「クラスで歌える合唱曲を知りたい!」
という方に向けて、中学生・高校生向けの合唱曲を集めました。今回は第7弾。
合唱歴10年以上で、パートリーダー、指揮者歴もある私えすたが全曲解説させていただきます!
- 『地球の詩』
- 『Beautiful Days』
- 『若い翼は』
- 『少年時代』
- 『心に海を』
これら5曲を、
- 難易度…歌唱・伴奏・指揮の難しさ、作り込みのやりがい
- ドラマ性…ダイナミクスの幅、劇的な展開などがあるか
- キャッチーさ…メンバーが好きになって一生懸命歌ってくれるか
という3つの項目で評価させていただきました。
さらに「どんな音楽を目指せるか?」「どんな音楽を作っていけるか?」という非常に重要なポイントに関してもコメントしています。是非ご参考にされてみてください。
それではいってみましょう!
もくじ
『地球の詩』(混声二部/三浦真理 作曲)
壮大な雰囲気の短調。
女声より男声が分かれることの多い珍しい編成の曲となっています。
『地球の詩』の評価と理由
- 難易度…
- ドラマ性…
- キャッチーさ…
『クラス合唱曲集 Super Chorus』の表記上は混声二部合唱となっていますが、実質的には混声四部合唱と思った方が良いでしょう。
男声がdivisi(分かれて歌う)部分がちょくちょくあります。
またクライマックスのf部分では1小節以上にわたるロングトーンが。コードも印象的な響きでなかなかドラマチックですね。
短調(暗い曲調)ということもありキャッチ―さをやや低く採点しましたが、カッコ良い曲なので好きな人も多いかと思います。
『地球の詩』で目指せる音楽
語るような部分と歌い上げる部分のコントラストを打ち出せるように練習してみましょう。
歌い出しから31小節目男声の「しんじあいゆめみて」までは語る部分、そして「さあうたおう」からは歌い上げる部分と思ってみてはいかがでしょうか。
歌い上げる部分ではロングトーン(伸ばす音)で音が弱くならないよう、また短くならないようにしっかりとブレスを取るのがポイントです。
二拍三連(三連符)が早くなってしまわないようにも注意です。
『Beautiful Days』(混声二部/加賀清孝 作曲)
優しく語り掛けるようなメロディーと、それに重なる対旋律(サブのメロディー)が美しい曲です。
『Beautiful Days』の評価と理由
- 難易度…
- ドラマ性…
- キャッチーさ…
繰り返しが一度しかないので短めとなっています。
二部合唱ですので難易度的にも低め。
ここはユニゾン、ここはずれる、ここはハモりと区別できれば早いうちに歌えるように名でしょう。
優しいテンポ感とメロディーで、大変親しみやすい作品です。歌詩も分かりやすいですね。
『Beautiful Days』で目指せる音楽
この曲で最も印象的なのは歌詩で歌うメインのメロディーと、「ルルル」「ラララ」で歌うサブのメロディーの絡み、その巧みさです。
基本的に主役となるのは歌詩の方なので、「ルルル」担当のパートはメインを引き立たせるように歌いましょう。
具体的には音量を抑えめ、レガートに(なめらかに)歌い、主旋律をかき消さないように配慮するが大切です。
逆に主旋律のパートは主役である意識を持って、ややしっかりめに歌いましょう。(ただしレガートさは失わない方が良いでしょう。)
『若い翼は』(混声三部/平吉毅州 作曲)
曲の冒頭は三連符が流れる穏やかな音楽ですが、中間部では一転厳しいリズム感、短調への転調と激しい展開が待っています。
『若い翼は』の評価と理由
- 難易度…
- ドラマ性…
- キャッチーさ…
全体的な三連符のリズム(時に16分音符)が難しく、慣れるまで時間を要しそうです。
またハーモニー的には半音階が多用されており、その点でも難しいです。
中間部からの激しい展開が『若い翼は』の真骨頂ともいえる部分でしょう。激しいリズムに複雑な和音進行が伴い、劇的な音楽となっています。
『若い翼は』で目指せる音楽
リズムの激しさはしっかりと表現しながら、歌詩が埋もれないようにしっかりと伝えましょう。
かなりメッセージ性の強い内容となっていると思います。力強いですね。
音が低かったり、ピアノがかなり鳴らしてくるので言葉を伝えるにはかなりエネルギーを割く必要がありそうです。
『少年時代』(混声三部/岡部栄彦・大熊崇子 編曲)
ポピュラーの編曲もの。
ゆったりとして優しいハーモニーが癒されますね。
『少年時代』の評価と理由
- 難易度…
- ドラマ性…
- キャッチーさ…
原曲の雰囲気を生かしたアレンジとなっており、多くの部分でユニゾン、もしくはニ声・三声でのハモりとなっています。
大きなドラマはありませんが、穏やかで安心するようなサウンドとなっています。
『少年時代』で目指せる音楽
ゆったりとしたテンポ感と暖かなハーモニー、懐かしい歌詩をしっとりと表現できる曲となっています。
アレンジがシンプルな分、ハーモニーの精度を高めておかないと聴かせ所が難しくなってしまいます。
ゆっくりとしたテンポで、アカペラで歌ってみると和音を良く感じ取りながら練習できると思います。
『心に海を』(混声三部/大熊崇子 作曲)
アップテンポで非常にさわやかな曲です。
長めの音符の伸びやかなメロディーと、短い音符の畳みかけるようなリズムの対比が面白いですね。
波がうって、引いて、またうって…そんなイメージに聞こえませんか。
時折短調系の和音も差し挟まれていて、懐かしさも感じられますね。
『心に海を』の評価と理由
- 難易度…
- ドラマ性…
- キャッチーさ…
テンポが速いのですが音やリズムはあまり捻ったところがなく、素直な感じなので比較的早く慣れていけるかと思います。
部分的に男声がdiv.し、混声四部になる部分があります。普段よりは難しいですが、その分充実した響きとなりますね。
『心に海を』で目指せる音楽
全体としては快速な、伸びやかな演奏を目指しましょう。
ブレスをたっぷりと取って、フレーズ感を長く、あまり途切れ途切れにならないように歌うのがポイントです。
長い音符・短い音符のリズムの対比もこの曲の面白いところなので、その点も思い切って表現できると良いでしょう。
4分音符や2分音符などはたっぷりとレガートに、8分音符やシンコペーションしているリズムはややアタック感を持たせて弾むように歌ってみるのも良いと思います。
まとめ:【中学・高校】クラス合唱曲紹介7
それではまとめです!
- 『地球の詩』
- 『Beautiful Days』
- 『若い翼は』
- 『少年時代』
- 『心に海を』
「この曲、良さそう!」という作品が見つかりましたら是非歌ってみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう!