こんな疑問に答えます。
調を見分けるには次の2つのことを調べる必要があります。
- 長調・短調のどちらか
- 主音はどの音か
長調か短調かは何となく分かる人も多いと思いますが、問題は主音です。
主音を見つけるためには次の2つの方法があります。
- 「トニイホロヘ」を使う
- 「シャープのシ」「フラットのファ」を使う
今回の記事では、これら2つの主音の見つけ方について分かりやすく解説しました。
音楽の調が分からない、見分けられないという悩みを持っている人は多いと思います。
この記事を読むとそんな悩みが解決するはず。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
音楽の調を見分ける手順【3ステップ】
調を見分けるには次の手順で進めると分かりやすいです。
- 長調か短調かを判断する
- 主音を見つける
- 主音+長調/短調で名前をつける
ステップ1. 長調・短調を判断する
長調か短調か判断するには3つの方法があります。
- 聴いた印象で見分ける
- メロディーの終わりの階名で見分ける
- 導音で見分ける
この中では「1. 聴いて判断する」が最も分かりやすいです。
「2. メロディーの終わりの階名で見分ける」にもメリットがあり、この方法だと主音が同時に分かります。
詳しくは【注意あり】長調・短調の違いと見分け方【♯→長調、♭→短調ではない】をご覧ください。
ステップ2. 主音を見つける
長調・短調が見分けられたら次に主音を見つけます。
方法は次の2つです。
- 「トニイホロヘ」を使う
- 「シャープのシ」「フラットのファ」を使う
ステップ3. 主音+長調/短調で名前を調をつける
最後に主音と長調/短調を組みわせて調の名前をつけます。
主音=「ド」、長調
→「ハ長調」
主音=「シ」、短調
→ロ短調
ハ長調の「ハ」やロ短調の「ロ」は「ドレミファソラシ」の日本語での言い方です。
調を言い表すときは日本語のほか、ドイツ語や英語も使うことがあります。
まとめると以下の通りです。
イタリア語 | ドレミファソラシ |
---|---|
日本語 | ハニホヘトイロ |
ドイツ語 | CDEFGAH |
英語 | CDEFGAB |
とてもややこししいですね。
ひとまずこの記事では日本語(ハニホヘトイロ)で調の名前を言い表すことにします。
主音の見つけ方1. 「トニイホロヘ」の語呂合わせを使う
ここからは主音の見分け方について具体的な手順を解説します。次の通りです。
- 「トニイホロヘ」で長調の主音を見つける
- 3度下げて短調の主音を見つける
1ステップ目で長調の場合の主音が分かります。
もし曲が短調ならもうひと手間が必要です。
音を3度下げることで短調の主音を見つけることができます。
手順1. 「トニイホロヘ」で長調の主音を見つける
「トニイホロヘ」の語呂合わせを使うことで、長調の場合の調が分かります。
♯系の調の場合
♯の数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
長調の主音 | ト | ニ | イ | ホ | ロ | 嬰ヘ |
まず調号(♯や♭)の数を数えます。
♯が2つなら主音は「ニ」、♯が5つなら主音は「ロ」というふうになります。
♯が6つの場合、長調の主音は「ヘ(ファ)」となります。「ヘ」はドレミで言うと「ファ」ですが、このときファには♯がつきますので、「嬰ヘ」となります。
♭系の調の場合
♭の数 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
長調の主音 | 変ト | 変ニ | イ | 変ホ | 変ロ | ヘ |
♭系の調の場合はこうなります。♯の場合と同じく、数を数えて使います。
♯とは順番が逆になっていることに注意しましょう。
♭が2つの場合、長調の主音は「変ロ」です。「ロ」=「シ」ですが、「シ」にはフラットがついています。
手順2. 3度下げて短調の主音を見つける
長調の場合であれば先ほどの手順で主音が決まりますが、短調の場合はもう3度下の音を探す一手間が必要です。
3度下はピアノの鍵盤をイメージし、1つ飛ばしの音と考えると分かりやすいです。
- 「ド」の3度下→「ラ」
- 「ファ」の3度下→「レ」
例題1. ♯が2つの場合
例題を解いてみましょう。
