こんな疑問に答えます。
合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。
この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『あなたへ』の男声パートの歌い方とコツについて解説しました。
もくじ
合唱曲『あなたへ』男声パートの歌い方とコツ
それでは早速ポイントを解説していきます。練習番号に沿って進めます。
【練習番号A】男声だけのフレーズでアピールしよう
5小節目~【A】となっています。
ここでは男声だけが動くフレーズでアピールすることを考えましょう。
- ”せかい”
- ”Hm”
- ”たびだつ”
このような箇所が例として挙げられます。
なんとなく歌うのではなく「少し目立たせよう!」という気持ちを持って歌うことが大切です。
【練習番号B】メロディー意識を持って歌おう
21小節目~【B】です。
【B】の前半はソプラノ、後半は主に男声がメロディーを担当しています。
メロディーを担当するフレーズでは主役の意識を持ち、一歩前へ出て歌うようなイメージを持ちましょう。
メロディーのパート、それ以外のパートを意識できると音楽に立体感が生まれます。
【練習番号C】細かい和音の変化を感じ取ろう
29小節目~【C】です。Aメロの繰り返しで、2番の歌詩となっています。
”ひとをうらやんだりもしたさ”というフレーズに注目してみましょう。矢印(→)がついているのでメロディーですね。
ポイントは”したさ”の”さ”。♯がついている音です。
ここで「ソ→ファ#」と音が変わることで和音が完成します。短い音ですがこの変化を良く感じ取りましょう。
【練習番号D】2分音符は大きなフレーズ感で
45小節目~【D】です。2回目のサビですね。
”にくしみでぐち”というフレーズに注目してみましょう。
- 女声…16分音符主体の細かいリズム
- 男声…2分音符主体の大きなリズム
男声はフレーズを大きくとらえ、なめらかに歌ってみましょう。
これにより女声のフレーズとの違いが引き立ち、対比が生まれます。
【練習番号E】歌詩を伝える工夫をしよう
53小節目~【E】です。サビの繰り返しとなっています。
ここでは歌詩を伝える工夫が大切です。次のような伝わりにくい言葉が出てくるからです。
- ”へだてる”
- ”なくなるひは”
このようなハ行(はひふへほ)は聞いている人からすると「?」となってしまうことが良くあります。
さらに、言葉を強調して発音すると”(決然と)”と書かれているような雰囲気を出すこともできます。
【練習番号F】拍子に注意!瞬時に切り替えよう
61小節目~【F】です。ここからイ短調に転調し、いっそう盛り上がります。
【G】の直前から男声がメロディーを担当します。
ここでは拍子の変化(4/4→2/4)に気をつけましょう。短い拍子になることで「いきなり感」があるからです。
逆い言うと、ここで遅れずにしっかり入ることができれば「切迫感」のような新たな魅力が生まれます。
【練習番号G】臨時記号に注意しよう
69小節目~【G】です。曲を締めくくる場面ですね。
一番最後の”Ah”(ヴォカリーズと言います)では次の2点がポイントです。
- 臨時記号がついた音「♭シ」…不安定にならないよう注意
- 最後の音「ド」…アルトと同じ音にそろえる
この場面は音量がff(フォルティッシモ/とても強く)で、熱く歌うべき場面です。
しかし同時に聴き合うことは忘れていは行けません。忘れるとハーモニーや響きが濁り、雑な印象で曲を終えることになってしまいます。
まとめ:合唱曲『あなたへ』男声パートの歌い方とコツ
まとめです!
- 【練習番号A】男声だけのフレーズでアピールしよう
- 【練習番号B】メロディー意識を持って歌おう
- 【練習番号C】細かい和音の変化を感じ取ろう
- 【練習番号D】2分音符は大きなフレーズ感で
- 【練習番号E】歌詩を伝える工夫をしよう
- 【練習番号F】拍子に注意!瞬時に切り替えよう
- 【練習番号G】臨時記号に注意しよう
全体練習での歌い方・コツについてもまとめています。こちらの記事(合唱曲『あなたへ』歌い方のコツ/指揮・伴奏のポイント|合唱指揮者が解説します)をご覧ください。