品

いわゆる邦人作品です。代表的なの作曲家をざっと挙げてみました。本当は他にもたくさんの作曲家がいらっしゃいます。

  • 信長貴富(のぶながたかとみ)
  • 木下牧子(きのしたまきこ)
  • 松下耕(まつしたこう)
  • 千原英喜(ちはらひでき)
  • 松本望(まつもとのぞみ)
  • 上田真樹(うえだまき)
  • 高嶋みどり(たかしまみどり)
  • 新実徳英(にいみとくひで)
  • 三善晃(みよしあきら)
  • 髙田三郎(たかたさぶろう)

※敬称略

合唱と言うとなんとなくクラシックなイメージで、古い曲が多そうと思われるかもしれません。

しかし実は今現在でもたくさんの作曲家が活躍しており、毎年のように新しい曲が生まれています。

海外作曲家による作品(現代)

国内に現在活躍中の作曲家がいるのと同様、海外にも合唱作品を手掛ける作曲家はたくさんいます。

日本でも良く歌われる作曲家を挙げてみました。

  • ラター(イギリス)
  • ウィテカー(アメリカ)
  • ブスト(スペイン)
  • ミシュキニス(リトアニア)
  • ジェンジェシ(ハンガリー)
  • アントニーニ(スイス)
  • キンタナ(アルゼンチン)
  • カヤビャブ(フィリピン)

知っている範囲でいろいろな国の作曲家を挙げてみました。

合唱のイベントなどで訪日されるような方もいます!

「あの作曲家がいないじゃんかよ!」と思われたそこのアナタ。すみません、紹介しきれなくて…。

海外作曲家による作品(クラシック)

いわゆるクラシックのジャンルになる作曲家の作品です。

最初に例を出したベートーベンの『第九』や、他にはオルフの『カルミナ・ブラーナ』マーラーの『復活』などが挙げられます。

  • ジョスカン・デ・プレ(16世紀 フランス)
  • パレストリーナ(16世紀 イタリア)
  • モンテヴェルディ(17世紀 イタリア)
  • バッハ(18世紀 ドイツ)
  • メンデルスゾーン(19世紀 ドイツ)
  • ブラームス(19世紀 ドイツ)
  • プーランク(20世紀 フランス)

参考文献:皆川達夫(1965年).『合唱音楽の歴史 改訂版』

音楽室に肖像が飾られているタイプの方々です。ルネサンス以前はクラシックとは言えないかもしれませんが…。初心者のうちはあまり聞いたり歌ったりしないかも。

まとめ:【はじめての合唱】合唱とは?

それではまとめです!

合唱初心者の方にこの記事で覚えていただきたいのは次の内容です。

合唱とは?
  • 複数人で、パートに分かれて歌う音楽が合唱
  • ユニゾンは全員同じ音を歌う
  • 合唱の魅力はハーモニー、歌詩、声を合わせること
  • 国内外、時代ごとに色々な曲がある

いかがだったでしょうか。

これにて

  • これから合唱を楽しむ準備

は完了です。

次回以降の記事では、

  • これから合唱に詳しくなる準備

をしていきましょう!