合唱曲の詳しい解説

岡田暁生著・西洋音楽史―「クラシックの黄昏」 を紹介します

okada_akeo_music_history
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは!

今回は岡田暁生著・『西洋音楽史―「クラシックの黄昏」』という本を紹介します。

合唱に携わる者として、西洋音楽の歴史はざっくりとでいいから分かっておきたいもの。

そう思って手に取った本書はとても良い本でした。

私が思う本書の良いところは次の3点です。

  1. 1冊で音楽史全体の流れが分かる
  2. 歴史の前後関係が分かる
  3. 歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる

それでは解説していきます!

読もうと思った理由:音楽史を絡めて合唱を語れるようになりたい

まずは、本書『西洋音楽史―「クラシックの黄昏」』を手に取った理由から。

きっかけとしてはこのブログそのものです。

ゆくゆくは「ドイツの合唱曲を年代順に紹介!」のみたいな記事を書きたいと思っているんですよね。

ただ、現状の私が持てる知識量ではどうにも心もとない。

そこで、本の一冊でも読んでおくか~という訳なのです。

この本を読むことで、

  • 音楽史の流れを理解する
  • 音楽史の中における合唱音楽の立ち位置について物が言える

という風になれたらいいな、と思い読み始めました。

この本の良いところ①:1冊で音楽史全体の流れが分かる

さてここからは、内容に触れながらこの本の良いと思う点について紹介していきたいと思います。

まずは良いところ1点目は「1冊で音楽史全体の流れが分かる」ということです。

『西洋音楽史―「クラシックの黄昏」』で扱う範囲は、グレゴリオ聖歌、中世音楽、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、第1次大戦前後、20世紀の音楽まで。

西洋音楽の源流である「グレゴリオ聖歌」から始まり、私たちの生きる20世紀、そしてポピュラー音楽も絡めて解説されています。

そのため、これ1冊を読むだけで音楽史の大きな流れが把握できるようになっています。

これが良いところ1つ目です。

この本の良いところ②:歴史の前後関係が分かる

「1冊で音楽史全体の流れが分かる」ことに加えて「歴史の前後関係が分かる」のも本書の良いところです。

歴史には因果関係があります。音楽史においてもしかり。

でも、歴史の勉強をしていると「あれ、なんでこんな流れになってるんだっけ?」ということってありませんか?

この本では「こんな背景があり」「こんな出来事があり」「こんな変化が起きた」という前後関係が非常に良く整理され、丁寧に説明されています。

なので私のようなあまり歴史が得意でない人間でも迷子にならずに読み進めることができました。

「歴史の前後関係が分かる」ことが本書の良いところ2つ目です。

この本の良いところ③:歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる

この本の良いところ③は「歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる」ことです。

この時代は〇〇派というように、音楽は歴史の中でどんどんそのスタイルを変化させてきました。

本書では音楽の変化の歴史的な背景・要因が詳しく解説されています。

音楽の変化に関しては、記譜法、旋律、和声やそれら相互の関係性について具体的に述べられています。

実際にその時代の曲も豊富に紹介されていますので、聴きながら読み進めると「なるほどなるほど!」となること請け合いです。

というわけで、この本の良いところ③は「歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる」でした。

音楽史を絡めて合唱を語れるようになったか?

さて、もともと私がこの本を読もうと思った理由は「音楽史を絡めて合唱を語れるようになりたい」ということでした。

実際どうだったのでしょうか?

私の感想としては…「とても役に立ちそう!」です。

この本の良いところ③で触れたように、本書は「歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる」ように書かれています。

そのため、例えばある時代の楽曲に取り組むときも「こういう時代背景があったからこんな風に演奏しよう」と、説得力のある指示が出せそうです。

また、本書では西洋音楽の源流である「グレゴリオ聖歌」からお話が始まります。

加えてルネッサンス時代の音楽についても解説が詳しいです。

この時代、器楽があまり活躍しないからか、他の本だと「ボリュームが少なめ!」という感想を抱くこともままありますよね。

この時代の解説が詳しいのは合唱関係者としてはうれしいところです。

というわけで合唱関係者にもおすすめの1冊となっています。

まとめ:”音楽を歴史的に聴く楽しみ”を知ろう!

それではまとめです。

私が考えるこの本の良いところは次の3点でした。

  1. 1冊で音楽史全体の流れが分かる
  2. 歴史の前後関係が分かる
  3. 歴史的な背景と音楽書法の関係が分かる

合唱に取り組む人にとっても興味深く、役に立つ内容になっているかと思います。

ちなみに前書きでは、著者がこの本で一番伝えたいことについて触れられています。

それは、

音楽を歴史的に聴く楽しみ

ということです。

この点、私自身も大きく共感しました。

「音楽なんて、聴いて・歌って楽しければそれで良い」という考え方もあると思います。

それはそれで、そんなに悪いことだと思いません。

しかし一方で、知識としての歴史的背景と、実体験として今この場で聴いている音楽が結びつくことで得られる知的高揚感、というのも音楽の魅力だと私は思うのです。

「この音楽はこういった時代背景のもとで書かれた、なのでこういったサウンドなんだ、なるほど!」というようような感じです。

合唱に取り組まれている方も、単に「聴いていい曲!」「歌って楽しい!」というだけでなく、「合唱を歴史的に聴く・歌うこと・楽しむこと」も是非できるになっていただきたいなと思います。

というか、私がそうなっていきたいです。

興味を持たれた方は、是非手に取っていただければと思います。

今回はここまで。それではまた!