こんな疑問に答えます。
大きな声が出ずに悩んでいる人は多いと思います。頑張っているのに喉が痛くなるばかりでなかなか辛いですよね。
そんな人は次の2点を改善しましょう。
- 息の量をアップする
- 息→声の変換効率をアップする
この記事ではこれら2点の具体的な練習方法とポイントを解説します。
私自身、かつては声の響きがなくて悩んでいた時期がありましたが、この方法で解決しました。
また合唱の練習で取り入れて効果があった方法でもあります。
地声の訓練はミックスボイスをマスターすることにも繋がっていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
[声量=息の量×変換効率]で決まる
声の大きさは[声量=息の量×変換効率]で書くことができます。
つまり次の2点が声量に関しては重要ということです。
- 息の量…歌うときに吸って吐く息の量
- 変換効率…吸った息をどれだけ声に変換できるか
声量が小さくて悩んでいる人はこのどちらか、あるいは両方をアップさせる必要があります。
ちなみに、効果が劇的に高いのは変換効率をアップさせる方です。
[息の量×変換効率]を高める5つのメリット
先に今回紹介する練習方法のメリットを紹介しておきます。
- 声量アップ
- 声に迫力や厚みが出る
- 長いフレーズを息切れせずに歌える
- ミックスボイスに繋がる
- 低音が響きやすくなる
詳しく解説します。
メリット1. 声量アップ
当然ながら声の大きさがアップします。
これがそもそもの目的でした。
メリット2. 声に迫力や厚みが出る
単純な声の大きさだけでなく、線の太い声を出せるようになります。
メリット3. 長いフレーズを息切れせずに歌える
息の量と変換効率は1度に歌えるフレーズを長くすることにも繋がります。
そのため、「気持ちよく歌っていたのに、サビのいいところで息切れ…」という心配がなくなります。
メリット4. ミックスボイスに繋がる
今回の練習法では表声(地声)の練習ができます。
表声のイメージをつかんでおくと、裏声の練習とあわせてとミックスボイスに繋がります。
「ミックスボイス…表声と裏声がほどよくブレンドされた声」だからです。
メリット5. 低音が響きやすくなる
表声(地声)の感覚をつかむと低音の出しやすさに繋がります。
低音が上手く出せない人は、高いところも低いところも全く同じような出し方をしていることが多いです。
そうではなく、低いところでは地声成分を多くすることコツになります。
息の量をアップさせる練習法【全身をくまなく使うのがコツ】
ここからは息の量と変換効率に分けて練習方法を解説します。まずは息の量をアップさせましょう。
息(ブレス)では全身をくまなく使うのがコツです。
- 全身のウォーミングアップをしっかり行う
- 腹式呼吸を身に着ける
- 「シー!!」と強く息を吐く
- 穴あけペットボトルを使う
1. 全身のウォーミングアップをしっかり行う
まずは全身を動かしてウォーミングアップをしっかり行いましょう。
体が温まっているほうが息を大きく吸いやすく、次の腹式呼吸もやりやすくなります。
2. 腹式呼吸を身に着ける
発声での呼吸法はやは腹式呼吸が基本です。
ポイントを挙げておきます。
- 鼻から吸う(イメージがつかみやすい、歌うときは口からでOK)
- 吸ったときに肩が上がらないように
- 吐くときにお腹は張ったままキープ(※諸説あり)
※吐くときにお腹をへこますという説もありますが、今は張ったままキープのほうがトレンドっぽいです。
イメージがつかみにくい人は「仰向けになって吸う」「座って腰・お腹に手を当てて吸う」など、姿勢を変えてみるのも手だと思います。
3. 「シーー(sh—)!」と強く息を吐く
お腹を使って息を吐く感覚を身につけるには「シー!!」と強く息を吐く練習が有効です。
- 息をしっかり吸う
- 「シー(sh—)!」となるべく大きな音で息を吐く
- 出来るところまで吐き切る
