【流れがつかめる】合唱練習の全体像|内容と目的を紹介

「合唱の練習って、みんなどんなことをしているんだろう? 全体の流れを知りたい」
そんな方に読んでいただきたい記事です。
この記事では、合唱の練習で行われる主な内容と、それぞれの目的をわかりやすく整理しました。
練習の始まりから、1曲が仕上がるまでのプロセスを概観できるようにまとめています。
これから合唱を始める方も、あらためて全体像を見直したい方も、ぜひ参考にしてください。
合唱練習の全体像
合唱の日々の練習は、大きく分けると次の3ステップの流れで行われることが多いです。
- 基礎練習
- パート練習
- 全体練習(アンサンブル)
この次から、それぞれの内容について解説していきます。

1. 基礎練習
実際に曲に入る前に行う、体と声を整える・トレーニングするための時間です。
「発声練習」という呼び方を使う団が多いと思いますが、実際には声のトレーニングだけでなく、複数の要素を含むため、この記事ではまとめて基礎練習と呼びたいと思います。
基礎練習では主に次の内容が含まれます。
- ウォーミングアップ
- 呼吸・声のトレーニング(発声練習)
- アンサンブルの基礎トレーニング
イメージがつかめるよう、少し詳しく説明しておきたいと思います。
ウォーミングアップ
声は体で作るものなので、まずは体の状態を整えることが大事です。
軽い運動で体を温め、肩まわり・首・顔などをほぐしておくと、声も出やすくなります。
同様に、声自体にもウォーミングアップが必要です。いきなり強く歌うと喉を痛めてしまうため、無理のない音域から声を出し、徐々に慣らしていきます。
呼吸・声のトレーニング
声の源は息(ブレス)です。
まずは息を一定に吐く・お腹で支えるといったブレスの練習で、呼吸をコントロールできるようにします。
その後、声のトレーニングへ。団によって理想の声は異なりますが、一般には「明るく・深い響き」を目指しながら、以下のような練習をします。
- 母音・子音
- 跳躍音程
- 音量コントロール
- アーティキュレーション(レガート・スタッカートなど)
アンサンブルの基礎トレーニング
曲に入る前に、簡単なアンサンブルの基礎トレーニングを行う団もあります。
代表的な内容は、以下の通り。
- 階名唱:音の役割・イメージをつかむ
- カデンツ:ハーモニーを整える
- カノン:周りを聴きながら歌う
全体で音楽を作るための「耳を鍛える」時間です。
2. パート練習
基礎練習の後はパート練習を行うことが多いです。
自分の担当するパートに別れ、パートリーダーの指導のもと練習を行います。
主な内容は以下の通りです。
- 音取り・譜読み
- パート内での歌い方の統一
- divisiの確認
- アンサンブルの復習
- 歌い込み(反復練習)
また、「パート内でのメンバー同士の交流」というのもパート練習の重要な役割と言えるかもしれません。
パート練習は学校の部活や大学のサークルなどでは実施されることが多いです。
一方、社会人が中心の一般団においては、パート練習が省略される場合も多いです。その場合、自分で譜読みができる力が必要となります。
パート練習の有無は、初心者の方が入る合唱団を選ぶ際には注意しておきたいポイントです。
3. 全体練習(アンサンブル)
パート練習が終わったら、再びメンバーが合流して全体で練習を行います。
パートが揃うことで、どんな音楽が生まれるのかと、とてもワクワクする時間です。

全体練習での内容例は以下の通りです。
- テンポ感の共有
- ハーモニーの確認
- 曲想の共有
- 掛け合いの確認
- 細部の作り込み
- より深い表現の追求
もちろん、1回の全体練習ですべて完成するわけではありません。
音取りをした直後では、自分が歌うべき音を見失ってしまったりすることもあるでしょうし、その他にもうまくいかないフレーズが出てくると思います。
そういったところは、パート練習に持ち帰って復習・練習します。
パート練習~全体練習のサイクルを何度も繰り返すことで、だんだんと曲の完成に近づいていくのですね。
【まとめ】合唱練習の全体像
それではまとめです。
合唱部や合唱団で普段行っている練習の目的や内容をざっと紹介しました。
まずは全体的な流れを知っておきましょう。
- 基礎練習…ウォーミングアップ・発声練習など
- パート練習…譜読み、磨き上げ
- 全体練習(アンサンブル)…全体の仕上げ
どの団体においてもこれらの内容をベースとした練習メニューになっています。
これを押さえておけば、はじめて合唱の練習に参加する際にも戸惑うことはないのではないかと思います。





