こんな疑問に答えます。
合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。
この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『あなたへ』のソプラノパートの歌い方のコツについて解説しました。
もくじ
合唱曲『あなたへ』ソプラノパートの歌い方とコツ
それでは解説していきたいと思います。
『あなたへ』のソプラノパートは難しい箇所も多いですが、頑張っていきましょう!
【練習番号A】低いところはアルトと協力しよう
5小節目~【A】となっています。Aメロ的な部分と言ってもよいでしょう。
ここでは”しろいつばさで”など、とても低い音が出てきます。特にソプラノの人は声が出にくいと思います。
この部分ではアルト・男声とユニゾン(同じ音で歌う)となっていることに注目しましょう。アルトの人と協力し合えば低い音も歌い切れると思います。
ソプラノの人は”つばさ”の”さ”のように音が上がったところ(跳躍があるところ)で逆にアルトの人をサポートしましょう。
【練習番号B】”ん”の響きをキープしよう
21小節目~【B】となっています。サビ的なメロディーですね。何度も出てくるフレーズとなっています。
27小節目の”かなしみをしったぶん”という歌詩に注目してみましょう。注意して欲しいのは”ん”です。
このメロディーの中で1番高い音となっていて重要な音なのですが、”ん”という歌詩は声が響きにくい音です。
そのため何も意識せずに歌うと、そこだけ音量が小さくなってしまいメロディーの良さが失われてしまいます。
なのでこの”ん”は他の場所よりも意識的に響かせるように気をつけましょう。
【練習番号C】メロディーの跳躍をクリアしよう
29小節目~【C】です。【A】の繰り返しのフレーズで、2番の歌詩となっています。
【C】後半のメロディー、”すさんだこころにささったのは”に注目してみましょう。
”ささったのは”で大きく音が飛ぶ(跳躍する)フレーズがありますね。
跳躍をうまく歌うために次のコツを意識してみましょう。
- 上がった先の高い音をしっかりイメージすること
- 高い音が歌えるよう体の準備(ブレスを深く取るなど)しておくこと
”ささったのは”というフレーズでは低い音も高い音も重要な音です。
- 低い方の”さ”…単語の頭なので言葉を伝えるため
- 高い方の”さ”…魅力的なメロディーラインにするため
このようなことが理由です。
【練習番号D】音量に注意!素早く切り替えよう
45小節目~【D】となっています。2回目のサビですね。
ここでは”Ah”(ヴォカリーズと言います。)の部分を練習してみましょう。
ポイントは強弱記号。次のようなことが読み取れます。
- 女声…mf(メゾフォルテ/少し強く)→サブの役割
- 男声…f(フォルテ/強く)→主役
女声にはクレッシェンド・デクレッシェンド(<>)の記号も書かれています。それぞれだんだん大きく、だんだん小さくという意味です。しっかり表現しましょう。
ポイントとなるのはデクレッシェンドの後です。ここからは女声もfとなり、ソプラノが主役のメロディーを担当します。この切り替えを素早く行いましょう。
【練習番号E】オブリガートではバランスに注意
53小節目~【E】です。オブリガートが登場します。
オブリガートは音域的にソプラノの人が担当することになると思います。
そうすると、ソプラノの歌詩を歌う人の人数が減ってしまいますよね。
ですがこちらのメロディーも相変わらず重要なので、弱くなりすぎてしまわないよう音量に注意が必要です。
【練習番号F】最高音は無理のない発声で
61小節~【F】です。サビの繰り返しですが、ここから転調して全音上がっています(イ短調)。
音が高くなっているので”Ah”の最高音「ソ」が非常に高くなっています。
このあたりの音域では歌うのがかなり苦しくなってくる人も多いと思いますが、無理せずに歌って欲しいと思います。
高音は時間をかけてトレーニングすることでだんだんと出せるようになっていきます。
今時点でどうしても難しい場合は()内の音符を歌いましょう。
【練習番号G】臨時記号に注意しよう
69小節~【G】です。最後の繰り返しですね。
一番最後の”Ah”の部分を見てみましょう。ここでは臨時記号のついた「ミ♭」が難しいです。
自信を持って歌えるように何度も練習しておきましょう。
まとめ:合唱曲『あなたへ』ソプラノパートの歌い方とコツ
最後にまとめです。
- 【練習番号A】低いところはアルトと協力しよう
- 【練習番号B】”ん”の響きをキープしよう
- 【練習番号C】メロディーの跳躍をクリアしよう
- 【練習番号D】音量に注意!素早く切り替えよう
- 【練習番号E】オブリガートではバランスに注意
- 【練習番号F】最高音は無理のない発声で
- 【練習番号G】臨時記号に注意しよう
全体練習の歌い方・コツについてもまとめています。
こちらの記事(合唱曲『あなたへ』歌い方のコツ/指揮・伴奏のポイント|合唱指揮者が解説します)をごらんください。