横山潤子

『向かい風は潮の匂い』(覚和歌子/横山潤子)を解説|未来へのエール

こんにちは!

今回は覚和歌子作詩・横山潤子作曲、《ここに海があって》より『向かい風は潮の匂い』を紹介します。

曲調や難易度、曲の魅力・鑑賞のポイント、演奏・練習のポイントなどを解説しています。

この曲を知らなかった人、これから聴いてみたい人、これから歌ってみたい人のお役に立てば幸いです。

それではどうぞ!

『向かい風は潮の匂い』ってどんな曲?

まずは『向かい風は潮の匂い』という曲について、「この曲知らない!」「初めて知った!」という人のために、作詩者・作曲者、難易度、曲調についてざっくりと紹介します。

作詩は覚和歌子、作曲は横山潤子

『向かい風は潮の匂い』の作詩は覚和歌子、作曲は横山潤子

全3曲からなる混声合唱とピアノのための《ここに海があって》の1曲目です。

難易度は…初~中級

『向かい風は潮の匂い』の難易度は、初~中級です。

のびのびと歌えるフレーズが多くピアノも付くので、親しみやすい作品です。

ややdivisiが多く、前奏と中盤にアカペラ部分があるのでその点は要注意。

曲調は…未来へのエール! 若さゆえの自由さ・喜び・不安をさわやかに歌う

『向かい風は潮の匂い』はとにかく若々しい曲です。

若さゆえの自由さや喜び、不安を歌う内容。

中学~高校くらいの年齢層に向けて書かれている感じですね。

潮風が吹き抜けるようなピアノパートとメロディーの流れが印象的です。

さわやかな声質がマッチしそうです。

…いい曲なので、「この曲はちょっと若すぎる…」なんて言わずに大人にも歌って欲しかったりもします。

今日が一番若い日! まだいけますよ!

『向かい風は潮の匂い』の魅力について語る!

続いては『向かい風は潮の匂い』という曲を、「聴いたことある!」「これから聴く!」という人に向けて、曲の魅力や鑑賞のポイントについて語っていきたいと思います。

転調による前向きで力強い展開!

この曲では要所で効果的な転調が用いられ、それが非常に前向きで力強い展開に繋がっています。

例えば前奏部分のアカペラからピアノパートが入る部分。

直前の和音はAなので、通常だと次はDのコードに解決するところですが、Bに進行します。ここからは変ロ長調(Bkey)へ。

これにより聴く人の予想を裏切り、新しく未知の世界に踏み入れるような、そんな新鮮さが演出されます。

続いては変ロ長調(B key)からイ長調(A key)へさらに転調。

すぐにトニック(主和音=Aのコード)へ行かず、音楽を前に進める力の強いドミナント(Eのコード)で4小節間引き延ばします。

これにより溜めに溜めた、という感じの力強さが発揮されています。

転調による不安・痛みの表現

再び転調について解説。

ここまでのイ長調(A key)からホ短調(Em key)へ。

暗い調へ移る上、不安定な和音の進行や不協和音が使われていたりと、今までとは雰囲気がガラリと変わります。

この部分で歌われるのは若さゆえの不安感や痛みです。

じっくりと言葉を噛みしめるようなアカペラ部分

中盤に現れるアカペラでは少しテンポを落とし、語るように歌われます。

いったん立ち止まって、言葉を噛みしめるように、心に刻むように、そんなイメージ。

クレッシェンドと共に加わるピアノパートは、新しい風が吹き抜けるような印象を与えます。

力強く駆け上がるフレーズから、目の前が開けるようなラストへ

この曲の最後の部分では、序盤に歌われたのと同様に音階を上がっていくメロディーが再現されます。

allarg.(アラルガンド/だんだん遅くしながらだんだん強く)しながら力強く駆け上がるこのフレーズは、”向かい風”に逆らって進むようです。

ここで大きく盛り上がった後、最後にヴォカリーズにより和音が豊かに響かせられます。

目の前が大きく、広々と開けるような印象で曲が締めくくられます。

まとめ:『向かい風は潮の匂い』(覚和歌子/横山潤子)

それではまとめです!

《ここに海があって》より『向かい風は潮の匂い』でした。

さわやかで力強く、前向きな若々しい曲です。

転調や和声進行を効果的に利用した不安や痛みの表現、アカペラによる真摯な語りなど、繊細な心理描写も魅力。

若者向けの曲ではありますが、是非幅広い年代に歌っていただきたい曲でもあります。

結構心に刺さりますよ。

今回はここまで。お読みいただきありがとうございました!

ABOUT ME
えすた
合唱歴10年以上のアマチュア合唱指揮者です。 合唱団運営などもやっております。