こんな疑問に答えます。
合唱の練習をする際にはきちんとポイントを押さえることが大切です。闇雲に練習してもレベルの高い演奏には繋がりません。
この記事では合唱歴10年以上のノウハウをもとに『虹』の男声パートの歌い方とコツについて解説しました。
もくじ
合唱曲『虹』アルトパートの歌い方とコツ
それでは早速ポイントを解説していきます。練習番号に沿って進めます。
【イントロ】男声とソプラノから音を引き継ごう
『虹』では冒頭で5小節分の前奏があり、ピアノだけでなく合唱パートも活躍します。
ここでのアルトのポイントは男声とソプラノから音を引き継ぐことです。
楽譜を見ると次のようになっています。
- 男声の「ド」→アルトの「ド」
- ソプラノの「♭シ」→アルトの「♭シ」
男声とは同じタイミングで「ド」を歌い、音が上がったところではソプラノが切れた瞬間にアルトが「♭シ」を歌います。
パートが移り変わるときに同じピッチの音になっていないと違和感が出てきてしまいます。
そうならないために、アルトの人は直前のパートが歌う音をよく聴いておいて歌い出しましょう。
【練習番号A】ユニゾン&ハモりを意識しよう
6小節目から【A】でAメロの部分ですね。
ここではどこがユニゾンなのか、どこがハモっているかを意識しておきましょう。
具体例を挙げてみます。
- ”ひろがるそらに ぼくはいま”…ユニゾン
- ”おもいはせ”、”はだのぬくもりと”…ハモり
ユニゾンでは全く同じ音を歌いますので、ソプラノの歌声もよく聴いてぴったりとそろえましょう。
一方でハモりの部分では、どんなハーモニーとなっているのか感じながら歌うのがポイントとなります。
【練習番号B】臨時記号の歌い出しをよくねらおう
13小節目~【B】となっています。Aメロの繰り返しですが、掛け合いによって変化がつけられています。
【B】最初のフレーズでは「男声→アルト→ソプラノ」の順番で”きらめく”~と歌いますが、アルトの入りの音で注意が必要です。
臨時記号つきの音(「♭レ」)となっているので、事前に音を頭の中に思い浮かべてから歌い出しましょう。
そうしないと音を外してしまうおそれがあります。
【練習番号C】アルトが主役のメロディーを印象的に
21小節目~【C】です。Bメロ的な部分で、サビへ向かって盛り上げていく役割もあります。
アルトの見せ場は27小節目のメロディー、”こわれないように”ですね。
ポイントは次の3点です。
- 自信を持って入る
- mpの表現
- 言葉を伝える工夫をする
まず前提として自信を持ってしっかり入らなければいけません。アルトしか歌わないですが、頼りない印象にならないようにしましょう。
その上でmp(メゾピアノ/少し弱く)の表現を行います。直前のクレッシェンドで十分に大きくしておくと、ここでの対比がつけやすくなります。
最後に、音量は小さめでも言葉が伝わるように工夫が必要です。”こわれない”の語頭のk子音を立てると効果的です。
【練習番号D】他のパートと違う動きを主張しよう
30小節目~【D】です。いよいよサビの部分です。
ここではアルトが他のパートと違う動きとなっている部分が大切です。
”よんだ”と2回繰り返す部分がそうですね。短いですが、アルトが主役となるフレーズですので良い声で主張しましょう。
【練習番号E】間奏
43小節目~【E】で間奏となっています。
アルトの出番はしばらく先となります。
【練習番号F】ハーモニーの変化を決めよう
48小節目~【F】です。曲中で一番静かな場面です。アルトの出番は後半からとなっています。
【F】での役割として特に重要なのが”ヒナゲシのように”のフレーズで和音を変化させることです。
アルトの音が「♮ミ→ファ」へ上がります。これにより和音がカチッと切り替わり、次のサビへと盛り上がっていく雰囲気を生み出します。
やや難しい音ですが正確に歌えるように練習しましょう。
【練習番号G】mfのメロディーはしっかり歌おう
57小節目~【G】です。2回目のサビです。
基本的にはソプラノがメロディーですが、アルトに主役がまわってくることもあります。
例えば66小節目~”あしたへとつづく”です。
- ソプラノのオブリガートあり
- 男声とハモる
- 音量…mf
このような特徴がありますので、アルトのメロディーが浮き立つようにしっかり歌ってやる必要があると思います。
【練習番号H】ソロの声をよく聴いて”U”に入ろう
71小節目~【H】です。最後の締めくくりの場面です。
アルトはソロの終わり際から歌い出します(”U”)。他のパートの合流を促す大切な役割です。
次の3点がポイントです。
- 入りの音が「♭シ」と低い
- ソロが最後に伸ばす音と同じ
- 「♮ミ」の音に注意
入る音が低めなのでやや歌いにくいです。ブレて入らないように、よくねらって歌いましょう。ソロが伸ばす音と同じであることも重要です。
また「♮ミ」はやや取りにくい音となっているので、苦手な場合は何度も練習しておきましょう。
まとめ:合唱曲『虹』アルトパートの歌い方とコツ
- 【イントロ】男声とソプラノから音を引きつごう
- 【練習番号A】ユニゾン&ハモりを意識しよう
- 【練習番号B】臨時記号の歌い出しをよくねらおう
- 【練習番号C】アルトが主役のメロディーを印象的に
- 【練習番号D】他のパートと違う動きを主張しよう
- 【練習番号F】ハーモニーの変化を決めよう
- 【練習番号G】mfのメロディーはしっかり歌おう
- 【練習番号H】ソロの声をよく聴いて”U”に入ろう
パート練習ができたら次は全体練習(アンサンブル)を行いましょう。ポイントはこちらの記事(【ワンランク上へ】合唱曲『虹』歌い方のコツ|全体練習で必ず役立つ)にて解説しています。