まず長調・短調を判断し、その後で語呂合わせを使います。
音源を聴いてみると、暗い印象なので短調であることが分かります。
♯が2ついていることに気をつけて語呂合わせを使います。
♯の数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
長調の主音 | ト | ニ | イ | ホ | ロ | 嬰ヘ |
よって長調であればニ長調です。
次に3度下の音を探します。
「レ」の3度下は「シ」ですが、「シ」は日本語でいうと「ロ」なので、ロ短調ということが分かりました。
例題2. ♭が5つの場合
もう一問。先ほどと同様に、長調・短調を判断してから語呂合わせを使います。
今回も暗い感じ、短調ですね。
語呂合わせを使います。フラットの数は5つですね。
♭の数 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
長調の主音 | 変ト | 変ニ | イ | 変ホ | 変ロ | ヘ |
ここから、長調の場合であれば変ニ長調であることが分かります。「レ」には♭がついているので「変ニ」です。
次に3度下の音を探しましょう。
「レ♭」の1つ飛ばしは「シ」のようですが、今はフラットがついているので「シ♭」と考えると良さそうです。
よって「変ロ短調」となります。
主音の見つけ方2. 「シャープのシ」「フラットのファ」を使う
ここからはもう1つの主音の見つけ方を解説します。
- 右端の調号に注目して階名を調べる
- 長調なら「ド」、短調なら「ラ」を探す
両方のやり方を知っておくと理解が深まります。
手順1. 右端の調号に注目して階名を調べる
まずは右端の調号に注目します。
今は♭が上から2番目の線の上についていますね。ここから階名が分かります。
- 右端の♯→階名の「シ」
- 右端の♭→階名の「ファ」
階名とは「音の役割」のようなものと思ってもらって構いません。普段使っている「音名のドレミ」とごっちゃにならないように注意しましょう。
手順2. 長調なら「ド」、短調なら「ラ」を探す
今回は上から2番めの線のところが階名の「ファ」と分かりました。
次に主音を探します。次のようになります。
- 長調の主音…階名の「ド」
- 短調の主音…階名の「ラ」
音源を聴いてみるとこの曲は短調のようですね。「ラ」を探してみましょう。
ここからたどっていきます。
階名 | ラ | シ(ティ) | ド | レ | ミ | ファ |
音名 | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ♭ |
この表を右から左へたどっていくと、階名の「ラ」は音名の「ファ」ですね。
「ファ」は日本語では「ヘ」なので、この曲はヘ短調であることが分かりました。
階名の場合「シ」を「ティ」と読むことが多いです。
例題1. ♯が4つの場合
例題を解いてみましょう。
まずは右端の調号に注目します。上から2本目の線にありますね。
- 右端の♯→階名の「シ」
- 右端の♭→階名の「ファ」
だったので、今回は「シ」となります。
音源を聴いてみると明るい印象ですので長調です。
- 長調の主音…階名の「ド」
- 短調の主音…階名の「ラ」
表を使って「ド」を探してみましょう。
階名 | シ(ティ) | ド |
音名 | レ♯ | ミ |
ここから「ミ」の音が主音とわかります。
「ミ」は日本語だと「ホ」なので、「ホ長調」となります。
階名の場合「シ」を「ティ」と読むのでした。
まとめ:調を見分けるには長調/短調と主音がカギ
最後に調の見分け方を振り返っておきましょう。
- 長調か短調かを判断する
- 主音を見つける
- 主音+長調/短調で名前をつける
長調か短調かは聴いて判断するのが1番手っ取り早い方法です。
その上で主音を見つけます。方法は次の2つ。
- 「トニイホロヘ」を使う
- 「シャープのシ」「フラットのファ」を使う
「トニイホロへ」と使う場合、長調の主音はすぐに分かりますが、短調の場合はもうひと手間必要になります。
主音が分かったら最後に名前をつけて完成です。例えば「シ♭」が主音の短調の場合「変ロ短調」となります。
調について分かると楽譜を読む力がグッとアップします。
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