こんな疑問に答えます。
調の考え方は難しくて分かりにくいですよね。苦手な人も多いと思います。
そこで今回の記事では調の意味を分かりやすく説明したいと思います。
ポイントは次の2つ。これらが決まると調が決まります。
- 音階(おんかい/音の階段の並び方)
- 主音(しゅおん/階段のスタート地点)
初心者の方でもイメージがつかみやすいよう、なるべくかみ砕いて楽譜と音源も使いながら解説します。
調に関する考え方が理解できると音楽の見え方が違ってきます。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
調の名前の意味【階段の並び方とスタート地点】
調が何かを理解するためには言葉の意味を知るのが良いと思います。
例としては「ハ長調(はちょうちょう)」や「ニ短調(にたんちょう)」です。聞いたことがあると思います。
これらの名前は次の2つを表しています。
- 音階(おんかい/音の階段の並び方)
- 主音(しゅおん/階段のスタート地点)
例1. ハ長調の意味
例としてハ長調の意味を考えてみましょう。
「ハ」と「長」に分解します。
- ハ=「ド」の音からスタート
- 長=明るい音階
このような意味になります。
例2. ニ短調の意味
ニ短調の場合です。
- ニ…「レ」の音からスタート
- 短…暗い音階
ハ長調の「ハ」やニ短調の「ニ」は「ドレミファソラシ」の日本語での言い方です。
調を言い表すときは日本語のほか、ドイツ語や英語も使うことがあります。
まとめると以下の通りです。
イタリア語 | ドレミファソラシ |
---|---|
日本語 | ハニホヘトイロ |
ドイツ語 | CDEFGAH |
英語 | CDEFGAB |
とてもややこししいですね。
ひとまずこの記事では日本語(ハニホヘトイロ)で調の名前を言い表すことにします。
調が表すもの1. 音階【長音階と短音階】
音の階段の並び方のことを音階(おんかい)と言います。
音階には大きく分けて次の2つがあります。
- 長音階(ちょうおんかい/明るい音の並び方)
- 短音階(たんおんかい/暗い音の並び方)
これらを実際に聴いてみましょう。
長音階を聴いてみる
聴いてみると明るい印象を受けると思います。これが長音階です。
短音階を聴いてみる
先ほどとはうって変わって暗い印象を受けると思います。これが短音階です。
ト音記号の右側にフラットが3つついていることが分かります。これを調号(ちょうごう)といいます。
調号がつくことで、スタート地点の音である「ド」は同じまま、暗い音階に変化させることができました。
調が表すもの2. 主音【音階のスタート地点】
先ほどの例では、どちらも「ド」の音から音階が始まりました。
音階のスタート地点の音のことを主音(しゅおん)と呼びます。
主音は「ド」以外の音にすることもできます。
「ド」からスタートする長音階
先ほど例として出した音階です。
明るい印象なので長音階が使われていることが分かりますね。
また「ド」からスタートしているので、主音は「ド」ということになります。
合わせて考えると、この調は「ハ長調」であることが分かります。
「ソ」からスタートする長音階
スタート地点を「ソ」にしてみました。
全体の音の高さは変わりましたが、先ほどと同じ明るい音階であることが感じられると思います。
「ソ」の音から始まる長音階なので、「ト長調」であることが分かります。
「ト長調」では「ファ」に♯が付いていることに注目です。
参考:「ファ」に♯がなかった場合
もし調号をつけなかった場合にはどうなるかを聴いてみましょう。
途中までは良い感じでしたが、最後のところが普段と違う感じになりました。
このような音階にも名前がついており、今回の場合は「ミクソリディア旋法」という教会旋法の一種となります。
音階と旋法は、厳密には違うかもしれませんがここではだいたい同じ意味に捉えてもらって大丈夫です。
このような「普段とちょっと違う感じ」を上手く使った曲もたくさんあります。
「ソ」からスタートする短音階
先ほどは「ソ」からスタートする長音階だったのですが、短音階をスタートさせることもできます。
シャープの代わりにフラットをつけることで暗い印象になりました。
「ソ」から始まる短音階なので、「ト短調」となります。
まとめ:調では音階と主音がポイント
まとめです。次の2つが決まると調が決まることを覚えておきましょう。
- 音階…音の階段(長音階と短音階)
- 主音…階段のスタート地点
例としては以下の通り。
- ハ長調…「ド」から始まる明るい音階
- ト短調…「ソ」から始まる暗い音階
音階と主音の組み合わせでいろいろな調が作れます。
実際に楽譜を見て調を見分けるためには、
- どちらの音階か?
- どの音が主音か?
が分かればOKということになります。
その他の記事は【まとめ】音楽の調・調性を詳しく解説|基礎~応用まで分かる記事からどうぞ。