- 体を緩めて息を体の中に導く
「シーー!」は上下の前歯の隙間に息を勢いよく通して鳴らすイメージです。
最後の「出来るだけ吐き切る」ところもポイント。
呼吸法に慣れていない人はここで最後まで吐き切れていないことが多いです。
「もうそろそろ無くなったかな?」と思ってから、今度は膝をまげてしゃがみ込んでみてください。こうすることで体の中に残った息をすべて追い出すことができます。
そのあと再び立ち上がって体を緩めることで息がスッと入ってくるはず。
何回か繰り返し、全身を使って呼吸する感覚を身につけましょう。
4. 穴あけペットボトルを使う
ブレスをゴリゴリに鍛えるのにおすすめの方法です。
- ペットボトルの底に画鋲でいくつか穴を空ける
- 穴あけペットボトルを口にくわえて吸ったり吐いたり
- 7~8秒で吐き切れるようにする
こうすることで、お腹で高い圧力をかけて息を吐く練習をすることができます。
穴の個数はレベルによって調整してください。酸欠注意。
息→声の変換効率をアップさせる練習法【声門閉鎖がカギ】
次に変換効率を高める練習法を解説します。
変換効率を高めるには息モレを無くすことが大切。
息は声門という部分を通るときに声に変わるときに声に変わります。
声門がぴったりと閉じていないとスカスカと素通りしてしまい、声になりません。
ラガラガ練習
こちらの動画の練習が参考になります。(※0:50あたりからご覧ください。)
「ラガラガラガラガラー」と歌います。
- ガ行…声門がぴったりと閉じやすい(息モレしにくい)
- ラ行…組み合わせることで喉に負担がかかりにくくなる
ポイントを言っておくと不自然に声を作ろうとしないことが大切です。
良い声で歌おうとしすぎると、声自体が不自然になってしまうだけでなく喉に負担を掛けやすいです。
んごんご練習
「ラガラガ」と同じメロディー、つまり「ドレミファソファミレドー」に乗せて今度は「んごんごー」といいます。
- ん…響きを自然に乗せる効果
が得られます。
よりレベルアップした人向けの練習法
慣れてきたら次のレベルに挑戦してみましょう。
裏声と表声を行き来する
今回練習した息モレのない表声(地声)は次の特徴があります。
[良いところ]
- 声量が出やすい
- 低音が出やすい
[悪いところ]
- 高音が出にくい
- 響きがやや荒い(ガラガラしがち)
- ピッチコントロールがしにくい
そのため純粋な表声だけだと歌いきれない曲が多くなってきます。
そこで裏声を適度にブレンドしたミックスボイスが重要になってきます。
ミックスボイスを取得するために必要なのが表声と裏声を行き来する練習です。
ボイトレを活用する
さらなる声量アップ、歌唱力アップを目指したい人はぜひボイトレを活用してみてください。
声量に関して言えば、自分一人で練習していると「まあこんなもんかな…」と自分でリミットを掛けてしまいがちです。
そこでトレーナーの先生に1度本気を見せてもらってください。「人間ってこんな声が出るんだ!」と刺激を得られるはずです。
まとめ:声量がアップできると歌の幅が広がる
ポイントを振り返ります。
まずは[声量=息の量×変換効率(×共鳴)]という式を知っておいてください。
この記事では息の量と変換効率の練習に分けて解説しました。
[息の量をアップさせる練習法]
- 全身のウォーミングアップをしっかり行う
- 腹式呼吸を身に着ける
- 「シー!!」と強く息を吐く
- 穴あけペットボトルを使う
※全身を使って呼吸する感覚を身につけるのがポイント
[変換効率をアップさせる練習法]
- ラガラガ練習
- んごんご練習
※[声門閉鎖=息モレを無くす]のがポイント
声量アップのコツがつかめると表現の幅が広がり、歌がより一層楽しめるようになります。
今回の練習を通して表声をしっかりマスターすることはミックスボイスの習得にも繋がっていきます。
こちらの記事【歌唱力爆上げ】ミックスボイスの出し方・練習法【3ステップで解説】もあわせてご覧ください。