もくじ
riten.の読み方と意味
【riten.】
・読み方…リテヌート
・意味…ただちに遅く
riten.はテンポを遅く変化させる記号。書いてある場所ですぐにテンポを落とします。
アウフタクトでタメを作るときにも使われます。
似た記号との違い
rit.
【rit.】
・読み方…リタルダンド
・意味…しだいにゆっくりと
rit.もテンポを遅くする記号です。
riten.は記号が書かれたところですぐに遅くしますが、rit.の場合はある程度の時間を掛けて少しずつテンポを落とすところが違います。
また、rit.はどちらかとフレーズの終わりに向けて、少々エネルギーの減衰が伴うことも多いのですが、riten.にはそのようなニュアンスはあまりありません。
meno mosso
【meno mosso】
・読み方…メノ モッソ
・意味…以前より遅く
meno mossoもテンポを遅くする記号です。
riten.は部分的なテンポ変化を示し、しばらくするとa tempoでもとのテンポに戻ります。
一方meno mossoは継続してテンポを落としたいときや、以前より遅いテンポ設定にしたいときに使われます。
関係の深い記号
a tempo
【a tempo】
・読み方…ア テンポ
・意味…もとの速さで
riten.とあわせてよく使われる記号がa tempoです。
riten.で遅くしたテンポをもとに戻す指示に使われます。
組み合わせて使われる記号
molto riten.
【molto】
・読み方…モルト
・意味…非常に、いっそう
moltoは一緒に使われる記号の意味を強める効果があります。
molto riten.ならば「十分にriten.して」という意味になります。
また、「riten. – – – molto」というふうに表記し、最初は普通のriten.で、途中からその度合を強めるような指示がされることもあります。
poco riten.
【poco】
・読み方…ポーコ
・意味…少し
pocoは組み合わせて使われた記号の意味を弱めます。
なのでpoco riten.は「少しだけriten.して」という意味になります。
pochissimo riten.
【pochissimo】
・読み方…ポキッシモ
・意味…pocoの最上級（＝ほんのわずかに）
～issimoはイタリア語の最上級形を作ります。
pochissimoはpocoの最上級。pocoは少しでしたので「ほんのわずかにriten.して」という意味になります。
歌い方のコツ
riten.では音楽に急ブレーキがかかりますので、突っ込みすぎないよう指揮をよく見て合わせる必要があります。
あらかじめriten.の記号に◯をつけるなど、分かりやすくする工夫をしても良いかもしれません。
指揮の振り方のコツ
riten.はテンポに関わる記号ですが、音にタメが加味されることも多いです。
そのような場合は単に図形をゆっくりにするだけでなく、少し重たい音をイメージして、腕も重く見せるようにすると良いかもしれません。
たっぷりと、充実した音のイメージしましょう。
