「合唱団に興味はあるけれど、どんなことをするのか想像がつかなくて不安…」
そんな方に向けて、入団前~入団直後~本番~本番後までの流れをざっくり解説します。団体によって細かな違いはありますが、大まかな流れは共通していることが多いと思います。
この記事を読めば、合唱団に入ったあとのイメージがつかみやすくなり、最初の一歩を踏み出しやすくなるはず。
合唱団だけでなく、学校の合唱部に入りたい、と考えている人の参考にもなると思います。
ぜひご覧ください。
もくじ
入部・入団前
練習見学・体験練習
多くの合唱団では、入団前に「練習見学」や「体験練習」の機会が用意されています。
実際に練習に参加して、団員の雰囲気や練習の進め方を体験できる場です。
まずは気軽に参加して、「ここなら続けられそうかどうか」を確かめてみましょう。
SNSやホームページなどで案内がされていることが多いですので、ぜひチェックしてみましょう。
学校の部活動の場合は、「仮入部」などの時期が定められていると思います。気になる部活があれば、機会を逃さないようにしましょう。
入部・入団直後
パート分け
入部・入団すると、最初に行われることが多いのが「パート分け」です。
合唱では、声の高さや音域によってグループ(パート)に分かれて歌います。このとき、どのパートを担当するのかを決めるのがパート分けです。
一度決まったパートは、基本的にその団の中では継続して歌っていくことになります。
初めての方でも心配はいりません。声の高さや歌いやすさ、無理のない音域を確認しながら、指導者やパートリーダーと一緒に最適なパートを決めていきます。
「自分ではパートがわからない」という場合でも不安に思う必要はありません。
すでに合唱の経験がある場合は、これまで歌っていたパートを続けることが多いですが、希望があれば新しいパートに挑戦できる場合もあります。
歓迎会
新入部員・新入団員の歓迎会が開かれることもあります。
メンバーとゆっくり話せる貴重な機会で、練習中には聞けないようなことを気軽に質問できたり、先輩や同級生の雰囲気を知る良いチャンスです。
最初は少し緊張するかもしれませんが、みんな「来てくれてうれしい!」という気持ちで迎えてくれます。
音楽以外の話題で盛り上がったり、同じ趣味を持つ仲間が見つかったりと、思わぬつながりができることも。
リラックスして、楽しんで参加してみましょう!
普段の練習の流れ
発声練習・基礎練習
練習のはじめには、多くの団で「発声練習」や「基礎練習」を行います。
目的としては、次のようなものがあります。
- 声と体を起こすウォーミングアップ
- 良い発声のためのトレーニング
- メンバーどうしの声を合わせる練習
- ハモるための耳のトレーニング
これらは、単に声を出すだけでなく、合唱に必要な「アンサンブルの技術」を育てる大切な時間でもあります。
地道に取り組むことで、少しずつ合唱の基礎力、「聴く力」がしっかり身についていきます。
真剣に取り組むことが、上達への一番の近道です。
パート練習
発声練習の後は各パートに分かれて練習します。「パー練」と呼ばれることも多いです。
パート練習では、パートリーダーが中心となり、主に次のようなことをします。
- 音取り・譜読み(自分のパートの音を覚える)
- divisi(パート内で分かれる)部分の確認
- 音程・音色・歌い方などの統一
- アンサンブルの復習
特に、初心者のうちは自分で音を取るのが難しいと思いますので、パート練習は貴重な時間です。
一般団(社会人の合唱団)ではパート練習が行われないこともあるので、入団前にチェックしておくと安心です。
全体練習・アンサンブル
いよいよ全員で集まって、各パートの音を重ねていく段階です。「全体練習」や「アンサンブル」と呼ぶことが多いです。
指揮者を中心に、次のようなポイントを確認しながら進めていきます。
- ハーモニー
- フレージング
- 言葉の伝え方
- テンポ感の共有
- 強弱や曲想などの表現
声と声が重なり、音楽が立ち上がっていく感覚は、まさに合唱の醍醐味です。
もちろん、最初から完璧にいくことばかりではありません。うまくいかなかった部分については、再びパート練習に持ち帰って復習することもあります。
このプロセスを繰り返すことで、だんだんと完成度を高めていきます。
本番直前~本番
ピアノ合わせ
ピアノ伴奏がつく曲の場合、本番が近づいてくると「ピアノ合わせ」を行います。
伴奏者の方に来てもらい、実際にピアノと一緒に歌ってみる練習です。
ピアニストが練習に来られるタイミングは限られているため、とても貴重な機会。
ピアノの音が入ることで曲の輪郭が一気に出来上がってくるので、とても楽しみな時間でもあります。
ゲネプロ(ゲネラルプローベ)
「ゲネプロ(ゲネラルプローベ)」は、本番と全く同じ順番・同じ流れで通す最終確認です。
ゲネプロが一度始まったら、基本的には途中で止めることはありません。本番の流れをそのまま再現することが、普段の練習との大きな違いです。
たとえば、
- 入場・退場の動き
- 舞台上での立ち位置や段取り
- 曲間の繋ぎ
といった細かい部分まで、不備がないかしっかり確認します。
本番
合唱祭に出演するのか、コンサートを開催するのかで内容・順番は変わってきますが、おおよそ次のようなことを行います。
- 集合
- 更衣
- 記念写真撮影
- 当日リハーサル
- 出演
本番前はどうしても緊張しますが、これまでの練習の積み重ねが自信につながります。ライトの眩しさや客席の温度感、ステージ上の静けさなど、すべてが忘れられない体験になるはずです。
歌い終わった後の充実感は格別で、「頑張ってよかった」と感じられる瞬間でもあります。
その他のイベント
ボイストレーニング
通常の練習とは別に、声楽の先生を招いて「ボイストレーニング(ボイトレ)」を行う団もあります。
- 発声のクセの改善
- 息の使い方
- 高音・低音の出し方
- 声の響かせ方
- 声の合わせ方
- 曲に合わせた歌い方のアドバイス
など、専門の先生に直接アドバイスをもらえる貴重な機会です。
交流会・団内イベント
新しく入ったメンバーを歓迎したり、団員同士の交流を深めたりするために、食事会やアットホームな交流会を行う団もあります。
「もっと仲良くなりたい」「メンバーの雰囲気を知りたい」という方には、とても良い機会です。
合宿
コンサートやコンクールの前などに、数日かけて集中的に練習する合宿が行われることもあります。
学生団では、5~7日程度に渡る期間で合宿を行うところもあります。
普段より長い時間を一緒に過ごすことで、
- 集中して音楽に取り組める
- 団員同士の距離が一気に縮まる
というメリットがあり、非常に濃密に合唱に没頭する時間になります。思い出に残るイベントの一つでもあります。
合宿の中に交流会や、団内コンサートなど、楽しいイベントが組み込まれることもありまs.
打ち上げ
本番が終わったあとは、打ち上げを開催する団も少なくありません。
本番の感想を話したり、苦労をねぎらい合ったりする、開放感のある時間です。
「次のコンサートはどうする?」など、今後の展望を話すこともあるでしょう。
まとめ
合唱部・合唱団の活動は、団体ごとに細かな違いはありますが、基本的な流れは共通しています。
特に、普段の練習の流れである、
- 発声練習・基礎練習
- パート練習
- 全体練習(アンサンブル)
この3つを押さえておけば、初日からでも安心して参加できると思います。
「ちょっと気になるな…」と思ったら、ぜひ練習見学や体験練習に足を運んでみてくださいね。




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